ピラフ一味 ピラフ一味の概要

ピラフ一味

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/07 05:39 UTC 版)

原作での初登場は其之十八「D.B.(ドラゴンボール)奪われる!!」。アニメでは『ドラゴンボール』第1話「ブルマと孫悟空」から登場している。

概要

ピラフを中心とし、ドラゴンボールを集めて世界征服を企む3人組。様々な悪事を企てるが、最後は3人そろって爆発で黒こげになったり、高所からから落下したりといったオチで締められるコメディリリーフ的なキャラクター。作品最初期から登場しており、初期の雰囲気を強く反映している[注 1]

メンバー同士は仲睦まじく、夜は3人でトランプに興じた後、ベッドを並べて寝ている[1]。全員ウブな性格で、「投げキッス」をいやらしいことだと思い、口に出すこともためらう。人質に取ったブルマが、「てっきり裸にされて『へろへろ』とか『きょいきょい』とか『ぱふぱふ』とか『いんぐりもんぐり』とかされるかと思った」と発言した際には、慌てふためきブルマを変態呼ばわりしていた[2]

名前の由来に関して鳥山は、ピラフは「食べ物で統一したかったようですね[3]」、シュウとマイは合わせて「シュウマイ[3]」と述べている。

ストーリーへの絡み

  • エイジ749 - 世界征服のためにドラゴンボールを集める。ドラゴンボールを持っていた悟空たちを二度も出し抜いて、奪うことに成功し[4][5]、神龍を呼ぶものの、ウーロンがとっさに言ったスケベな願いで妨害される。その仕返しに悟空たちを強化ガラス張りの監禁室に閉じ込め、干乾びさせようとする。だが満月を見て大猿に変身した悟空に城を全壊され、慌ててプロペラ機で逃亡を図るが瓦礫を投げ付けられて墜落。散々な目に遭う。
  • エイジ750 - 占いババの課した試合に勝ち特殊ケースに隠した一星球の在処を知ってやって来た悟空と、ドラゴンボールを賭けピラフマシンで戦う。事前に人工衛星を使って監視しており、悟空は尻尾を握られると力が抜けるという弱点を知り、利用して勝つ作戦だったが、悟空の尻尾が無くなっていたために握ることができず、あっさり敗れる。
  • エイジ753 - 電子ジャーに封じられていたピッコロ大魔王を探し出し復活させる。ドラゴンボールや天下一武道会のことを教え、ピッコロ大魔王が世界征服を果たした際に世界の一部を分けてもらおうと画策していたが、結局散々利用された挙句飛行船から落とされた。なお、原作漫画ではこれ以降は登場しない。
  • エイジ778 - ドラゴンボールを狙うものの、船が壊れて難破しているところをトランクス孫悟天に救助される。ブルマの誕生日パーティー中であり、屋台の食事を提供される。それ以前にドラゴンボールをようやく集めたが、世界を征服しても「ジジイになったのでは意味がない」と、神龍に若返りを願うが若返りすぎたことにより、3人とも子供の姿になっている。食べ物に困窮した時には3人でトランクスの家に頼るが、放浪癖があり食客とは言い難い立場ではある。トランクスと一緒に家庭教師の授業を共に受けたり、食事の返礼にブルマやブリーフ博士の助手として発明を手伝ったりもしている(『神と神』『復活の「F」』『ドラゴンボール超』)。

鳥山明によると、原作漫画ではピッコロ大魔王編以降登場しないが、その後もずっと世界征服を狙って密かに活動していて、セルが登場したことでもう少し様子を見ようと計画を延期し、やっと活動を再開しようと思ったら今度は魔人ブウが出てきてまた延期したという[6]

※ アニメでは、上記の時期以外にも登場している(詳しくは後述)。なお、『ドラゴンボールZ』および『ドラゴンボール改』には登場しない。

ピラフ

- 千葉繁

エイジ715生まれ、身長不明、体重32Kg[7]。趣味は世界征服、嫌いなものは計画をジャマするヤツ、得意技は天才的頭脳[8]

世界征服を企む大王。水色の肌をしており、身長が低い。ピッコロ大魔王編の時点で38歳[8]。モンスター型地球人[9]であり、ピラフの場合は特殊な能力を持たない見た目だけのタイプ[10]。3人の中でも特に間抜けな性格で、シュウとマイを手足のように使い世界征服を企んではいるが、目的を達成した際に何をするかまでは考えていなかった。着ている服には「炒飯」の中国式簡体字の漢字(炒饭)が入っている。読みが「チャーハン」なのは鳥山明流のギャグ[11]。帽子に入った星印は、ドラゴンボールを狙っているという意味合いがある[12]。自称偉大な科学者[7]で、ドラゴンボールの位置を特定不能にする特殊なケースや、合体機能を持つ乗り込み型の戦闘用ロボット・ピラフマシンなどを製作。戦闘力は一般人並みだが、科学力・資金力は、レッドリボン軍やブルマと互角に渡り合えるだけのものがあり、アニメでは実際に牛魔王やシルバー隊と互角の戦いをしていたが、悟空に気を取られたためにシルバーに隙を突かれて敗北。鳥山明は「ああ見えても、頭いいんですよ」と語っている[13]

