連続の方程式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/20 15:47 UTC 版)
流体における連続の式
質量保存則
速度が v で表される流れを考える。ρを質量密度、j を質量の流束とする。流れ、すなわち、移流あるいは対流は速度 v での物質の移動であるので、流束は
となる[2]。
質量保存則から連続の式は
となる。
輸送定理による導出
速度が v で表される流れにおける連続の方程式は、質量保存則とレイノルズの輸送定理を用いても導ける[1]。
ここで、 は実質微分であり、Ω(t ) は流れと共に移動する任意の積分領域とする。1番目の等式は質量保存則を、2番目の等式はレイノルズの輸送定理を表している。
これより、
が成立する。
この式は、実質微分の定義
と公式
を使って、
と等価であることがわかる。
非圧縮性流体についての連続の方程式
連続の方程式
に対して、非圧縮性流体の性質(密度が一定であること)を付加すると、非圧縮性流体における連続の式が導き出される。密度が一定というのは、空間的に一様という意味ではなく、変形していく領域内で一定という意味である[2]。つまり、 となるので、ρ≠ 0 であることから、
を得る。この式を非圧縮性条件ともいう。
この条件を満たす流れにおいて、流れていく流体要素の体積は不変である。
- ^ a b 中村育雄 『流体解析ハンドブック』(初)共立出版、1998年3月20日。ISBN 4320081188。
- ^ a b 巽友正 『新物理学シリーズ21 流体力学』培風館、1995年9月。ISBN 456302421X。
- ^ 砂川重信 『理論電磁気学』(3版)紀伊國屋書店、1999年9月。ISBN 4314008547。
- ^ メシア 著、小出昭一郎、田村二郎 訳 『量子力学1』(1版)東京図書、1971年6月15日。ISBN 4489012438。
- ^ 戸田 盛和; 斎藤 信彦; 久保 亮五; 橋爪 夏樹 『岩波講座 現代物理学の基礎 統計物理学』(新装)岩波書店、2011年11月26日。ISBN 4000298054。
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