スバル・レガシィ
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3代目 BE/BH系(1998年-2003年)
スバル・レガシィ(3代目) BE5/BE9/BEE/BH5/BH9/BHC/BHE型 | |
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ツーリングワゴン GT-VDC(A型) | |
B4 RSK(前期) | |
ランカスター(前期) | |
概要 | |
販売期間 |
1998年6月 - 2003年5月 (セダンのみ1998年12月 - 2003年6月) |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ |
5ドアステーションワゴン 4ドアセダン 5ドアクロスオーバーSUV |
駆動方式 | 4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
2.0L/2.0Lシーケンシャルツインターボ/2.5L水平対向4気筒 3.0L水平対向6気筒 |
変速機 | 5速MT/4速AT |
サスペンション | |
前 | ストラット |
後 | マルチリンク |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,650mm |
全長 | 4,680mm |
全幅 | 1,695mm |
全高 | 1,515mm |
車両重量 | 1,460kg |
その他 | |
最小回転半径 | 5.4m |
データモデル | ワゴン250T-B |
開発主管は桂田勝。開発コンセプトは「レガシィを極める」。1998年6月に登場。このモデルチェンジでFF車が廃止され、全グレードが4WDとなった。全幅を1,695 mmとし、先代に引き続き5ナンバーサイズを維持している。セダンはワゴンに半年遅れて発売され、新たに「B4」[注釈 2]のブランド名が与えられた。B4はスポーティグレードのみ(RSK、RS)の設定とするなど、ツーリングワゴンとの差別化が計られ、その後スポーツセダンマーケットの代表車種として認識されるにまで成長して4代目以降に引き継がれている。 1998 - 1999RJCニューカー・オブ・ザ・イヤー(登録車)受賞(ツーリングワゴン・ランカスター)。
エクステリアには、ヘッドランプは上下2灯タイプを採用、上級グレードにはHIDランプが採用された。内装もアメリカのハイエンド・オーディオブランドであるマッキントッシュ製オーディオ[注釈 3]がメーカーオプションで設定された。また、高い衝突安全性能が重要視される時代に登場した本モデル(新環状力骨構造の採用)だが、自動車事故対策センター(現在の独立行政法人自動車事故対策機構)が1998年と1999年にテストした衝突安全性能試験では他メーカー製造の格上の3.0L級高級車両(トヨタ・クラウン等)を凌ぐAAA(トリプル・エー)の成績を運転席、助手席共に参加車両中で唯一獲得した。なお、モデル途中からツーリングワゴンのルーフレールは埋め込み式になった。
BD/BG型に引き続き、EJ20型エンジンおよびEJ25型エンジンを搭載。ターボモデルは先代に引き続き「2ステージツインターボ」を採用。また、ランカスター(先代のグランドワゴンから改名)用に3.0LのEZ30型エンジンが採用された。その後EZ30型はB4とワゴンにも搭載された。EZ30型を搭載したB4の「RS30」は富士重工としては初の「大排気量セダン」となった[注釈 4]。
リアサスペンションがマルチリンク式に変更され、ストラットタワーの張り出しをなくすことで、ラゲッジスペース(B4はリアトランクルーム)の最大容量は先代よりも大幅にアップしている。前モデルに引き続きビルシュタイン製ダンパーも上級グレードに採用された。
プレミアム性の高まったこのモデルでは、ポルシェデザインが監修したエアロパーツを纏った限定モデル「BLITZEN(ブリッツェン)」[注釈 5]は、2000年より毎年限定生産された。専用の鮮やかな赤いカラーを施されたものは数が少なく、5速マニュアルは特に希少とされる。
またモデル末期には開発主査である桂田の強い意志によりSTIによるスペシャルチューニングを施した「レガシィS401 STi version」が400台限定で販売された[注釈 6]。エンジンは熟練工による手組み、バランス取りなどが施される。これに伴いヘッドカバーも黒からシルバーへと変更され、シリアルナンバーが入っている。6,400 rpmで293 psを発生させ、4,400 - 5,600 rpm の幅広い回転域で35.0 kgf·mのトルクを発生した。車両形式も変更されGH-BESとなり、車体番号はBES-002001からとなる(SはSTiの意、Sが使われたのが最初で最後となる)。またGD型インプレッサWRX STIで採用される6速MTを搭載し、ブレンボ社製のブレーキやS401専用パーツなどが与えられた。286台で生産を終了[10]。
「ランカスター」を基にした4ドアピックアップトラック「Baja(バハ)」という派生モデルも存在する。2002年に登場したこの車種は、北米でのみ生産、販売が行われ、BL / BP型へのモデルチェンジ後も、2006年まで継続生産された。ちなみに3代目レガシィ系列でターボエンジンが設定されたのは北米市場ではバハのみである。
