民主党 (日本 1998-2016)
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組織
党員・サポーター
党員・サポーター制度は2000年党大会で導入され、党ではFAQの中で「党員には規約・組織規則・倫理規則に基づく義務が発生するが、サポーターにはそれがない」と両者の違いを説明していた。
党員の資格は「民主党の基本理念と政策に賛同する18歳以上の日本国民」、サポーターの資格は「民主党を支援したい18歳以上の人間」となっている。2012年9月の規約改正以前は日本に帰化していない在日外国人でも党員になることができたが、改正後は日本国民に限定され、既存の外国人党員はサポーターへ切り替えさせられた。党費は年間6,000円で機関紙「プレス民主」が毎号自宅に郵送される。また党代表選挙に投票できた。
サポーターの会費は年間2000円。サポーターも党が主催する講演会・勉強会・イベント・選挙ボランティアなどに参加できた。2002年の代表選挙では1人1,000円を支払えば誰でも登録・投票できたが、2004年からはその年の5月末時点の登録者が9月の代表選挙に郵便で投票できるようになった。また2012年の党規約改正で外国人サポーターは代表選挙に投票できなくなった。
一般党員の入党・サポーター入会は最寄りの総支部で、地方議員の入党は選挙区を管轄する都道府県総支部連合会[130]がそれぞれ受け付ける。なお国会議員の入党は幹事長が受け付け、役員会と常任幹事会の承認を受ける必要があった[131]。総支部は党費・サポーター会費を受け取った後、その中から一定額を「本部登録料」として都道府県総支部連合会経由で本部に送る[132]。
また自民党の党友組織ないしは政治資金団体である自由国民会議や国民政治協会と異なり、サポーターでも党本部が登録を受け付け管理する仕組みで、党の政治資金団体『国民改革協議会』に個人献金をしただけではサポーターとみなされない。ちなみに党所属国会議員にはサポーターを集めるノルマが課せられ、達成できない者は幹事長厳重注意処分が行われる[133]。
党員・サポーターの人数は合わせて、2004年度は約11万人[134]、2005年度は約15万7000人[134]、2006年度は約24万4000人[134]、2007年度は約20万1000人[134]、2008年度は約26万9000人、2009年度は約26万3700人、2010年度は34万2493人[135]、2011年度は30万3219人、2012年度は32万6974人、2013年度は21万8508人、2014年度は23万2757人、2015年度は23万3100人という推移であった。
学生組織
青年局学生部 (CDS) が存在する。
地方組織
衆議院の小選挙区、参議院の選挙区ごとに総支部(そうしぶ)、基礎自治体ごとに行政区支部(ぎょうせいくしぶ)を擁していた[136]。この他、自民党の職域支部に相当する任意の組織を置くことができ、都道府県ごとにこれら支部を束ねる連合会を設置していた。この連合会のことを「民主党○○県総支部連合会」といい、県連(けんれん)と略していた(東京都・大阪府・京都府・北海道はそれぞれ都連(とれん)、府連(ふれん)、道連(どうれん)と略す)。
県連代表は現職国会議員が就くのが基本だったが、県内の衆議院小選挙区に議員がおらず(空白県)、衆議院比例代表にも地元出身者がいない場合は次の国政選挙の公認予定者を就かせることもできた[137]。設立および代表の選任手続きは事前に党本部に通知して幹事長の許可を得た上で、役員会と常任幹事会の承認を得ることが必要となる[138]。
総支部
民主党の総支部は、自民党の選挙区支部に相当し、現職国会議員・次回国政選挙公認予定者の活動を支える組織となっていた。
参議院選挙区選挙の当選者と次回立候補予定者は、都道府県連の下に置かれる「参議院選挙区総支部」の支部長となる。衆議院比例代表単独で立候補し当選した議員、および参議院比例区選出議員、次回立候補予定者は出身都道府県ごとに置かれる衆参両院どちらかの「比例区総支部」に所属しその支部長となる。なお総支部長が国政選挙で落選、もしくは離党、除籍処分により党籍を失った場合は、県連代表または同県出身の他の現職国会議員を暫定総支部長とすることができる[139]。その後、当該選挙区の次回立候補予定者が決まった場合は予定者が総支部長に就任する[140]。
行政区支部
行政区支部は自民党の地域支部に相当し、地元の選挙区選出の都道府県議会議員と、その地域の基礎自治体議会の議員が所属する。原則として1つの基礎自治体につき一つの支部(「地域型行政区支部」)とするが、複数設置することが党勢の拡大に寄与すると判断される場合は、都道府県・政令市議会議員の選挙区を単位とする行政区支部(「地方自治体議員型行政区支部」)を議員1人につき1つ設置することができる[141]。地域型・自治体議員型のどちらの行政区支部も総支部の国会議員や公認予定者と緊密な連携を取る[142]。
県連・総支部傘下の任意組織
自民党の職域支部に相当する組織として、都道府県総支部連合会または総支部の下に任意の組織を作ることができるとされている。
本部
民主党本部は、東京都千代田区永田町にある『三宅坂ビル』の一部を間借していた。2009年の総選挙で政権与党の座に就いたことから来客が多くなり、党本部の手狭さが大きな悩みとなっているが、2012年に政権を手放し、2016年に民進党に改組した後も移転は実現できていない[143]。
内規
勝てる候補者
民主党2005年総選挙での惨敗を受け、衆院小選挙区で「勝てる候補者」を育てることを狙って公認内定基準を定めてきた。全般的に自民党の公認内定基準よりも厳しく設定されているが、党本部による裁量の余地も残っていた。
2009年総選挙以降に初めて立候補する新人は、公認内定時に59歳以下でなければならず、なおかつ小選挙区で2回連続敗北した場合、その2回のうち1回比例復活当選していたとしても、以後民主党の公認を受けることができなくなる。第45回総選挙以前に当選経験のある者が第46回以降の総選挙で比例復活できずに落選して元職となった場合は、内定時に64歳以下であれば次回総選挙での公認を得られ、また小選挙区で3回連続までの敗北が許される。
比例代表選挙の候補者は、比例単独か重複立候補かに関係なく公認内定時に69歳以下とする。
世襲制限
同じく第45回総選挙以降、世襲政治家制限の一環として内規において選挙区の候補について配偶者および三親等内の親族が当該議員と同一選挙区から連続立候補をする場合は新規に国政参入する新人については公認候補としないことを決めた。なお、第45回総選挙で福島1区から当選した石原洋三郎は父が2003年まで福島1区選出の衆議院議員であった石原健太郎であるが、6年間の空白がありこの間に総選挙も1回行われている。この結果、元職者の一親等の親族が元職者と同一の選挙区に立候補するのであれば、最低6年の空白を設けることで認められるという慣習が確立した。
国会議員の公設秘書に配偶者を新規採用することは2004年(平成16年)に法律で禁じられた[144]が、民主党では透明性確保に向けた取り組みをアピールするため、「三親等以内の親族」を公設秘書に採用することを禁止した内規を設けた。ところが第45回総選挙で多くの新人議員が誕生したことで秘書に採用できる人材が不足したため、2009年9月15日の常任幹事会で「一親等以内の親族」に緩和することを決定した。
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