ヘブライ文字 非ヘブライ語系言語へのヘブライ文字の適用

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ヘブライ文字

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/08 10:09 UTC 版)

非ヘブライ語系言語へのヘブライ文字の適用

ニューヨーク州カーヤス・ジョエルの看板。英語とイディッシュ語。ニクードは使用せず

離散ユダヤ人はヘブライ語とアラム語だけでなく、各地でさまざまな言語を使用したが、とくに重要なものにイディッシュ語ラディーノ語ユダヤ・アラビア語群があり、いずれもヘブライ文字による表記が行われた[7]。それぞれの言語を表記するために文字体系が拡張されている。

イディッシュ語は12世紀以来ヘブライ文字で書かれたが、正書法が統一されることはなく、さまざまな異なる綴り方が存在する。ヘブライ語・アラム語に由来する語は伝統的なつづり字を採用し、ドイツ語系の単語はドイツ語正書法に1対1で対応するように綴る「語源的」な綴り方と、実際のイディッシュ語の発音を反映した「形態音韻論的」な綴り方の対立がある[8]。1936年に制定されて翌年出版されたYIVO(イディッシュ科学院)方式がおそらく最もよく使われている[9]。YIVO方式は破裂音を表すダゲシュ、摩擦音を表すラフェ、スィンの点、および母音の読みを一意に区別するための記号を使用している[10]

イディッシュ語にあってヘブライ語にない子音は、摩擦音を表すラフェ記号を使ったり、二重音字によって表した。

子音 ʒ f v
表記 טש זש פֿ וו‎, בֿ

YIVO方式では準母音とニクードを組み合わせ、母音を完全に表記する[11]

母音 a o i u e ey ay oy
語中 אַ אָ י ו ע יי ײַ וי
語頭 אַ אָ אי או ע איי אײַ אוי

あいまいさを生じる可能性のある場合は点で区別される。例:וווּ vu, ייִ yi, ויִ ui など[10]


  1. ^ Hackett (2004) p.367
  2. ^ Naveh (1987) p.53
  3. ^ a b Goerwitz (1996) p.487
  4. ^ a b Daniels (1997) p.20
  5. ^ Goerwitz (1996) p.489
  6. ^ Naveh (1987) p.173
  7. ^ Hary (1996) p.728
  8. ^ Aronson (1996) p.735,737
  9. ^ Aronson (1996) pp.735-737
  10. ^ a b Aronson (1996) p.739
  11. ^ Aronson (1996) p.738
  12. ^ Goerwitz (1996) p.487
  13. ^ Steiner (1997) p.148
  14. ^ Ora (Rodrigue) Schwarzwald (1998). “Word Foreigness in Modern Hebrew”. Hebrew Studies 39: 115-142. JSTOR 27909619. (pp.119-120)
  15. ^ 文字名称のローマ字、ティベリア式発音、現代標準発音は Goerwitz (1996) p.490 による
  16. ^ a b c d e f g キリスト聖書塾『ヘブライ語入門』(第2版第4刷)キリスト聖書塾、1991年(原著1985年)、4頁。ISBN 4896061055 
  17. ^ a b c d e f g h i j k l m アレフベートは22文字だけ ミルトス
  18. ^ a b c d e f g h i j k 青木偉作『はじめての聖書ヘブライ語』国際語学社、2010年、13頁。
  19. ^ a b Daniels (1997) p.32
  20. ^ Can Abecedaries Be Used to Date the Book of Psalms?, Bible History Daily, (2018-01-13), https://www.biblicalarchaeology.org/daily/biblical-artifacts/inscriptions/can-abecedaries-be-used-to-date-the-book-of-psalms/ 
  21. ^ Gesenius' Hebrew Grammar, translated by A. E. Cowley (1910) p.29注2
  22. ^ Steiner (1997) p.147
  23. ^ Gesenius' Hebrew Grammar, translated by A. E. Cowley (1910) p.57
  24. ^ Aronson (1996) p.739
  25. ^ Goerwitz (1996) p.491
  26. ^ Hebrew, compiled by UNGEGN Working Group on Romanization Systems, (2013), https://www.eki.ee/wgrs/rom1_he.pdf 
  27. ^ “Changes in the Official Romanization System for Hebrew”, Ninth United Nations Conference on the Standardization of Geographical Names, (2007-06-15), https://unstats.un.org/unsd/geoinfo/ungegn/docs/9th-uncsgn-docs/econf/9th_UNCSGN_e-conf-98-4-add1.pdf 
  28. ^ כיצד לנקד בחלונות 10, השפה העברית, https://www.safa-ivrit.org/alphabet/howto_win.php  (ヘブライ語)


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