近代オリンピック 日本との関わり

近代オリンピック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/03 09:12 UTC 版)

日本との関わり

日本が初めて参加したのは、1912年に開催されたストックホルム大会である。これはオリンピックの普及に腐心したクーベルタン男爵の強い勧めによるものであるが、嘉納治五郎を初めとする日本側関係者の努力も大きかった。最初は男子陸上のみによる参加であったが、アムステルダム大会からは女子選手も参加した。アムステルダム大会から日本国の予算で選手渡航費が計上された。それまでは自費で渡航していた。

なお、ストックホルム夏季大会で嘉納治五郎は日本人初のIOC委員として参加し、また男子陸上の選手として参加したのは短距離の三島弥彦とマラソン選手の金栗四三で、この2名が日本人初のオリンピック選手として大会に参加した。

日本選手のメダル獲得、ベルリン大会から始まったラジオ実況中継[注 14][73]、聖火ランナーなどにより、日本での関心が増し、1940年の夏の大会を東京に、1940年の冬の大会を札幌に招致する事に成功したが、これらの大会は日中戦争支那事変)の激化もあり自ら開催権を返上した[注 15]。戦後のロンドン大会には戦争責任からドイツと共に日本は参加を許されず、ヘルシンキ大会より復帰している。

日本国内での開催は、夏季オリンピックを東京で2度(1964年2021年)、冬季オリンピックを札幌(これらはそれぞれアジア地区で最初の開催でもある)および長野で行っている。なお、世界で初めて夏季・冬季両方のオリンピックの開催地となった都市は、長野県軽井沢町である[注 16][74]

報奨金

日本オリンピック委員会は、1992年アルベールビルオリンピック以降のオリンピック金メダリストに300万円(2016年リオデジャネイロオリンピックからは500万円)、銀メダリストに200万円、銅メダリストに100万円の報奨金を贈っている。


  1. ^ 冬季大会は1992年アルベールビル大会から。なお、初の同一国開催は1964年東京大会であったが、この時はこの方式の定着はならなかった。
  2. ^ 1908年・1912年のオリンピックでは、オーストララシアとして参加。
  3. ^ 当初、シカゴで開催と決定していたが、セントルイス万国博覧会との共催のため、セントルイスへ譲渡された。
  4. ^ この大会の後、4年ごとに開催された大会だけをオリンピックと呼ぶことになり、国際オリンピック委員会は、この大会を認めていない。特別大会或いは、中間大会と呼ばれる。
  5. ^ 第一次世界大戦のため開催中止。
  6. ^ 日中戦争第二次世界大戦のため開催中止。
  7. ^ 第二次世界大戦のため開催中止。
  8. ^ メルボルンオリンピック→馬術競技のみ、検疫の関係で1956年6月10日から6月17日まで、スウェーデンのストックホルムで開催。
  9. ^ 当初2020年に開催予定だったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行の影響で、近代オリンピック史上初の延期となった。
  10. ^ 2020年東京大会では演奏されなかった。
  11. ^ アフガニスタン紛争 (1978年-1989年) を西側が非難しモスクワをボイコット。報復として東側もロサンゼルスをボイコット
  12. ^ NBAファイナルが6月、ワールドシリーズが10月。シーズン中でバッティングしない時期がこの2か月間のみとなる。
  13. ^ 首都圏スーパーマーケットホームセンターを展開しているOlympicグループはIOCによる商業主義路線が本格化する前に創業した歴史的経緯があるため、JOCとの協議を経て、現状維持となっている[56]
  14. ^ ラジオでの報道はその前のロサンゼルス大会からおこなわれたが、このときは権利を持つアメリカの放送局との放送権料の交渉が決裂したため、アナウンサーが会場で見た光景を、放送局のマイクで再現して話す「実感放送」だった。
  15. ^ 代替開催地としてヘルシンキが選定されたが、これも第二次世界大戦の勃発で中止となった。
  16. ^ 1964年の夏季オリンピックでは総合馬術競技、1998年の冬季オリンピックではカーリング競技が行われた。






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