環境アセスメント 歴史

環境アセスメント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/18 07:01 UTC 版)

歴史

法制度としての確立は1969年のアメリカの国家環境政策法英語版が最も早い[3][1]。日本では1976年に川崎市が条例化するなど地方自治体の動きが先行し、1997年に環境影響評価法が制定された[1]

日本では、以前から国の事業を中心に閣議決定や行政措置・通達等により、実質的に環境影響評価が行われており、地方自治体(都道府県および政令指定都市)も多くが要綱等を定めて環境影響評価制度を運用していた。1997年平成9年)に環境影響評価法(通称:環境アセスメント法)が制定され、これに前後して地方自治体においても、条例によって、環境影響評価法で対象外の事業を対象としたり、環境要素の拡大、事後調査の義務付けなどを有する独自の環境影響評価制度が定められていった。

日本では2011年平成23年)法改正により、「配慮書手続」として戦略的環境アセスメントが環境影響評価法に導入された[4]東京都埼玉県などでは、その概念を含んだ条例等を国に先行して制定している。

調査、予測、評価の項目(環境要素)は、環境影響評価法施行前は公害大気汚染水質汚濁土壌汚染騒音振動地盤沈下悪臭など)および自然環境の保全(地形地質植物動物景観および野外レクリエーション地など)について網羅的に行われていたが、環境影響評価法施行後は、「環境の自然的構成要素の良好な状態の保持」(従来の公害項目と地形・地質など)、「生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全」(植物、動物および生態系)、「人と自然との豊かな触れ合い」(景観および触れ合い活動の場)、「環境への負荷」(廃棄物等、温室効果ガスなど)の中から対象事業の性質に応じて適切な要素を選ぶ手続き(スコーピング)を踏んで行われるようになった。

2008年生物多様性基本法が成立した。同法は、人類存続の基盤である生物の多様性を将来にわたり確保するため、事業計画の検討段階における環境アセスメント、すなわち戦略的環境アセスメント(SEA)の実施について規定している。


  1. ^ a b c d 松行美帆子「4-5-12 環境アセスメント」、『都市科学事典』収録
  2. ^ 環境用語集:「アワスメント」|EICネット”. www.eic.or.jp. 2022年7月30日閲覧。
  3. ^ https://www.env.go.jp/earth/coop/coop/document/eia_j/09-eiaj-02.pdf
  4. ^ 「戦略的環境アセスメント」Strategic Environment Assessment (2013年度 32巻5号)|国環研ニュース 32巻|国立環境研究所”. 国立環境研究所. 2022年7月30日閲覧。


「環境アセスメント」の続きの解説一覧




環境アセスメントと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「環境アセスメント」の関連用語

環境アセスメントのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



環境アセスメントのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの環境アセスメント (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS