マーク・ウォールバーグ
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生い立ち
マサチューセッツ州ボストンの貧しい家庭で、9人兄弟の末っ子として生まれる[1]。スウェーデン、アイルランド、イングランド、フランス系カナダ人の血を引く。
高校中退後、様々な職につくが身に付かず、ドラッグや暴力沙汰に明け暮れた。15歳の頃には、遠足中の黒人児童たちに投石して負傷させ、人種差別的な言葉を叫んだことがある[2]。16歳の時には、コカインとアルコールで酩酊した状態でベトナム人男性を襲撃し、人種差別的な言葉で罵りながら木の棒で殴りつけた[3][4]。このためウォールバーグは殺人未遂の容疑で起訴され、暴行の罪を認めてボストンの感化院に収容されたが、わずか45日後に出所している[3][5]。このほか、21歳の時には近所の住人に言いがかりをつけて暴力を振るい、顎の骨を砕く重傷を負わせたこともある[6]。当時、ボストン警察には25回も世話になったという[7]。やがて反省し、自身の行いを改める決心をした。2014年、犯罪歴の抹消をマサチューセッツ州に申請したが、2016年却下された[8]。
キャリア
兄であるドニー・ウォールバーグが在籍していた「ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック」の前身「ナヌーク」時代に参加していたが、「ニューキッズ~」のデビュー前に脱退。その後、ラップバンド「マーキー・マーク&ザ・ファンキー・バンチ」を結成。兄ドニーのプロデュースもあり2枚のアルバムをヒットさせた。なかでも『グッド・ヴァイブレーションズ』は大ヒットし、1991年10月5日付けのビルボードのシングル・チャート Billboard Hot 100 で1位を獲得した。また、カルバン・クラインの下着モデルに起用されて話題にもなった[9]。
1994年に映画デビューして以来、俳優業にシフトチェンジし、1997年にはポール・トーマス・アンダーソン監督の『ブギーナイツ』で初主演を飾り、高い評価を獲得する。2006年に出演した『ディパーテッド』の演技も高く評価され、第79回アカデミー賞助演男優賞や、第64回ゴールデングローブ賞助演男優賞にノミネートされた。 2010年には自身が主演・製作も手掛けた『ザ・ファイター』がアカデミー作品賞にノミネートされるなど高い評価を得た。テレビシリーズのプロデュースも多く手掛けている。
2010年、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームの星を贈られ、殿堂入りを果たした[10]。
2017年、「最も稼いだ俳優」一位に選ばれ、1年で6800万ドル(約75億円)を稼いだ[11]。
2018年、『ゲティ家の身代金』にキャスティングされていたケヴィン・スペイシーが、自身が起こしたセクハラ問題で急遽降板になってしまったため(映画のほとんどを取り終え、最終編集の段階だった)、代役にクリストファー・プラマーを立てて再撮影を行った。その再撮影の際、共演者であるミシェル・ウィリアムズのギャラが1000ドル(約11万)だったのに対し、マークのギャラは150万ドル(約1億6500万円)であった事が明らかになった。これに対しミシェルは男女間での報酬差を指摘し、話題を呼んだ。その後、約1週間程の沈黙の後、マークは受け取った150万ドルをTime's Up(セクハラ撲滅運動基金)にミシェルの名前で全額寄付した事を公表し、「僕は正当な報酬支払のための戦いを100%支持するし、僕はこのギャラを彼女の名前でTime's Upに全額寄付する。」とSNSで表明した。そして彼が所属するエージェント「ウィリアム・モリス・エンデヴァー・エンターテイメント(WME)」も追加で50万ドル(5,500万円)寄付した事を明かした。これに対しミシェルは「マークとWMEに感謝し、アンソニー・ラップ(スペイシーから少年時代セクハラ被害を受けた事を告白した)、私たちはあなたの味方である。」とコメントをした[12]。
肉体改造
元々筋骨隆々でマッシブな肉体であったが、役作りのための肉体改造も精力的に行っており、短期間でその役柄にあわせて体型を変えてしまう。
例えば2013年公開の『ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金』では実在したボディビルダーの役であったため、7週間で75kgから95kgへ高強度なウェイトトレーニングと1日10~12食にして大量のカロリーを摂取し、約20kgの増量に成功した。この時体脂肪率は13%程だった[13]。
その後、『ローン・サバイバー』の撮影ため6kg程減量し、そのままトランスフォーマー/ロストエイジも撮影。ザ・ギャンブラーの撮影のため、6週間で89kgから62kgまで落とす過酷な減量を敢行。ギャンブル依存症により精神的・肉体的にもやせこけた主人公を演じた。この時の減量方法は1日3食をココナッツミルクに置き換え、有酸素運動で体重を落としたとのこと。「家族や仲間とご飯に行く時も自分は彼らが食べるのを見ているだけ、とても哀れに感じた。」と発言し、減量目標体重である62kgを選んだ理由を尋ねられると「ブギーナイツに出演した時、25歳で63kgだったんだ。今43歳で当時の自分の体重を下回れるか挑戦する意味でこの目標にした。」と言った。妻からは(医師による指導の下とはいえ)日に日に痩せていき、唇も青く変色した姿をみて、「今のあなたは自分を痛めつけているだけ。役作りのためとは言えキャリア変更を検討した方がいいじゃないのか?」と本気で心配される程過酷な減量だった。[14]
撮影終了後、『テッド2』や『トランスフォーマー/最後の騎士王』のように次に控えている映画のために、痩せた状態から以前のような筋骨隆々な肉体へと戻した。現在も次回作『マイル22』のために肉体改造をしていて、体脂肪率が6%以下を目標にワークアウトをしている[15]。
自身のブランドであるPerformance Inspired Nutritionの製品を使い、日々のトレーニング動画をインスタグラム等に投稿している。
このような肉体改造についてマークは「目指している身体に仕上げてしまえば、後はそれを保つだけだから楽になる。」と自身のトレーニング動画で発言している。
- ^ “Mark Wahlberg Biography”. Biography.com. 2010年8月14日閲覧。
- ^ “Commonwealth of Massachusetts v. Michael Guilfoyle, Derek Furkart, and Mark Wahlberg”. 2007年9月29日閲覧。