アニメ・映画でのピラフ

ドラゴンボール
第1話から登場。ドラゴンボールを実際に奪うまでに何度も失敗し、退散する様子が描かれていた。また、シュウとマイがピラフとともにいるシーンでピラフが他人からドラゴンボールに関して情報を得るシーンも存在する。
レッドリボン軍編でも登場。飛行要塞ともいうべきマシンを使用し、悟空やレッドリボン軍のシルバー大佐と、三つ巴のドラゴンボール争奪戦を繰り広げた。骨董屋で偽物のボールを掴まされた後、シュウに悟空のかぶりものをかぶせてチチの結婚式に忍び込み、一旦は六星球を手に入れることに成功。しかし最終的にはシルバーに要塞を撃墜され、六星球も奪われる。
ドラゴンボールを賭けた悟空との対戦に備え、ピラフマシンの性能テストを行う様子が描かれていた。
第23回天下一武道会後にも再登場。火喰い鳥の卵を奪いマニアに売り付けようと企むが、キウイ火山で青年に成長した悟空と再び遭遇して倒された。その後フラッペ山の雪山では、悟空から芭蕉扇を奪うが使い方がわからず、うっかり自分たちを扇いで吹き飛んだ。
ドラゴンボールGT
年老いた姿で登場し、歯も数本しか残っていなかった。究極のドラゴンボールを狙って神の神殿に侵入するが、神龍を呼んだ際に悟空と対峙し、不用意な発言で悟空を子供の姿にする願いを叶えてしまい、世界征服の夢は果たせないまま終わった[注 2]。その後も地球爆発の際、瞬間移動で迎えに来た超サイヤ人4の悟空に驚いて逃げようとしていた。
ドラゴンボール超
後述の劇場版と同様、3人とも若返った姿で登場する[注 3]。アニメでは第6・第7宇宙破壊神選抜格闘試合に来ていないが、『Vジャンプ』連載の漫画版では観戦に来ている。格闘試合後に悟空が遅発性乱気症にかかって弱ったことを知り、バイトで稼いだ全財産で作ったピラフマシンで悟空に復讐しようとするが、ピッコロの声に驚いて逃走。その時うっかり一緒に連れてきてしまったパンによりピラフマシンも大破した。
かつての資金力も底をついており、ドラゴンボールを揃えても、世界征服よりお金と食料という内容だった。“未来”トランクス編以降はトランクスに誘われ3人共カプセルコーポレーションに居候しており、トランクスと一緒に授業を受けたり、ブルマやブリーフの研究の手伝いをしたりしている。
プログラミングスキルはブルマが感心するほど高く、タイムマシンの修理完了直前に「面白みのないプログラム」と言いつつ勝手に緊急時の再起動プログラムを改良した。また、漫画版ではブルマもできなかったタイムマシンの改良を行い、「私もまだまだだわ」と言わせた。
未来トランクスの次元では、マイと違ってピラフとシュウは登場せず、“未来”トランクス編の漫画版では何らかの出来事が彼に起こったらしいが、未来のマイがエピローグで「ピラフ様があんなことになるなんて」と語ったのみで、詳細は明かされなかった。単行本のおまけページでは、未来の自分を救うためにタイムマシンを作る姿が描かれている[14]
ドラゴンボール 摩訶不思議大冒険
冒頭に登場。ドラゴンレーダーを開発するが用済みとなり、桃白白に始末され、悲鳴をあげる(直接的なシーンはない)。
ドラゴンボールZ 神と神
物語開始以前に一度ドラゴンボール集めに成功し、「老人のままではカッコ悪い」と若返りを願ったことにより3人とも子供の姿になっている[注 3]。今度は大金持ちになる願いを叶えようとドラゴンボールを盗みにブルマの誕生パーティー会場へ忍び込むが、トランクスに見つかり騒動を起こす。初対面した孫悟天が悟空の幼少期に似ているため、悟空が自分たちのように小さくなったのだと勘違いしていた。小さくされた影響でピラフは「どんなアルバイトにも雇ってもらえなかった」と悔しがっていたが、逆にシュウは「犬の寿命をとっくに越えていたので嬉しい」と喜んでいた。当初はただのコソ泥がこの役回りの予定だったが、フルメンバーということでよく知られているピラフ一味が登場することになった[15]
ドラゴンボールZ 復活の「F」
『神と神』同様に子供の姿で登場する[注 3]。世界征服を狙いドラゴンボールをすでに6個集めていたが、フリーザ軍残党のソルベたちに目を付けられてしまい、不本意ながらフリーザを蘇らせる手助けをしてしまう。

