踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!
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興行成績
全国447スクリーンで公開。テレビ局など公共の電波媒体を使った大量の宣伝展開と前作からの期待が奏功して、初日2日間で興収9億7,199万3,450円、動員は70万7,399人で週末興行ランキングで第1位を記録した(ちなみに興行収入173億円を記録した前作の公開初日2日間は興収12億4,400万円)[2]。しかし、2週目からは週末興行ランキングで一気に3位に転落し、週末2日間6億7,300万円と落ち込みが激しく、69.2%とシリーズ最大の下落率となった。最終興行成績は73.1億円[3]で、2010年度興行収入邦画第3位だったが、興行記録と観客動員数ともに前作の半分以下であり、シリーズ最大規模のスクリーン数を確保しながら前作、前々作を大幅に下回る厳しい興行に終わった。
ストーリー
2010年3月28日。湾岸署は3日後の新湾岸署の開署にむけて、刑事課強行犯係の係長・警部補となった青島俊作の指揮の下、引越しの準備で騒然となっていた。
引っ越し作業の最中、管内でバスジャック事件とネットワークで管理された金庫がクラッキングでこじ開けられた銀行強盗事件が立て続けに発生。青島やすみれがそれぞれ現場に急行するが、どちらも「何も盗られていない」という妙な共通点があった。その矢先、引っ越し業者の人材派遣登録スタッフに扮した若者達に、引っ越し中とはいえなぜか警備されていない新湾岸署の武器庫から拳銃を3丁盗まれてしまう。
翌朝、レインボーブリッジ付近で盗まれた拳銃によって射殺された遺体が発見され、青島は所轄と本庁の調整役(サーバントリーダー)の鳥飼誠一管理補佐官とコンビを組むことに。真下の後任の交渉課課長となった小池は、被害者がプレイしていたオンラインゲームを通じて犯人に接触。そこで犯人は、かつて青島が逮捕した犯罪者9名を解放させることを要求。それが飲めなければ盗んだ拳銃でさらなる無差別殺人を行うと宣言する。一方、警察庁では官僚達が会議室で事件の対策にあたることになるが、その中には広島県警から警察庁に異動となり警察庁長官官房審議官となっていた室井慎次がいた。あくまでテロに屈せず、現場を信じることにこだわる室井だったが、利害のみが交差する政治の場で正義と犠牲の狭間の選択を迫られる。
一方、青島は健康診断を担当した病院の医師から胸部に腫瘍が発見された可能性があることを伝えられ、気力を失ってしまう。後に誤診だったことが明らかになり、青島の暴走を懸念する神田署長らに黙殺されるが、和久平八郎の甥でもある新人刑事・和久伸次郎が持っていた「和久ノート」に記された教えに初心を思い出した青島は再び「死ぬ気で」事件へと立ち向かっていく。
犯人の真の目的が明らかになる中、犯人の策によって新湾岸署が封鎖され、すみれや真下ら署員達は、引っ越し業者と共に要塞となった建物の中に閉じ込められてしまう。さらに犯人は署内に設置した毒ガスを散布すると宣告した。そして青島の「命がけの捜査」は、唯一解放された犯罪者で、事件を背後で動かしていた日向真奈美と再び一対一での対決へと展開することになる。
登場人物
- 湾岸警察署
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- 青島俊作(警視庁湾岸警察署刑事課強行犯係係長・警部補) - 織田裕二
- 恩田すみれ(警視庁湾岸警察署刑事課盗犯係主任・巡査部長) - 深津絵里
- 真下正義(警察庁長官官房付・警視(新・警視庁湾岸警察署署長)) - ユースケ・サンタマリア
- 和久伸次郎(警視庁湾岸警察署刑事課強行犯係・巡査部長) - 伊藤淳史
- 篠原夏美(警視庁湾岸警察署刑事課強行犯係・巡査部長) - 内田有紀
- スリーアミーゴス
- 魚住二郎(警視庁湾岸警察署警務課課長・警部) - 佐戸井けん太
- 中西修(警視庁湾岸警察署盗犯係係長・警部補) - 小林すすむ
- 緒方薫(警視庁湾岸警察署刑事課強行犯係主任・巡査部長) - 甲本雅裕
- 森下孝治(警視庁湾岸警察署刑事課盗犯係・巡査部長) - 遠山俊也
- 栗山孝治(警視庁湾岸警察署刑事課強行犯係・巡査(媒体によっては巡査部長)) - 川野直輝
- 王明才(警視庁湾岸警察署刑事課強行犯係・研修生) - 滝藤賢一
- 警視庁刑事部
- 警視庁警備部
