直通特急 (阪神・山陽) 運行概況

直通特急 (阪神・山陽)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/19 05:13 UTC 版)

運行概況

阪神本線 - 阪神神戸高速線 - 山陽電鉄本線の3路線を直通運転し、この3路線の特急列車と同様、特別急行券なしで利用することが可能である。

運行区間

基本的には大阪梅田駅 - 山陽姫路駅の全区間を運転するが、早朝や深夜には以下の通り一部区間のみを運転する列車も存在する。

2022年12月17日ダイヤ改正以降、現在は以下の区間運転が存在する。

  • 東二見 → 大阪梅田:平日早朝に4本、土休日早朝に2本運転
  • 高速神戸 → 山陽姫路:平日、土休日とも早朝に1本運転
  • 御影 → 山陽姫路:平日、土休日とも早朝に2本運転
  • 西宮 → 山陽姫路:平日、土休日とも早朝に1本運転
  • 山陽姫路 → 御影:平日、土休日とも深夜に1本運転

なお、2016年のダイヤ改正以前では、以下の運用があった。

  • 2009年3月20日以前
    • 尼崎 → 山陽姫路:平日、土休日とも早朝に1本運転
    • 梅田 → 大塩:平日、土休日とも20時台に1本(1998年2月から2001年3月)
    • 山陽姫路 → 東二見間運行の特急のうち、2006年10月28日の改正で阪神車使用の特急は廃止された。
  • 2009年3月20日ダイヤ改正から2016年3月19日ダイヤ改正まで
    • 山陽姫路 → 御影:平日、土休日とも深夜に1本運転(これが現在の「山陽姫路 → 尼崎」)
  • 2012年3月20日改正
    • 山陽姫路 → 東二見間運行の特急のうち上下各1本が阪神車による運行となる(6年ぶりに山陽線内のみを運行する阪神車の運用が復活)

停車駅

2022年12月17日のダイヤ改正以降の停車駅。以下のうち、※・( )・< >の各駅は一部の列車が停車し、《 》の駅は臨時停車の場合あり。

  • 大阪梅田駅 - 尼崎駅 - ※甲子園駅 - 西宮駅 - 芦屋駅 - 魚崎駅 - 御影駅 - 神戸三宮駅 - 元町駅 - (西元町駅) - 高速神戸駅 - 新開地駅 - (大開駅) - 高速長田駅 - (西代駅) - 板宿駅 - 月見山駅 - 山陽須磨駅 -《須磨浦公園駅》- <滝の茶屋駅> - 山陽垂水駅 - 舞子公園駅 - 山陽明石駅 - 東二見駅 - 高砂駅 - <荒井駅> - 大塩駅 - <白浜の宮駅> - 飾磨駅 - 山陽姫路駅
    • ※甲子園駅では、2009年3月20日のダイヤ改正以降、朝ラッシュ時の上り7本を除いて終日停車。
      • 甲子園駅を通過する列車は、全て滝の茶屋停車で、西代・大開・西元町を通過する。白浜の宮・荒井は、早朝の5本が通過、朝ラッシュにさしかかる2本が停車。
    • (西元町駅)、(大開駅)、(西代駅)には、種別表示幕が黄色地の列車(直通特急)が停車。
      • 2009年3月20日のダイヤ改正以前、神戸高速線内では「直通特急」ではなく「特急」として案内されてきた。これは、停車駅に西元町と大開が加わって線内各駅停車となることで、神戸高速線内においては以前から運行されていた阪神特急・山陽特急と停車駅が同一であったためである。2009年3月20日のダイヤ改正以降は、山陽電鉄線内で直通特急と特急の間に停車駅の差異が生じたため、この改正以降、神戸三宮駅 - 山陽須磨駅間の各駅に停車するようになったが、2016年3月19日以降は東須磨・須磨寺は全列車が通過となった。山陽特急は2009年3月20日以降も各駅停車区間が高速長田以東に限定され、大開駅には停車するものの、西代・東須磨・須磨寺の3駅は通過していた。こちらも2016年3月19日以降は西代駅を停車駅に追加する形で統合され、山陽特急の運行自体が東二見駅以西に限定された。
    • 《須磨浦公園駅》には、行楽シーズン(ゴールデンウィークシルバーウィークの連休等)の休日ダイヤ施行時の昼間時間帯、元日の早朝5時 - 6時台に臨時停車あり。
    • <滝の茶屋駅>には、大阪梅田行きは始発から9時30分頃まで、山陽姫路行きは16時20分頃から最終まで停車。
    • <荒井駅>、<白浜の宮駅>には、平日7時頃から9時頃までと17時20分頃から21時頃まで、土休日7時30分頃から9時頃までと17時20分頃から21時頃まで停車。
      • 荒井・白浜の宮に停車する列車は、朝の上りと夕方下りが滝の茶屋停車、朝の下りと夕方上りが滝の茶屋通過となる。
    • 〈白浜の宮駅〉には、毎年10月14日・15日両日に最寄りの松原八幡神社で開催される灘のけんか祭りに伴って終日臨時停車する(灘のけんか祭りが16日に雨天順延された場合、臨時停車も順延される)。
    • 通過する全市のうち、加古川市のみ停車する駅がない。
なお、※、( )、< >の各駅も含む上記全ての駅に停車する列車も僅かだが運転されている。
ダイヤ上では、神戸三宮駅 - 板宿駅間の各駅に停車する列車は「直通B特急」として区別されているほか、山陽6000系のモニタ装置(種別表示の設定)では直通特急が「直特甲」、直通B特急が「直特乙」とされている。
山陽5000系と5030系の運転台には赤直特は赤文字で『直特』、黄色直特は黄色文字で『直B特急』と表示される(運転台の種別表示器は行灯式で『直特』、『直B特急』、『特急』、『その他』の表示があり、該当する種別が点灯する仕組みになっている)。
停車駅のパターンは、全部で10通り有る。甲子園停車のパターンは、「西元町・大開・西代に停車/通過」×「滝の茶屋に停車/通過」×「荒井・白浜の宮に停車/通過」全ての組み合わせ、計8通りが存在する。甲子園通過の列車は、西元町・大開・西代通過、滝の茶屋停車で統一されており、「荒井・白浜の宮に停車/通過」の2通りのみが存在する。