その他の作品でのピラフ

ドラゴンボールZ外伝 サイヤ人絶滅計画
デンデ(神様)に変装した姿で登場するが、願いが2つに増えているのを知らなかったため、見破られるものの、願いを叶えることに成功。内容は世界征服ではなく、Z戦士を金縛りにして、破壊された別荘を島ごと復元するという内容だった。
ドラゴンボールZ カカロット
原作では未登場の『Z』の期間における動向がサブストーリーで描かれる。サイヤ人編において、悟空を倒すために盗品のガイコツロボを改造していたが途中で暴走し、たまたま通りかかった孫悟飯に倒してもらう。その後、人造人間編においてガイコツロボの残骸から集めたパーツを使って新型ピラフマシンを作り、悟空と戦わせるが倒される。魔人ブウ編ではミスターサタンにロボを売り付けようとするがやはり失敗する。また、本作でピラフは「かつてとある地方のほんの一部で栄えたメシキヤ族の王子」であることが語られた。
DLC「波乱の天下一武道会」では第23回天下一武道会終了後の様子が描かれ、世界征服の障害となる悟空をならず者を雇って打倒しようとしていた。肝心の悟空が成長していたために本人と気付かず戦いを挑み、返り討ちに遭うと言うアニメ元祖の終盤のような展開も描かれている。最終的には食べたら腹痛を起こす「お腹ピーピーケーキ」を悟空の天下一武道会優勝と結婚の祝いと称して渡すも、全く疑わない悟空に歓迎を受け、チチの手料理をご馳走されたことで良心の呵責に悩み、ケーキを回収して退散した(ケーキはその後、うっかり自分で食べてしまった)。
CROSS EPOCH
ONE PIECE』のバギーとともに登場する。なお、バギーの担当声優もピラフと同じく千葉繁。

注釈

  1. ^ 魔人ブウが地球を破壊した際に死亡したはずだが、アニメでポルンガの力で生き返ったことが明かされているので、世界征服を企みつつも根っからの悪人ではないことも判明した。
  2. ^ その際ピラフは、悟空に久々に遭遇するや「誰だあいつは!?」と口走っている。一方で、悟空は「お前ピラフだろ」と懐かしがっていた。
  3. ^ a b c d e f g h 『神と神』と『超』“未来”トランクス編ではそれぞれの世界の地球のドラゴンボールの力で若返っているとされているが、『超』の現代で若返った理由は不明。
  4. ^ 加えてブルマの頼みにより、トランクスが余計なことに首を突っ込まないように監視していた。

出典

  1. ^ 鳥山明「其之二十一 満月」『DRAGON BALL 第2巻』集英社ジャンプ・コミックス〉、1986年1月15日、ISBN 4-08-851832-2、135、145頁。
  2. ^ a b 鳥山明「其之十九 ついに龍あらわる!」『DRAGON BALL 第2巻』106-111頁。
  3. ^ a b c FOREVER 2004, pp. 159, 「capsule column 5 キャラ名の由来を知りたい!」
  4. ^ 原作第2巻, 第18話.
  5. ^ 原作第2巻, 第19話.
  6. ^ 大全集7巻 1996, pp. 122, 「鳥山明がお送りする DBキャラ秘密の話」
  7. ^ a b 渡辺彰則編「第3章 キャラクター事典」『ドラゴンボール大全集 7巻』102頁。
  8. ^ a b 冒険SPECIAL 1987, pp. 31, 「DRAGONBALL 徹底全激闘史 男の履歴書」
  9. ^ 渡辺彰則編「種族の章 六種族を完全考察 種族の章 地球人」『ドラゴンボール大全集 第4巻』集英社、1995年10月9日、ISBN 4-08-782754-2、68頁。
  10. ^ 鳥山明「DRAGON BALL 龍珠問答 宇宙で生きるさまざまな種族! 地球人」『DRAGON BALL フルカラー 人造人間・セル編5』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2014年5月7日、ISBN 978-4-08-880105-6、223頁。
  11. ^ Vジャンプ編集部編「STORY GUIDE plus 完全マークリスト」『ドラゴンボール超全集 1巻』集英社(愛蔵版コミックス)、2013年2月10日、ISBN 978-4-08-782496-4、201頁。
  12. ^ 冒険SPECIAL 1987, pp. 139, 「鳥山先生に完全密着取材Q&A!!なるほど!?ザ・ドラゴンボール」
  13. ^ a b c d 渡辺彰則編「乗り物の章 ロボット」『ドラゴンボール大全集 第4巻』136-141頁。
  14. ^ 鳥山明、とよたろう「其之二十七 修行と日常 そして…」『DRAGON BALL超 第5巻』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2018年3月7日、ISBN 978-4-08-881447-6、98頁。
  15. ^ 伊能昭夫編「原作者 鳥山明先生SPインタビュー!!!」『Vジャンプ』2013年5月号、集英社、2013年3月21日、35頁、雑誌 11323-05。 
  16. ^ a b 鳥山明「とりやまさんのDRAGON BALLなんでもかんでもコーナー」『DRAGON BALL 第7巻』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、1987年5月15日、ISBN 4-08-851837-3、190-191頁。
  17. ^ ドラゴンボール完全版 第8巻 其之百十 079頁4コマ目
  18. ^ 鳥山明、とよたろう「特別マンガ」『ドラゴンボール超』 第2巻、集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2016年12月2日、212-213頁。ISBN 978-4-08-880867-3 


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