- 警察庁幹部
- その他
- ドラマシリーズおよび前作までに犯人役を演じた人物
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- 須川圭一 - 森廉
- ゲームセンター窃盗事件で補導された生意気な小学生(第1話)。『歳末特別警戒スペシャル』でも登場し、着ぐるみを着た青島にちょっかいを出していた。今作では事件の実行犯を演じた。
- 田中文夫 - 近藤芳正(出演はなし)
- 柏木満男(柏木雪乃の父親)殺人で逮捕(第1話)。本作の時点では既に刑務所を出所している。
- 野口達夫 - 伊集院光
- ストーカーで逮捕(第5話)。出所後に強盗殺人で再々逮捕され(『弁護士 灰島秀樹』)、医療刑務所収監中だが、精神に異常を来たしているため、解放は見送られた。
- 岩瀬修 - 布川敏和(出演はなし)
- 雪乃の元恋人で麻薬密輸で逮捕(第7話)。本作の時点では既に刑務所を出所している。
- 古田新太(役名は設定されていない・出演はなし)
- 現金輸送車強奪犯で逮捕(『歳末特別警戒スペシャル』)。本作の時点では既に刑務所を出所している。
- 鏡恭一 - 稲垣吾郎
- 強盗殺人で逮捕(『歳末特別警戒スペシャル』)。服役中だが、キリスト教に帰依し、自身の償いがまだ終わっていないとして解放を拒否。
- 柏田郁夫 - 宮藤官九郎(出演はなし)
- 放火殺人未遂の実行犯で逮捕(『秋の犯罪撲滅スペシャル』)。本作の時点では既に刑務所を出所している。
- 坂下始 - 北山雅康(出演はなし)
- 副総監身代金誘拐で逮捕(『THE MOVIE』)。本作の時点では既に刑務所を出所している[4]。
- 増田喜一 - 岡村隆史
- 連続婦女暴行で逮捕。吸血鬼の物真似をする(『THE MOVIE2』)。本作では解放される予定だったが、渋滞に巻き込まれ、時間切れで連れ戻される。
- 日向真奈美 - 小泉今日子
- 猟奇殺人で逮捕(『THE MOVIE』)。本作では脱獄をするため心酔する若者達を犯行に走らせた主犯格。前作の事件で警察が捕まえに来ない事に業を煮やし自ら湾岸署に出向き死のうとするもその思いを果たせなかったため、今作で旧湾岸署内で殉教死を目論む。
- 須川圭一 - 森廉
- 踊る大捜査線 THE MOVIE 3で犯人役を演じた人物
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- 瀬川クミ - 時東ぁみ
- ^ 劇場プログラムより
- ^ 公開初日舞台挨拶が全国41カ所の劇場に生中継され、配給の東宝によると上映初回だけで1万人以上が動員と発表された。公開日の興収が5億2,928万3,850円、動員が39万17人、2日目が興収4億4,270万9,600円、動員が31万7,382人“100億突破なるか!?熱狂的なファンが集結し、『踊る3』がぶっちぎりのトップ!!【映画週末興行成績】”. シネマトゥディ. (2010年7月6日) 2011年2月15日閲覧。
- ^ 一般社団法人 日本映画製作者連盟 (2011年1月27日). “2010年度(平成22年)興収10億円以上番組(平成23年1月発表)[邦画]” (PDF). 2011年1月28日閲覧。
- ^ 踊る大捜査線シリーズ内ではないが、『UDON』内でも出所後の様子が描かれている。
- ^ 須川 圭一のオンラインゲームでのハンドルネーム「ノライヌ」など
- ^ このことは当の精神保健福祉士協会からも指摘を受けている。2010年度要望書・見解等・「踊る大捜査線 THE MOVIE3」に登場する精神保健福祉士資格者に係る設定の誤りについて(指摘とお願い)
- ^ 毒舌!脱力!2010年のトホホなダメ映画はコレ!映画秘宝はくさいアワード決定!シネマトゥディ 2011年1月21日
- ^ ザ・シネマハスラー 2010年 全映画ランキング!(12月18日確定)TBSラジオライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル 2010年12月19日
- ^ Twitter/本広克行 2010年6月5日 10:16 2010年7月閲覧。
- ^ ドコモ動画『踊る大捜査線3』スピンオフが1週間限定で劇場公開&織田裕二、1日10回舞台挨拶敢行!MovieWalker 2010年7月24日
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