花火 (ストラヴィンスキー)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 15:03 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動作曲の経緯
ストラヴィンスキーの自伝によると、『花火』は1908年に恩師ニコライ・リムスキー=コルサコフの娘のナジェージダと、同門の作曲家マクシミリアン・シテインベルクとの結婚を記念して作曲されたが、リムスキー=コルサコフはその年の6月に亡くなったために、演奏を聴くことは出来なかった[1]。ストラヴィンスキーは師の追憶のために『葬儀の歌』を作曲したが、それ以前に『花火』は一応の完成を見ており、シテインベルク夫妻は7月11日[2]に曲の感想を書いている[3]。その後も改良を続け、実際に完成したのは1909年の5月から6月と考えられる[4]。
演奏
自伝によると、『花火』は1909年にアレクサンドル・ジロティの指揮によって『幻想的スケルツォ』とともに初演され、初演を聞いたセルゲイ・ディアギレフがこの時からストラヴィンスキーと親密な関係を持ったことになっている[5]。しかしこれは正しくなく、『花火』の公開初演は翌1910年1月9日[2]であって、すでにストラヴィンスキーは『火の鳥』を書いている最中だった。ウォルシュによると、公開初演の前にも私的な演奏を何度か行っていたため、そのひとつをディアギレフが聞いた可能性は充分あるという[6]。
1917年にバレエ・リュスは『花火』をローマで上演した。指揮はストラヴィンスキー本人により、未来派のジャコモ・バッラが舞台装置を担当した[7][8]。
編成
ピッコロ、フルート2、オーボエ2(第2奏者コーラングレ持ち替え)、クラリネット3(第3奏者バスクラリネット持ち替え)、ファゴット2、ホルン6、トランペット3、トロンボーン3、チューバ、ティンパニ、トライアングル、シンバル、大太鼓、グロッケンシュピール、ハープ2、チェレスタ、弦五部(第1ヴァイオリン16、第2ヴァイオリン14、ヴィオラ12、チェロ10、コントラバス8)
演奏時間は約4分。
参考文献
- Richard Taruskin (1996). Stravinsky and the Russian Traditions: A Biography of the works through Mavra. 1. University of California Press. ISBN 0520070992
- Stephen Walsh (1999). Stravinsky: A Creative Spring: Russia and France 1882-1934. New York: Alfred A. Knopf. ISBN 0679414843
- Eric Walter White (1979) [1966]. Stravinsky: The Composer and his Works (2nd ed.). University of California Press. ISBN 0520039858
- イーゴル・ストラヴィンスキー『ストラヴィンスキー自伝』塚谷晃弘訳、全音楽譜出版社、1981年。NCID BN05266077。
- 1 花火 (ストラヴィンスキー)とは
- 2 花火 (ストラヴィンスキー)の概要
- 花火 (ストラヴィンスキー)のページへのリンク