窒素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/09 06:21 UTC 版)
窒素分子の用途
窒素は工業分野では幅広い用途に使われている。また窒素単体だけでなくその化合物も様々な用途に広く使用される。窒素化合物を生産する工業は「窒素工業」と総称され、化学工業の重要な一分野となっている。
- ハーバー・ボッシュ法によるアンモニア生産の原料[1]。
- 冷却剤(液体窒素) - 液体窒素温度(−195.8 °C)まで冷却でき、安価で比較的安全なため、低温における化学および物理学の実験、オーバークロック競技などでのCPUの冷却、工業用プラント、受精卵の凍結保存、爆発物処理などの冷却に用いられる。
- 食品の酸化防止のための封入ガス。
- テクニカルダイビング用呼吸ガス(ナイトロックスやトライミックスなど混合ガス)。
- 消火器の加圧粉末式・蓄圧粉末式の圧力源。
- 不活性ガスとしての特性を生かし、タイヤやアキュムレータにも使用されている。
- ゴムタイヤへの充填では、空気に比べて乾燥しているため、急激な温度変化にさらされる航空機用では内部の凍結や結露を防ぐことができ、かつ、モータースポーツなどの過酷な条件下でも温度に対する内圧の変化が少ない。一般的な自動車での使用でも(タイヤ内部に酸素遮断膜はあるものの)ゴムを透過しやすい酸素を含まないため抜けにくくなる利点がある。
窒素ガスの2004年度の日本国内生産量は90億5897万8000立方メートル、工業消費量は35億9448万立方メートル、液化窒素の2004年度日本国内生産量は22億2227万立方メートル、工業消費量は3億6105万1000立方メートルである。
注釈
出典
- ^ a b c d 【直談 専門家に聞く】窒素排出、環境汚染の原因に/安く回収・再利用目指す『日経産業新聞』2021年11月8日イノベーション面
- ^ a b c d 桜井弘『元素111の新知識』講談社〈ブルーバックス〉、1998年、57頁。ISBN 4-06-257192-7。
- ^ JIS K 1107(日本産業標準調査会、経済産業省)
- ^ デイヴィッド・ベイカー、トッド・ラトクリフ著 渡部潤一監訳 後藤真理子訳『太陽系探検ガイド エクストリームな50の場所』(朝倉書店 2012年10月10日初版第1刷)p.140
- ^ 『Newton別冊 探査機が明らかにした太陽系のすべて』(ニュートンプレス 2006年11月15日発行)p.98
- ^ 武村政春『人間のための一般生物学』(裳華房 2010年3月10日第3版第1刷)p.71
- ^ “lesson01”. www.daikin.co.jp. 2022年9月19日閲覧。
- ^ POLYNITROGEN『Chemical & Engineering News』August 2, 2004. Volume 82, Number 31 p.10
- ^ Armstrong, R.A.; Shorter, J.A.; Taylor, M.J.; Suszcynsky, D.M.; Lyons, W.A.; Jeong, L.S. (1998-05). “Photometric measurements in the SPRITES ’95 & ’96 campaigns of nitrogen second positive (399.8 nm) and first negative (427.8 nm) emissions”. Journal of Atmospheric and Solar-Terrestrial Physics 60 (7-9): 787–799. doi:10.1016/s1364-6826(98)00026-1. ISSN 1364-6826 .
- ^ a b c d 岐阜県街路樹等整備・管理の手引き 岐阜県建設研究センター、岐阜県造園緑化協会、2022年4月23日閲覧。
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