ボラティリティ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/12 01:39 UTC 版)
ボラティリティ(英: volatility)とは、金融工学における金融商品の価格についての幾何ブラウン運動モデル[注 1]
におけるのこと。リスクとも呼ばれる。(は、時間の函数としての金融商品の価格や運用資産の額)
このモデルにおいて、が株価を表す場合、時間の単位を1年単位にすると、ボラティリティは 通常 の範囲にあることが経験的に知られている[要出典]。
ボラティリティの略称は「ボラ」である。
広義には資産価格の変動の激しさを表すパラメータ。広義については、テクニカル指標一覧#広義ボラティリティを参照。
ヒストリカル・ボラティリティとインプライド・ボラティリティ
幾何ブラウン運動モデル(ブラック-ショールズ方程式)で現実の市場を説明しようとする際、インプットとして使うデータの種類によっての値が異なる。
ヒストリカル・ボラティリティ
株価の値動きがモデル (1) に従うと仮定し、過去の株価のデータから推定したの値。価格の対数差分の標準偏差。 過去日にわたって株価を観測したとし、を第日の(例えば)終値とする。
の平均
と置くと
が推定値となる。このような手続きによって推定された値をヒストリカル・ボラティリティという。
インプライド・ボラティリティ
これに対して、現実のオプション市場でついたオプション価格から逆算されたボラティリティをインプライド・ボラティリティという。 以下これについて説明する。
ブラック-ショールズモデル (1) (金利は一定)を使えば、満期、権利行使価格のヨーロピアン・コールオプションの価格は
は現在の株価、は標準正規分布の分布関数
によって表される。しかしこの式のをヒストリカル・ボラティリティにすると多くの場合、計算されるは現実のオプションの市場価格とは一致しない。そこで逆に、に関する方程式(はの関数であることに注意)
市場価格
を解いて得られるをインプライド・ボラティリティという。
なお、この値は当然やによって異なる。を固定して、横軸に、縦軸にインプライド・ボラティリティをプロットしたグラフをボラティリティ・スマイル、を固定して、横軸に、縦軸にインプライド・ボラティリティをプロットしたものをボラティリティ期間構造と呼ぶ。
脚注
注釈
関連項目
参考文献
- John Hull, "Options, Futures, and other derivatives", Prentice Hall
「ボラティリティ」に関係したコラム
-
株式分析のヒストリカル・ボラティリティ(Historical Volatility)とは、過去の株価のデータから、将来の株価の変動率を求めるテクニカル指標のことです。ヒストリカル・ボラティリティは、H...
-
FX(外国為替証拠金取引)のボラティリティ(volatility)とは、為替レートの過熱度を調べるために用いられるテクニカル指標の1つです。ボラティリティでは、高値圏や安値圏、売りポイントや買いポイン...
-
FXやCFDで相場のトレンドが継続するかどうかを調べるにはいくつかの方法があります。ここでは、テクニカル指標のボリンジャーバンドとボラティリティを使って相場のトレンドが継続するかどうかを調べてみます。
-
FX(外国為替証拠金取引)のチャート分析ソフトMT4(Meta Trader 4)のRVIの見方について解説します。RVIは、MT4のナビゲーター画面の「罫線分析ツール」に登録されています。チャート画...
-
株365で取引される銘柄は、日経225証拠金取引、DAX証拠金取引、FTSE100証拠金取引、FTSE中国25証拠金取引の4銘柄です。この4銘柄について、取引開始(2010年11月、FTSE中国25証...
-
FXやCFDのマスインデックスとは、高値と安値から値動きの幅を調べてトレンドの転換点を見つけるためのテクニカル指標のことです。マスインデックスは、ボラティリティの上昇とともに値が上昇し、ボラティリティ...
- ボラティリティのページへのリンク