4元電流密度 4元電流密度の概要

4元電流密度

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/16 15:19 UTC 版)

4元電流密度はローレンツ変換の下でベクトル[要曖昧さ回避]として変換する4元ベクトルであり、時間成分は電荷密度 ρ、空間成分が電流密度 j であり

と書かれる。光速度 c により電荷密度の次元が電流密度の次元に換算される。

基礎方程式

電荷の保存則を表す連続の方程式は、4元ベクトルの発散

の形で書かれる。

4元電流密度は電磁場の源(ソース)でありマクスウェルの方程式

を満たす。ここで F電磁場テンソルA電磁ポテンシャルである。また μ0磁気定数である。

また、4元電流密度は、電磁場からローレンツ力

を受ける。

ラグランジュ形式

物質 X と電磁場 A が相互作用する系の作用積分

と書かれる。相互作用項 Sint は一般に

の形で書かれるため、4元電流密度は汎関数微分により

と表される。

微視的に見ると4元電流密度は荷電粒子の集合であり、4元電流密度は粒子を記述する力学変数 X の関数として書かれる。粒子の系がどのように記述されるかによって、相互作用項の具体形は変化し、それに伴って4元電流密度の具体形も変化する。

古典粒子

古典的な粒子系を考えるとき、粒子はその位置によって記述される。4元電流密度は相対論的に取り扱われる量であり、粒子も相対論的な系を考える。 位置 Xi にある粒子が電荷 qi を帯びているとき、作用汎関数は

で書かれる。したがって、この系の4元電流密度は

である。

フェルミ粒子

量子論的なフェルミ粒子の系は、ディラック場 ψ で記述される。質量が m の自由なフェルミ粒子の運動項は

で与えられる。ここで γガンマ行列である。

フェルミ粒子と電磁場との相互作用は、ゲージ理論に基づいて、微分を共変微分へ置き換える最小結合の理論で記述される。 従って、フェルミ粒子の運動項と相互作用項は

の形となる。ここで e電磁相互作用結合定数である電気素量である。また、Q はディラック場 ψU(1)em の下での変換性を表すチャージである。

従って相互作用項は

であり、4元電流密度は

となる。




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