におい
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においの利用
食品や飲料では、素材や調味料、香辛料およびそれらを使った調理・醸造などにより生じる良い匂いや香りを楽しむ。近現代の加工食品・飲料では香料を加えることも多い。
エタンチオールなどの一部の有機硫黄化合物は低濃度で十分に強い刺激臭を持つ。これを利用して微量のガスが漏れてもすぐわかるようLPG(液化石油ガス)などに付臭剤として添加されることがある。
犯罪捜査においては、人間よりはるかに鋭敏な嗅覚を持つ警察犬を使って、犯人や被害者、遺留品の追跡・捜索を行う。
においの検知・分析と再現
各種の臭気計に加えて、においの種類や強さを可視化するカメラが豊橋技術科学大学や浜松ホトニクスによって開発された[21]。
また、人間の嗅覚が感じ取れるにおいの構成物質を分析して、「要素臭」の組み合わせや合成をすることにより、バーチャル・リアリティ(VR)やゲームを含む映像や疑似体験と連動させて、においを遠隔地でも再現する技術も実用化されつつある[22][23]。
においの制御
「部屋干し」のにおい
洗濯物を室内に干す「部屋干し」をした時、その臭いが問題となる。これは洗濯物が乾燥するまでの長時間、衣類が湿っていることによって雑菌が繁殖し、それによって臭いが発生しているからである[24]。
これを防ぐ方法はいくつかある。一つは、部屋干しグッズ等を使用し、[25]できる限り短時間で乾かすという方法である[24]。他にも、雑菌を極力少ない状態にしておくことも大切である[24]。また、「部屋干し専用」の洗剤(抗菌作用のある薬剤が入っているもの)を使う方法、また通常の洗濯洗剤に加えて衣類用漂白剤(漂白剤は滅菌剤や除菌剤としても作用する)を入れる[24]などの方法で、菌の繁殖を最低限にすることが可能である[24]。ヨーロッパでは日本のように「部屋干し」の匂いで悩んでいる人々は少ない。というのは、フランスやドイツなどで販売されている洗濯機の多くが(日本の家電メーカー製の洗濯機とは大いに異なって)洗濯時のお湯の温度を設定する機能がついているものが多く、(電気やガスなどで)きれいな水道水をお湯に温めて設定された温度にしつつ洗濯し、温度としては60℃以上で洗うと洗濯物に潜む雑菌をほぼ全部殺してしまえることがヨーロッパの家庭では常識のように知られており、(洗濯物の状況を判断したり、必要に応じて)そうした温度に設定して洗う習慣がある。そのようにして洗った後はたとえ部屋干ししても(そもそも、干した洗濯物の中に雑菌が少ないので)あまり変な臭いがせず、爽やかに仕上るようになっている。
デジタル制御
ICT分野では映像や音と異なり発生や制御が困難とされてきたが、1ミリ秒以下の時間幅でパルス状に匂いを発生させる嗅覚ディスプレイの研究開発が行われている[26]。
博物館
香りをテーマとした展示を行う「磐田市香りの博物館」(静岡県)[27]や「大分香りの博物館」(別府市)[28]がある。
注釈
出典
- ^ a b デジタル大辞泉
- ^ 『広辞苑 第5版、p.2018。※『広辞苑』第5版でも第6版でも、視覚的な匂いの方をまず一番目に挙げており、嗅覚的な匂いの説明はその後に配置している。
- ^ a b 『広辞苑』第5版、p.2018。※『広辞苑』第5版でも第6版でも、視覚的な匂いの方をまず一番目に挙げており、嗅覚的な匂いの説明はその後に配置している。
- ^ 注. 『広辞苑』では嗅覚系の説明は2番目以降である。
- ^ 広辞苑第六版「におい」
- ^ 『広辞苑』第五版 p.2018 「匂い」
- ^ a b c d e f 国本浩喜「暮らしの中の匂いと香り」金沢大学サテライト・プラザ「ミニ講演」講演録集、金沢大学大学教育開放センター、2006年8月、NAID 120000814054、2022年4月4日閲覧。
- ^ デリシャス・オン・ミート!肉によく合うKIKKOMANキッコーマン国際食文化研究センター(2018年2月26日閲覧)
- ^ 一例として、「JR中央線で異臭騒ぎ ヒーターにかばん触れる」産経新聞ニュース(2017年12月5日)2019年7月26日閲覧。
- ^ 体臭気にしすぎ!?相次ぐにおいトラブルNHK『クローズアップ現代』(2017年10月25日放映)2018年2月26日閲覧
- ^ 小泉武夫『くさいはうまい』(文春文庫)には実例が多く紹介されている。
- ^ 米国で「最も臭いスニーカー」コンテスト、12歳少年が優勝ロイター(2017年3月29日)2018年6月19日閲覧
- ^ 池袋PARCO「におい展」(2018年2月26日閲覧)
- ^ 世界中の「不快な食べ物」博物館『日刊工業新聞』2018年10月4日4面掲載の時事通信配信記事。
- ^ a b 青木孝志, 足達義則「ジャスミンの匂いが心拍変動に与える影響(研究発表,第21回生命情報科学シンポジウム)」『国際生命情報科学会誌』第24巻第1号、国際生命情報科学会、2006年、121-125頁、doi:10.18936/islis.24.1_121、ISSN 1341-9226、NAID 110004848824。
- ^ 斎藤勇『面白いほどよくわかる!「女」がわかる心理学』西東社, 2014 p.61
- ^ a b c d e f g 斎藤勇『面白いほどよくわかる!「女」がわかる心理学』西東社, 2014 p.118-119
- ^ 鈴木隆『匂いのエロティシズム』集英社, 2002、ISBN 4087201295。
- ^ 鈴木隆『匂いの身体論:体臭と無臭志向』八坂書房, 1998、4896944151
- ^ NHKクローズアップ現代「広がる“においビジネス”」
- ^ 「香り可視化カメラ開発 豊橋技科大など 特徴をチャート表示」『日刊工業新聞』2018年4月19日(大学・産学連携面)2018年10月8日閲覧。
- ^ 【きょうの授業】「におい」を再現する 香りの「もと」組み合併せ追求『朝日新聞』朝刊2018年7月18日(教育面)2018年10月8日閲覧。
- ^ 【NextTech2030】東京工業大学/VR技術、嗅覚も追求 におい成分、組み合わせ工夫『日経産業新聞』2018年12月19日(先端技術面)。
- ^ a b c d e 矢野きくの『省エネで部屋干し洗濯物を早く乾かす方法』株式会社オールアバウト, 2013。「部屋干しをした洗濯物は、そもそもなぜ臭うのか?」の章。google eブックスで確認可能。
- ^ “室内干しおすすめグッズ人気比較ランキング15選【部屋干しでもストレスフリー】”. タスクルヒカク | 暮らしのおすすめサービス比較サイト. 2019年12月4日閲覧。
- ^ 岡田 謙一「匂いのデジタル制御」 2022年3月28日閲覧
- ^ 磐田市香りの博物館(2018年2月26日閲覧)
- ^ 大分香りの博物館(2018年2月26日閲覧)
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