ベックム ベックムの概要

ベックム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/08 06:07 UTC 版)

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紋章 地図(郡の位置)
基本情報
連邦州: ノルトライン=ヴェストファーレン州
行政管区: ミュンスター行政管区
郡: ヴァーレンドルフ郡
緯度経度: 北緯51度45分
東経08度02分
標高: 海抜 100 m
面積: 111.46 km2[1]
人口:
人口密度: 329 人/km2
郵便番号: 59269
市外局番: 02521, 02525
ナンバープレート: WAF, BE
自治体コード: 05 5 70 008
行政庁舎の住所: Weststraße 46
59269 Beckum
ウェブサイト: www.beckum.de
首長: カール=ウーヴェ・シュトロートマン (Karl-Uwe Strothmann)
郡内の位置
地図

ベックム (ドイツ語: Beckum [ˈbɛkʊm][3], 低地ドイツ語: Biäkem) は、ドイツ連邦共和国ノルトライン=ヴェストファーレン州ミュンスター行政管区ヴァーレンドルフ郡に属す人口約37,000人の中規模都市である。

ベックムは、ミュンスターラントドイツ語版英語版の小連山ベックマー・ベルゲ(ベックム山)の名前の由来となった。

地理

市域の広がり

ベックム市の南北幅は 12.8 km、東西幅は 12.3 km である。高度は海抜 84.5 m から 164 m に分布する。

隣接する市町村

ベックム市は、北から時計回りに以下の市町村と境を接する: エニガーローエルデヴァーデルスローリッペタールアーレン。南の市境は同時にゾースト郡との郡境およびアルンスベルク行政管区との管区境でもある。

市の構成

ベックムは、以下の4市区で構成されている(人口は2010年現在)[4]

  • ベックム(24,069人)
  • ノイベックム(10,404人)
  • フェレルン(1,151人)
  • ローラント(1,140人)

ヴェストファーレンの中心点

計算方法にもよるのだが、ベックム市南部、リップボルクとリッペタールとの境界に面したウンターベルク地区(あるいはリップボルク内)付近にヴェストファーレンの中心点がある[5]

歴史

ベックムは、1134年に初めて文献に記録されており (parrochia Bikeheim)[6]1224年に「都市」として記述されている[7]。地名は Beckem(Bachheim あるいは Heim an Bächen、すなわち「小川沿いの家」)に由来する。これは市内で3つの小川が合流することにちなんでいる。3つの小川、コレンバッハ川、ジーヒェンバッハ川、リップバッハ川は市の紋章にも描かれている。これらの小川は川辺の草地を造りだし、ベックムの礎となった。中世には、敵対する軍隊や他の街からの奇襲を防ぐため、壁で街が取り囲まれた。市周辺の農業に利用されていた耕作地も2重、3重の壁の内側に取り込まれた。防衛施設には、4つの市門、22の監視塔があり、この市壁の防衛塔のうちの1つと、いわゆるゾースト監視所が現存している。後者は現在、展望塔として使われている。ヘクスベルク山上に位置することから周辺の広い展望が得られる。市内にはいくつかの地下壕があり、見学用に時々公開されている。

ベックム地域の最も古いヒトの定住は新石器時代からなされている。市の南部ダルマー地区に残るガレリー墓(巨石墓、地元では「ヒューネン墓」=「巨人の墓」と呼ばれる)はその頃のものである。中世初期には、ベックム周辺にゲルマン人部族が住んでいた。600年から800年頃の数多くの副葬品やベックムの南にある土塁跡がこれを証明している。1959年の建設工事の際に、ザクセン人貴族の墓が発見された。ここには、馬の骨や贅沢な武具などの豊かな副葬品が見つかった。中世後期には、ベックムはハンザ同盟に加盟した。この貿易関係についての最初の記録は1433年のものである。

言い伝えによれば、シルトビュルガードイツ語版英語版の郷里であるシルダ市はベックム市と同一であるとされている。

1647年に出版されたマテウス・メーリアンの銅版画に描かれたベックム

2つの交易路が交差する戦略的に有利な場所に位置することから、ベックムは中世にはすでに裕福な都市となっていた。多くの商人や職人が市壁の中に定住した。17世紀から1942年までベックムに永続的なユダヤ人社会があったことが証明されている。

その後この街は戦争、疫病、大火災(1655年1657年1734年)によって大部分が損傷し、衰退していった。19世紀末になって、やっと、経済が次第に上向いた。1872年にベックムで最初のセメント工場が建設され、数多くの会社がこれに続いた。良質な原料(泥灰岩)が産出すること、ルール地方に近いこと、1847年にケルン=ミンデン鉄道会社の新たな幹線によって結ばれたことにより、ベックムは世界的に最も重要なセメント供給者の1つに数えられるようになった。現在もベックには2つの大きなセメント工場がある(セメックスヴェストセメント GmbH とフェニックス・セメント工場クロークボイムカー GmbH & Co. KG)。

19世紀末からはこのほかに、ストロンチウム鉱石の採掘が経済分野に加わった。当時ミュンスターラントは世界唯一のストロンチウム鉱産出地と見なされていた。この鉱物は、製糖業者にとって糖蜜を精糖するための触媒として不可欠なものであった。しかし、ストロンチウム鉱の需要は数年しか続かなかった。安価な天青石がその代わりに用いられるようになり多くの小さな坑は操業を停止した。