- ^ a b “Criminal Complaint In the Suffolk County Superior Court, Commonwealth of Massachusetts 1988”. 2007年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年9月29日閲覧。
- ^ “Commonwealth v. Mark R. Wahlberg”. 2007年9月29日閲覧。
- ^ “A Candid Chat With Mark Wahlberg – ABC News”. ABC News (2006年9月29日). 2010年8月14日閲覧。
- ^ “Crehan vs. Mark Wahlberg and Derek McCall”. 2007年9月29日閲覧。
- ^ https://web.archive.org/web/20070208081616/http://news.yahoo.com/s/nm/20070206/film_nm/oscars_luncheon_dc_1
- ^ https://www.cinematoday.jp/news/N0086155
- ^ Wilson, Eric (2010年5月12日). “Stretching a Six-Pack”. The New York Times 2011年7月28日閲覧。
- ^ “マーク・ウォールバーグ、ハリウッドの殿堂入り!・ウォーク・オブ・フェイムの星を獲得”. シネマトゥデイ. (2010年8月5日) 2012年11月26日閲覧。
- ^ https://eiga.com/news/20170828/12/
- ^ http://www.nme.com/news/film/michelle-williams-statement-mark-wahlberg-2219317
- ^ https://www.menshealth.com/mark-wahlberg-i-ate-12-meals-a-day-while-training-for-pain-gain
- ^ http://www.eonline.com/news/597043/mark-wahlberg-reveals-how-he-dropped-60-pounds-for-his-role-in-the-gambler
- ^ https://www.menshealth.com/guy-wisdom/mark-wahlberg-interview-all-the-money-in-the-world
- ^ “マーク・ウォールバーグ、ビバリーヒルズで挙式”. シネマトゥデイ. (2009年8月3日) 2012年11月26日閲覧。
- ^ “マーク・ウォールバーグ、立ち会い出産で4人目の子どもが誕生!”. シネマトゥデイ. (2010年1月13日) 2012年11月26日閲覧。
- ^ “41歳マーク・ウォールバーグ、高校へ進学”. シネマトゥデイ. (2012年6月13日) 2012年11月26日閲覧。
- ^ https://news.livedoor.com/article/detail/6212324/
- ^ http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-2128718/Mark-Wahlberg-shows-results-Bob-Marley-tattoo-removed--deter-children-inking-up.html
- ^ http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-5090369/Mel-Gibson-attends-Daddy-s-Home-2-premiere-London.html
- ^ http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-3804834/I-don-t-correct-people-Mark-Wahlberg-repeatedly-mistaken-Matt-Damon.html
- ^ https://www.indiewire.com/2017/10/mark-wahlberg-god-forgive-him-boogie-nights-1201890465/
- ^ Royals Revamp: Key Changes Shape the Squad’s Future BNN Network 2023年10月14日閲覧。
- ^ Hollywood glamour comes to Limacol CPL, Mark Wahlberg on board with Barbados Guyana Times 2023年10月14日閲覧。
- ^ https://www.prnewswire.com/news-releases/wahlburgers-announces-major-expansion-to-asia-300391543.html
- ^ “https://www.bizjournals.com/columbus/news/2018/07/19/mark-wahlberg-yes-that-mark-wahlberg-is-buying.html”. www.bizjournals.com. 2018年10月28日閲覧。
- ^ “ビッグ・ヒット”. ソニー・ピクチャーズ公式. 2021年4月3日閲覧。
- ^ “ロック・スター”. ワーナー公式. 2021年4月3日閲覧。
- ^ “ディパーテッド”. ワーナー公式. 2021年4月3日閲覧。
- ^ “テッド”. ふきカエル大作戦!!. 2021年4月3日閲覧。
- ^ “2ガンズ”. ソニー・ピクチャーズ公式. 2021年4月3日閲覧。
- ^ “トランスフォーマー/ロストエイジ”. ふきカエル大作戦!! (2014年8月8日). 2021年4月3日閲覧。
- ^ “テッド2”. ふきカエル大作戦!! (2015年8月22日). 2021年4月3日閲覧。
- ^ “パトリオット・デイ”. ソニー・ピクチャーズ公式. 2021年4月3日閲覧。
- ^ “トランスフォーマー/最後の騎士王”. ふきカエル大作戦!! (2017年8月4日). 2021年4月3日閲覧。
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