出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/20 04:45 UTC 版)
従属変数と変数変換
確率変数 X の確率密度関数が fX(x) である時、別変数の確率密度関数 Y = g(X) を計算することができる。(多くの場合は必要ないが。)これは「変数変換」と呼ばれ、実際面では既知の(一様分布等)乱数生成器から任意の形の fg(X) = fY を導き出すことができる。
関数 g が単調写像である時、その結果得られる確率密度関数は
である。ここで g−1 は逆写像である。
このことは微分範囲に含まれる確率が変数変換後も不変であることからも分かる。つまり、
または
である。一方、単調写像でない確率密度関数 y は
(n(y) はg(x) = y を満たす x の解の数、gk−1(y) はその解)である。
これを見ると、期待値 E[g(X)] を求めるためには最初に新たな確率変数 Y = g(X) の確率密度 fg(X) を求める必要があると思いたくなる。しかし、
を計算するよりはむしろ、
を計算する方がよい。
X と g(X) の両方が確率密度関数を持つ時、あらゆる場合に2つの積分値は等しい。g が単射である必要はない。前者より後者の計算が簡単である場合がある。
多変量
上記の式は、1つよりも多くの変数に依存する変数(y と書く)に一般化できる。y が依存する変数の確率密度関数を f(x1, …, xn) とすると、依存関係は y = g(x1, …, xn) で表される。このとき得られる確率密度関数は[要出典]
となる。ただし積分は添え字の方程式の (n − 1) 次元の解全体を渡り、記号 dV は実際の計算にはこの解のパラメータ化に置き換えなければならない。変数 x1, …, xn はもちろんこのパラメータ化の関数である。
これからより直感的な表現が導かれる。x を同時確率密度 f の n 次元確率変数とする。H を全単射で微分可能な関数として y = H(x) であるならば、y は密度 g を持つ:
ここで微分は H の逆関数のヤコビ行列の y における値である。
独立性を仮定してデルタ関数を用いると、以下のように同じ結果が得られる。
独立な確率変数 Xi, i = 1, 2, …n の確率密度関数が fXi(xi) で与えられる時、Y = G(X1, X2, …Xn) の確率密度関数を計算できる。次の式は、Y の確率密度関数 fY(y) と fXi(xi) をデルタ関数で結合するものである。