BE/BH型発売直前の1998年4月23日にはアメリカ・コロラド州の公道での速度記録に挑戦し、1 kmの区間平均速度で270.532 km/hを達成、自らの持つ「ステーションワゴン多量生産車無改造部門」における世界速度記録を更新した。
販売終了前月までの新車登録台数の累計は25万6849台[11]。
年表
- 1998年(平成10年)
- 1999年(平成11年)
- 2000年(平成12年)
- 5月24日 - 年次改良を実施[21]。C型となった。
- ランカスターに新開発水平対向6気筒3.0Lエンジン「EZ30」[22]を搭載した「ランカスター6」を追加[21]。B4のターボ車にもアルミ製ボンネットが採用されたほか、これまでターボ系のAT車のみの設定だった「ブラックフェイスメーター」がMT車にも採用された[21]。ツーリングワゴンは、ターボ系に専用バンパーが採用され、グリル意匠の変更とブラック系またはグレー系の内装色に統一。B4のみの設定だったスペシャルレザーシートがワゴンにも設定。GT-VDCには新デザインのアルミホイールを採用。またメーカオプションであるマッキントッシュオーディオのスロットがカセットからMDに、A型のイメージカラーだった「バイオレットブルーマイカ」と「マスタード・マイカ」が廃止され、新たに「コーストグレー・メタリック」と「グランブルー・マイカ」が設定。
- 10月3日 - ツーリングワゴン TX-Sをベースに快適装備などを追加した特別仕様車「TX-G」を発売[23]。
- 5月24日 - 年次改良を実施[21]。C型となった。
- 2001年(平成13年)
- 1月24日 - ツーリングワゴンGTをベースにVTD-4WDと専用色「プレミアムホワイトパールマイカ」を採用した「GT-Limited」を発売[24]。また、スバルテクニカインターナショナルより、ツーリングワゴン/B4 BLITZEN 2001 modelを発売[25]。
- 5月22日 - ビッグマイナーチェンジを実施[26]。D型となった。
- フロントマスクの大整形にあわせて六連星のエンブレムが復活[27]。ターボ系はステアリングフィールを改め、速度感応型電子制御から新型回転数感応型パワステに変更。B4はシート生地が変更され、サンルーフも設定。B4に2.5LNAの「RS25」追加[26]。ツーリングワゴン「GT-B E-tune」を「GT-B E-tuneII」に名称変更。VDC-4WD標準装備モデルを廃止、VDCはメーカーオプション化。従来より指摘の多かったエアフロメーター故障について、生産メーカーをデンソーに変更し、この問題をほぼ解決した。B4には「ブリッツェン」を思わせるフォグランプベセルを大きく取った個性的なフロントバンパーが採用されたが、D型後期でデザインが変更されている。
- 2002年(平成14年)
- 1月21日 - ツーリングワゴンおよびB4にEZ30型3.0L水平対向6気筒エンジン搭載グレードとして、それぞれ「GT30」、「RS30」を追加[28]。ホイールはターボ系と同様のものが採用された。グリルやリヤガーニッシュ、メーターなどもターボモデルとは異なるものに変更されている。
- 2月8日 -「BLITZEN 2002 model」を発売[29]。
- 5月21日 - 一部改良を実施。アプライドモデルはD型から変わらず、D型後期と俗称される。
- カッパーオレンジマイカが廃止され、ジェットグレーメタリックを新設定。17インチタイヤがRE010からRE040に変更され、インパネ上部の運転席側小型デフロスターの可変機構が廃止される。B4のフォグランプベセルのデザイン変更。またターボの廉価仕様である「リミテッド」シリーズが登場。B4としては初のSOHCエンジン搭載車である「S」が追加された[30]。
- 8月21日 - STIより、ツーリングワゴン「GT30」とB4「RS30」をベースにした「BLITZEN6」が発売[31]。また、Brightonをベースにした特別仕様車「B-SPORT」が発売。
- 11月12日 - STIによるコンプリートカー「S401 STi Version」を400台限定で発売。STi仕様としては唯一の型式認定車(全車持込登録)である。
- 11月27日 - B4とツーリングワゴンにそれぞれ「RSK S-edition」「GT-B S-edition」を設定。
- GT-B E-tuneII,RSKをベースにアルミパッド付スポーツペダル、ダークグレーのヘッドライトベゼル(ブリッツェン・S401同等品)、ステアリングホイールを含むチタン調内装パネル(Blitzen2002、2003同等品)、ブラックインテリア(ピラー、ルーフまでブラック)、インプレッサ22B-STi Versionで採用された22Bキャリパー(フロントのみ対向4ポットキャリパー、リアはノーマルに赤色塗装のみ)が装備された。MT車ではヘリカルLSDが採用され、ステアリングのギヤ比が16.5対1から15対1に早められている。WRブルーマイカやスパークイエローマイカなどのボディーカラーが選択できた。
- 2003年(平成15年)
- 1月24日 - B4「RSK」をベースとした「BLITZEN 2003 model」が発売[32]。