ベックム市は第二次世界大戦中、爆撃による大規模な破壊を免れた。1945年4月1日、侵攻してきたアメリカ軍に対し、本市の司令官ルドルフ・ドゥンカーは戦うことなく降伏した。

1816年から1974年までの間、ベックムは郡庁所在地(ベックム郡)であった。しかしヴァーレンドルフ新設に伴いその地位を失った。

市町村合併

1969年7月1日に、キルヒシュピール・ベックムとフェレルンが合併した[8]。1975年1月1日にノイベックムがこれに加わった[9]

人口推移

1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2008年1 2009年1 2010年1 2011年 2012年2
39,027 37,903 36,725 36,772 38,166 37,916 37,472 36,965 36,764 36,736 36,631 36,062
  1. 出典: Regionaldatenbank Deutschland
  2. 出典: IT.NRW

人口予測

人口減少は主に出生数の減少と、移住による流出が原因である。2025年までに平均年齢は 46.6 歳にまで上昇すると推定される。これは 35 % 以上の住民が 60 歳以上であることを意味している。

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年 2030年
36,340 36,220 36,070 35,830 35,600 35,410 35,290 35,030 34,920 34,710 34,580 34,400 34,140 33,190



  1. ^ ドイツ北部で見られる家屋の建築様式で、大きな入り口扉を備えた広い土間を持つ建物。Diele = 玄関フロアで、北部では特に土間を意味する。
  2. ^ ドイツの土地税および営業税の税率は全国共通の基本税率に賦課率を掛けた値となる。
  1. ^ ノルトライン=ヴェストファーレン州情報・技術局: Kommunalprofil Beckum, Stadt(2017年1月21日 閲覧)
  2. ^ Amtliche Bevölkerungszahlen auf Basis des Zensus vom 9. Mai 2011
  3. ^ Duden Aussprachewörterbuch (Duden Band 6), Auflage 6, ISBN 978-3-411-04066-7
  4. ^ a b Stadtentwicklungskonzept Beckum 2025(2017年1月28日 閲覧)
  5. ^ Rudolf Grothues: Zum Mittelpunkt Westfalens
  6. ^ Osnabrücker Urkundenbuch. Band 1: Die Urkunden der Jahre 772-1200.
  7. ^ Westfälisches Urkundenbuch. Band 3: Die Urkunden des Bisthums Münster 1201 – 1300.
  8. ^ Martin Bünermann: Die Gemeinden des ersten Neugliederungsprogramms in Nordrhein-Westfalen. Deutscher Gemeindeverlag, Köln 1970, S. 94.
  9. ^ Statistisches Bundesamt (Hrsg.): Historisches Gemeindeverzeichnis für die Bundesrepublik Deutschland. Namens-, Grenz- u. Schlüsselnummernänderungen bei Gemeinden, Kreisen u. Reg.-Bez. vom 27.5.1970 bis 31.12.1982. Kohlhammer, Stuttgart/Mainz 1983, ISBN 3-17-003263-1, S. 312.
  10. ^ 2014年5月25日のベックム市議会選挙結果(2017年1月28日 閲覧)
  11. ^ Heraldry of the world(2017年1月28日 閲覧)
  12. ^ Städtebund Die Hanse(2017年1月28日 閲覧)
  13. ^ Westfälischer Hansebund(2017年1月28日 閲覧)
  14. ^ Masterplan-Kommunen 100 Prozent Klimaschutz: Mit einem Masterplan mehr erreichen(2017年1月29日 閲覧)
  15. ^ Der Beckumer Prudentiaschrein(2017年1月29日 閲覧)
  16. ^ Structurae - Brücke Hesseler Weg(2017年1月28日 閲覧)
  17. ^ WERSE RAD WEG(2017年1月29日 閲覧)
  18. ^ 100 Schlösser Route(2017年1月29日 閲覧)
  19. ^ Die Römer-Lippe-Route: Mehr als 400 Routenkilometer zwischen Detmold und Xanten(2017年1月29日 閲覧)
  20. ^ Die Münsterland - Reitroute(2017年1月29日 閲覧)
  21. ^ Beckum - Aktivpark Phoenix(2017年1月29日 閲覧)
  22. ^ Freizeitsee Tuttenbrock(2017年1月29日 閲覧)
  23. ^ TwinCable Beckum(2017年1月29日 閲覧)
  24. ^ Stadtmuseum Beckum(2017年1月29日 閲覧)
  25. ^ Kulturinitiative Filou e.V.(2017年1月29日 閲覧)
  26. ^ Schmiede Galen(2017年1月29日 閲覧)
  27. ^ Zement-Museum(2017年1月29日 閲覧)
  28. ^ Musik im Alten Pfarrhaus(2017年1月29日 閲覧)
  29. ^ Rumskedi-Helau - Tradition seit fast 550 Jahren(2017年1月29日 閲覧)
  30. ^ 20000 sehen Jubiläums-Umzug, Die Glocke 2012年2月20日付け(2017年1月29日 閲覧)
  31. ^ JETRO - ドイツ - 税制(2017年1月29日 閲覧)
  32. ^ Naturschutzgebiet "Brunsberg"(2017年1月29日 閲覧)
  33. ^ Beckum(2017年1月29日 閲覧)
  34. ^ Amtgericht Beckum(2017年1月29日 閲覧)
  35. ^ Finanzamt Beckum(2017年1月29日 閲覧)
  36. ^ Technisches Hilfswerk Ostverband Beckum(2017年1月29日 閲覧)


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