現在の使用車両

全て6両編成。阪神8000系の初期・中期更新車と9300系、山陽5000系と5030系はセミクロスシートで、阪神8000系の後期更新車・9000系・1000系、山陽6000系はオールロングシートである。

  • 阪神電気鉄道
    • 8000系(8523Fに関しては事故・災害等でダイヤが大幅に乱れた時のみ、梅田〜東須磨間で運用に入っていたが2018年4月、2020年1月の試運転を経て、2020年2月より本格的な定期運用に加わり全編成が直特対応車となった。)
    • 9000系
    • 9300系
    • 1000系(6両固定編成のみ。2両固定編成×3編成の6連は充当されない)

なお、阪神所有のすべての車両は急行系車両が東須磨・須磨浦公園まで、普通系車両が新開地・高速神戸まで運行されている。

  • 山陽電気鉄道

なお、ダイヤが乱れた際には、3000系列が山陽線内に限って代走する場合があるが、その際は東二見や東須磨にて車両の交換を行う。6000系は当初普通のみの運用であったが直通特急運用にも対応しているため、2017年6月には阪神乗務員のハンドル訓練を目的として2編成を併結し6両で梅田駅まで初めて乗り入れた[2]。同年9月より、6000系を使用した直通特急の運用が開始された[3]

運行プレートの掲示と種別・行先表記

運行プレートの掲示

直通特急の運行プレート
直通特急の運行プレートタイガースバージョン
阪神車両の直通特急の方向幕。行先は、阪神の他の種別は「梅田」だが、直通特急のみ「阪神梅田」としている。

運行開始当初は、乗務員室の車掌台側窓内に「姫路ライナー」または「大阪ライナー」の運行プレート(現場・部内では「ライナー板」と呼ぶ)を掲示していた。しかし2006年10月28日のダイヤ改正以降、運行プレート(愛称表示)は掲示されなくなっている。

運行プレート(愛称表示)は通常、「姫路ライナー」は赤色地に白鷺(姫路城の別名「白鷺城」にちなむ)、「大阪ライナー」は青地に水流(水都大阪にちなむ)のシルエットをそれぞれあしらったものであった。あるいは、阪神甲子園球場での阪神タイガースの試合開催日(オープン戦を含む阪神タイガース主催試合及びそれに準ずるオールスターゲームクライマックスシリーズ日本シリーズ)及びファン感謝デーには、「姫路ライナー」「大阪ライナー」いずれも黄色地に阪神タイガースのマークをあしらったデザインであった。

例外として2003年9月16日から10月17日まで「姫路ライナー」・「大阪ライナー」のプレートに代えて、阪神タイガース優勝記念プレートが掲出されていたほか、2005年3月23日から同年9月15日まで阪神の車両には「開業100周年」記念プレートが使用されていた。また、同年の阪神タイガースの優勝により、9月30日から10月21日まで優勝記念プレートが阪神の全車両と山陽からは「優勝記念号」として5000系5010F編成に取り付けられていた。

現在は2007年以降の阪神甲子園球場での阪神タイガースの試合開催日は阪神特急・臨時特急・臨時急行と共通のタイガースプレートが、2013年からの全国高等学校野球選手権大会開催期間中は「高校野球」プレートが、2014年からの選抜高等学校野球大会開催期間中は「センバツ」プレートが掲出される。

乗務員

車籍に関係なく、全て高速神戸駅で交代する。高速神戸を境に以西は山陽の乗務員が、以東は阪神の乗務員が、それぞれ担当する。


  1. ^ a b “阪神山陽電鉄 直通特急の運転開始”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1998年2月17日) 
  2. ^ 山陽6000系が6両編成で阪神梅田へ - 鉄道ファン「鉄道ニュース」2017年6月21日、2017年6月21日閲覧
  3. ^ 山陽6000系が直通特急運用に - 鉄道ファン「鉄道ニュース」2017年9月25日、2017年10月3日閲覧
  4. ^ これらはJR神戸線が私鉄各社に先んじて復旧した際、通勤時間帯に臨時増発された列車が後に定期列車とされた目的および通勤特急「らくラクはりま」が設定された目的と同様である。
  5. ^ このうち、山陽5030系は直通特急運行開始に合わせて、前年の1997年に新製。また、山陽5000系はこの当時は6両編成の5012F以降の編成が充当された。
  6. ^ このほか、前年の2000年に山陽5030系 2次車8両が新製され、新たに6両編成化された5004F・5006F・5008F・5010Fの4編成も直通特急運用に投入された。
  7. ^ 直通特急時刻表 (PDF, 山陽電気鉄道ホームページ)





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