- 5月23日 - BP型ツーリングワゴンの発表および販売開始に伴い、生産終了。日本国内総生産台数は43万4,624台(BE、BHを含む)。なお北米生産車は2004年夏まで継続生産された。
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ブライトン(A型)
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ブライトン(A型)
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TS-Rリミテッド(A型)
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ブライトンS(A型)
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GT-B(A型)
RFRBエアロ装着車 -
TS-R(B型)
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GTリミテッド(C型)
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GT-B E-TuneII(D型)
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B4 RS(D型)
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B4 RS(D型、リア)
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ランカスター6(D型)
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ランカスター6(D型)
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アウトバック(セダン、北米仕様)
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BLITZEN
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BLITZEN
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S401 STIバージョン
注釈
- ^ レガシィに搭載されているビルシュタイン製ダンパーは一貫してビルシュタイン社直営工場で生産されている。当時、ビルシュタイン社は富士重工業へのパーツ供給のため、新工場を建設している。
- ^ 公式には「BOXER+4WD」の略と、イタリア語でクローズドボディ(屋根付き)の高性能車を表す「Berlinetta(ベルリネッタ)」に、「4」ドアを組み合わせた造語のダブルミーニング。ただし、厳密にはBerlinettaは2ドア車を指し、本車の場合は「Berlina」が正しい。
- ^ 製造はマッキントッシュ社と業務提携、後に親会社となったクラリオン社である。
- ^ EZ30型は、アルシオーネSVXの3.3LエンジンであるEG33エンジンがベースではなく、前後長がより短い新設計であり、このエンジンを積む前提でボディのエンジンルームが広く設計されていた。スバル1300G以来の、幅の狭いクランクシャフトベアリングが使用されている
- ^ ドイツ語で「稲妻が輝く」を意味する。
- ^ のちに桂田はSTI社長に就任
- ^ BE/BH型では、5ナンバーという制約内で側面衝突安全性を確保するため、Bピラー内に鋼棒を組み込むなど苦肉の策とも言える設計が一部採用されており、重量増加の一因ともなっていた。
- ^ LPGとガソリンを切り替えて使用できる。
- ^ Electrolytic In-Process Dressing = 電解インプロセスドレッシング(目立て)
- ^ スバル・EE20を参照のこと。
- ^ 詳細はスバル・EJ25#DOHCデュアルAVCSターボを参照のこと。
- ^ ドイツ語で「(美しく)輝く」を意味する。
- ^ これにより、サッシュレスの4ドアセダン/ワゴンの日本車は完全に姿を消している。
- ^ 3タイプが一斉にフルモデルチェンジ・同時発売するのは初めてのことであった。
- ^ 3代目や4代目のマイナーチェンジの際に全車DOHC化の噂話が度々説にあった。[要出典]
- ^ S PackageはEyeSight装着車にのみ設定される。
- ^ 第1次世界大戦後の1923年に設立された、戦争未亡人や孤児などの援助基金「Legacy Australia」(en:Legacy Australia)という団体がある。
- ^ JAF登録車両リストの中でも「レガシィ」と正しく表記されているのは4代目以降であり、それ以前は「レガシー」と誤表記されている。
出典
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- ^ スバル レガシィ セダンをフルモデルチェンジ 『レガシィ B4(ビー フォー)』を発売 富士重工業ニュースリリース、1998年12月21日
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