多胡羊太夫 八束小脛について

多胡羊太夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/28 13:56 UTC 版)

八束小脛について

伝承では、羊太夫の従者である八束小脛は神通力を持ち、大いに太夫を助けたとされる。また一部の伝承によっては、山の知識に優れていたとも、馬術にすぐれていたともされる。このことから小脛は、羊太夫に協力した渡来人蝦夷等の人格化ではないかとする説がある。

他にもその正体については、山岳信仰の現れとして山神天狗の類であった説、名前通り土蜘蛛、つまり蝦夷であったという説、役小角に縁のある修験者であったり、鉱山を探す山師であったり、高い呪力を持つシャーマンであったりと諸説あり、伝承によっては、男であったり男装の乙女、物の怪ともされる。

ある時期に、渡来人蝦夷等の協力が得られなくなったことが、羊太夫伝説が指し示す事実であるとする説もある。

里見郷の上里見神山における伝承では、八束小脛は、榛名山女天狗であり、銅鉱山を羊太夫に教えたのも小脛の仕業との話も伝わる。

そのバリエーションには、全てを与える代わりに自分を裏切ったら全てを失うと請願を立てさせた話、銅鉱石から金を作り出した伝説(利根川流域上流(草津、沼田付近)には銅鉱床があるため、洪水で流された黄銅鉱黄鉄鉱がしばしば河原で見つかり、砂金と間違われるという)、羊太夫が討伐された後、彼の財産であった金銀財宝がたちまち錆び腐った等の話もある(おそらく黄鉄鉱などを金や銀と間違えたことをさす話であろう)。

類似するものとして、『日本書紀神功皇后九年(209年)の条に「荷持田村に、羽白熊鷲という者有り。其の為人、強く健し、亦身に翼有して、能く飛びて高く翔る。・・・層増岐野に至りて、即ち兵を挙りて羽白熊鷲を撃ちて滅しつ。」という説話がある。




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