G.222 (航空機)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/31 04:22 UTC 版)
G.222
G.222は、イタリアのアエリタリア(現アレーニア・アエルマッキ)社が製造したターボプロップ輸送機。しばしばG222あるいはG-222とも表記される。
概要
高翼配置の主翼にターボプロップエンジンを二基搭載しており、主脚は胴体下側面のバルジ(膨らみ)に収納している。そして、胴体後部の貨物扉、水平尾翼の配置は通常形式と、C-130 ハーキュリーズからエンジンを減らしたイメージによく似ているため、「ミニ・ハーキュリーズ」とも呼ばれる。外見とは裏腹に機動性が高く、バレルロールを披露できるほどである。また、小型の機体に効率的な主翼を搭載しているためSTOL性に優れ、短い未舗装滑走路で運用することも可能である。
開発は、1962年の北大西洋条約機構(NATO)による垂直離着陸輸送機(NBMR4)の要求に遡る。当初、リフトエンジンを搭載した垂直離着陸輸送機として開発が行われたが、これは途中で計画中止となった。その後、通常型の輸送機として開発が続行され、初号機は1970年7月18日に初飛行した。1972年にイタリア空軍に制式採用され、C-119輸送機の後継として、1978年4月から部隊配備が開始された。輸出も行われ、1990年代後半からはアレニア社とロッキード・マーティン社が共同で改良を施した新世代型C-27Jに生産が移行している。
アメリカ軍での採用
アメリカ空軍は、パナマ運河地帯を拠点にする南方軍で用いるための迅速反応戦域内輸送機(RRITA)として、1990年にG.222を採用した。比較的小型の機体のため、野原や小規模飛行場での運用に適していたためである。C-27A スパルタンの名称で10機が引き渡されたこれらの機体には、クライスラーが開発したアメリカ空軍向けの装備品が搭載されていた。
しかし、軍事予算削減の影響で1999年に運用終了となり、現在は民間登録されてアメリカ政府で運用されている。
運用国
- イタリア空軍の中古機。2009年に導入したが部品不足に悩まされ、プロペラの予備部品が尽きた際は、世界で唯一同じものを使用していた海上自衛隊のUS-1のものがアメリカ経由で引き渡されていたが、現在はほとんどの機体がスクラップ処分となっている。
- 1 G.222 (航空機)とは
- 2 G.222 (航空機)の概要
- 3 諸元・性能
- 4 派生型
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