エアアジア 概説

エアアジア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 19:36 UTC 版)

概説

多くのグループ企業を抱える世界屈指の規模のLCCである。クアラルンプール国際空港を拠点に路線網を構築している。2014年には大規模なLCC専用ターミナル「Klia2」が開業した。

手荷物の受託は有料で、5リンギットである。機内清掃の簡素化を図るため、座席は革張りである。事前座席指定は15 - 25リンギットだが、子供・高齢者などは割引がある。一部路線でパック入りミネラルウォーターが提供される以外は飲料・軽食は有料にて販売される。予めオンラインで予約した場合は割引価格で提供される。原則として機内に飲食物を持ち込むことはできない。

クアラルンプール市内に近いスルタン・アブドゥル・アジズ・シャー空港に本拠地を移転する計画があったが、マレーシア政府に拒否された。

歴史

設立当初はマレーシア政府系重工業会社DRB-ハイコム傘下の企業だったが、後に業績は低迷し、経営破綻状態になる。大手レコード会社、ワーナー・ミュージックのアジア地域役員だったトニー・フェルナンデス (Tony Fernandes) は、持株会社チューンエア (TuneAir Sdn Bhd) を設立し、2001年12月2日に1リンギットで買い取る。

クアラルンプール国際空港 (KLIA) を本拠地とし、運賃を格安で提供して、マレーシア航空の国内線独占状態を破り、2003年から黒字化した。有効座席キロ英語版 (ASK、Available Seat-Kilometer) は2.19USセント(2005年度)である。

2003年シンガポール・チャンギ国際空港の乗り入れをシンガポール当局から拒否されたため、シンガポールとの国境に隣接するジョホールバルスナイ国際空港を第二の拠点と位置づけ、タイバンコクへ国際線を就航させた。コタキナバル国際空港も拠点としている。

2004年には、タイとインドネシアに、それぞれ国内線を中心に運航する関連会社を設立。以後、マカオフィリピンクラークカンボジアシェムリアッププノンペンにも進出する。

2006年3月24日、クアラルンプール国際空港にLCCターミナル(Low Cost Carrier Terminal)が開業し、同社のすべての便が移転した。貨物地区に暫定的に建設されたもので、貨物上屋に容易に改装できる設計となっていた。旅客増加に対応するための暫定措置として2008年以降ターミナルの増築工事が行われた。

2006年以降、主力機材であったボーイング737-300を、順次エアバスA320に切り替え、2008年に完了する。2010年オーストラリアジェットスター航空と、機材や部品の共同購入などで提携した[1]

2009年までウィリアムズF1の公式スポンサーでもあったが、2010年より、トニー・フェルナンデスCEO自らが代表を務めるロータス・レーシングが参入した。

2011年5月3日以降の予約についてはサーチャージを徴収していた[2]

2014年5月、クアラルンプール国際空港に新しいLCCターミナル「Klia2」が開業した。

2014年12月、インドネシア・エアアジア8501便墜落事故が発生、乗客・乗員計162名全員が死亡したと見られる[3]

2015年1月26日以降、燃油サーチャージは不要となった[4]

2016年8月、リオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得したASEAN圏内の選手は生涯搭乗券を無料にすると発表した。銀・銅メダルの選手も5年間、2年間と無料になると発表し、ジョセフ・スクーリング選手ら6名が対象となった[5]

2022年1月28日、グループ持株会社の社名を「キャピタルA(CAPITAL A)」に変更したと発表した[6]

旧ロゴマーク

保有機材

ボーイング737-300

運航機材

2023年7月現在[8][9]

発注機材

  • エアアジア・グループ全体で、エアバスA320シリーズ総発注機数592機にのぼり、エアバスが納入する単一通路航空機の最大顧客である。A320シリーズについてはエンジンは全てCFM製エンジンを選択している。
  • 2011年6月23日、エアバスA320 neoを200機発注した[10]

退役機材

  • ボーイング737-300:148席ー会社設立期に十数年運用後グループ内他社へ転籍後全機引退済み

  1. ^ 格安航空2社、専用機体開発で提携 豪とマレーシア 日本経済新聞
  2. ^ AirAsia to introduce fuel surcharge on 3 May
  3. ^ http://www.nbcnews.com/storyline/airasia-plane-crash/search-airasia-crash-victims-end-indonesia-says-n325581
  4. ^ 燃油サーチャージなし-よくある質問 - AirAsia
  5. ^ http://www.straitstimes.com/asia/se-asia/airasia-gives-out-free-flights-for-life-to-all-asean-athletes-who-won-gold-at-the
  6. ^ https://www.aviationwire.jp/archives/243725 エアアジアグループ、キャピタルAに社名変更「もう単なる航空会社ではない」 - Aviationwire
  7. ^ a b c Our Story - The airasia LogoAirAsia (YouTube公式チャンネル)、2023年12月7日閲覧。
  8. ^ [1] - PlaneSpotters.net
  9. ^ AirAsia Fleet - AirFleets.net
  10. ^ エアバス、マレーシアのエア・アジアから200機受注 - ロイター
  11. ^ AirAsia Flights and Destinations- FlightConnections.com
  12. ^ Airasia routes and distinations - Flightradar24
  13. ^ エアアジア、中国でLCC設立へ 中国光大集団などと覚書 - 日本経済新聞 2017/5/14
  14. ^ エアアジア、中国合弁の覚書失効 国内線参入白紙に - 日本経済新聞 2018年9月1日
  15. ^ https://www.traicy.com/posts/20240318293420/ - エアアジア・カンボジア、5月2日就航 国内2路線開設
  16. ^ Malaysia's AirAsia again tries to take off in Vietnam - Nikkei Asian Review, May 23, 2017
  17. ^ エアアジア、ベトナム観光大手と提携 同国参入目指す - 日本経済新聞 2018年12月6日
  18. ^ アアジアの越合弁、19年8月に運航開始 - NAA.ASIA 2018年12月12日
  19. ^ エアアジア、ベトナムで合弁格安航空設立 4—6月にも運航開始へ - マレーシアナビ!
  20. ^ Malaysia's AirAsia calls off proposed Vietnamese JV - Reuter 2011年10月11日
  21. ^ ANAとエアアジア、『エアアジア・ジャパン』の設立に合意 - 全日本空輸ホームページ・プレスリリース
  22. ^ エアアジア社との共同事業の解消について - ANAホールディングスホームページ・プレスリリース
  23. ^ Indonesia AirAsia X Ceasing Scheduled Operations in January - Airline Geeks


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