占星術殺人事件 占星術殺人事件の概要

占星術殺人事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/17 23:17 UTC 版)

御手洗潔シリーズ > 占星術殺人事件
占星術殺人事件
著者 島田荘司
発行日 1981年12月14日
発行元 講談社
ジャンル 推理小説
日本
言語 日本語
形態 ソフトカバー
ページ数 277
次作 斜め屋敷の犯罪
コード ISBN 4-06-130820-3
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1980年に第26回江戸川乱歩賞に応募された『占星術のマジック』を改稿・改題した作品である。「読者への挑戦状」が挿入されている。なお、『占星術のマジック』は江戸川乱歩賞の第三次選考(最終候補)にまで残るが落選(受賞作は、井沢元彦の『猿丸幻視行』)。

週刊文春』が推理作家や推理小説の愛好者ら約500名のアンケートにより選出した「東西ミステリーベスト100」の国内編で、本作は1985年版で21位に、2012年版では3位に選出されている[注 1]

2014年1月、イギリスの有力紙『ガーディアン』で本作が「世界の密室ミステリーベスト10」の第2位に選ばれた[1]

あらすじ

40年前の殺人事件
1936年2月26日二・二六事件が発生したその日、猟奇的で難解を極める事件が起きた。画家梅沢平吉が、自宅の密室状態のアトリエで殺された。そして、現場に残された遺書ともとれる手記には怪奇的な内容が記されていた。それは若い6人の処女から、それぞれの星座に合わせて体の一部分を切り取り、それらを合成して完璧な肉体を持つ女性「アゾート」を作成するというものだった。
その後、平吉の6人の若い娘・姪が全員失踪し、それぞれ頭、肩、胸、腰、大腿部、下足部が切り取られた状態で発見された。また、少し年上の、既に家を出ていた長女も殺害された。はたしてアゾートは作成されたのか? されたとすれば、アゾートはどこにあるのか? そして犯人は誰なのか? 幾多の謎は解かれることなく、占星術殺人と名づけられたこの事件は、やがて迷宮入りとなった。
御手洗による調査開始
それから約40年後の1979年、飯田美沙子という女性が御手洗潔の占星学教室にやってくる。亡くなった元警察官の父親・竹越文次郎の遺品を整理していたところ、「自分こそが占星術殺人で切り取られた体を、各地に運んだ人間なのだ」ということを告白した手記を見つけたが、警察に持ち込むのはさすがにためらわれたため、探偵のような才能もあると評判の御手洗の元に持ってきたのだという。
それまで、ほとんど占星術殺人のことを知らなかった御手洗だったが、これをきっかけに石岡和己からこの事件のあらましを改めて聞き、珍しく興味を示す。

登場人物

御手洗潔
占星術師。かなりの変わり者。
石岡和己
御手洗の親友。御手洗に占星術殺人のことを教える。

注釈

  1. ^ 1985年版では、他の島田作品は『斜め屋敷の犯罪』が42位、『北の夕鶴2/3の殺人』が98位に、2012年版では、『斜め屋敷の犯罪』が21位、『奇想、天を動かす』が51位、『異邦の騎士』が56位に選出されている。
  2. ^ 斎藤栄の『平成元年の殺人』(トクマ・ノベルズ)でも、島田の『夜は千の鈴を鳴らす』(光文社)のトリックは高木彬光の『人形はなぜ殺される』のトリックと同一のものだと言及されている(集英社文庫での二次文庫化の際にはトリックの詳細は描かれているものの、両作品ともに作品名は伏せられている)。

出典

  1. ^ 玉木宏:島田荘司の御手洗シリーズが初の映画化 天才探偵役で主演”. MANTANWEB. 株式会社MANTAN (2015年5月2日). 2015年5月30日閲覧。
  2. ^ 週刊文春』1997年8月7日第30号.文藝春秋


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