テロリズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/15 04:57 UTC 版)
歴史
古くはスパルタにおける
近代以降では、上述のフランス革命における革命側による恐怖政治や、王党派側による白色テロ、第一次世界大戦の引き金となったサラエボ事件、ロシア革命での赤色テロ、アナーキストによる黒色テロなどが有名である。特にヨハン・モストの「爆弾の哲学」に影響された19世紀末のアナキスト達による一連のダイナマイトによる暴力行動では、国家権力に正面から対抗する手段を持たない政治勢力、思想集団、宗教勢力が奇襲的な殺戮行為を行うことにより、国際社会や外交関係といった利害を背景としてそれにつけこみ、目標国家に政治的打撃を与え、政治的主張を受け入れさせることが主流となった[40]。
20世紀では、スターリン主義による大粛清、ナチズムによる水晶の夜事件がなどが発生した。
また第二次世界大戦後では冷戦や民族自決運動の高まりによる各種の事件、1970年代にはパレスチナ問題を背景としたPFLP旅客機同時ハイジャック事件や、新左翼系のドイツ赤軍、日本赤軍、赤い旅団などにより、従来の紛争地域以外を含めた国際的なテロ事件が多発した。1980年代以降は、市民をも攻撃対象とする無差別テロが増加してきている[41]。
冷戦後から、兵器販売の自由化が始まり、軍の払下げ品などの出回った火器がテロリストの手に渡るようになり、国際的なテロ事件が増加するようになった。特に、1990年代初頭からのイスラム過激派の台頭は目覚ましく、2001年9月11日にはアルカイダの手によってアメリカ同時多発テロ事件が起こされるに至っている。テロリストによる破壊活動の拡大を防ぐため、対テロ戦争が行われているが、以後もISIL等のイスラム過激派の新興組織は現れており、1国の首脳が「戦争行為」と非難する程の大規模な攻撃が行われ続けている。2010年代末になっても、イスラム教の文化の侵害を理由としてアメリカとアメリカ同盟国を敵視するイスラム過激派と、破壊活動の被害者であるアメリカとアメリカ同盟国の泥沼の戦いが続いている。
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