PM2.5
大気中に浮遊する粒子状物質のうち、粒子の直径が2.5マイクロメートル以下の物質の総称。物質の種類は問われず、自然由来の粉塵や、NOx(:窒素酸化物)やSOx(硫黄酸化物)などの人為的に排出されたガス(排ガス)などが含まれる。
PM2.5の「直径2.5マイクロメートル以下」という大きさは、気管を通り抜けて呼吸器の深部に入りこむことができる微細さとされる。肺や気管に深いダメージを与え、蓄積され、健康被害をもたらしやすいと言われている。さらに「PM0.5」と呼ばれる、直径0.5マイクロメートル以下程度の微粒子になると、肺胞に入り込み血中に取り込まれてリスクが全身に回る危険がある。
日本の環境基準では大気中に浮遊している粒子状物質(PM)である「浮遊粒子状物質」(SPM)のうち、直径10マイクロメートル以下のものを計測対象としている。環境汚染物質には黄砂などの自然由来のものも含まれるが、PM2.5のような微小粒子になると人為由来のものが多いという。
環境省は2010年に、地方公共団体が取り組む大気汚染状況の常時監視の対象としてPM2.5を追加し、状況の把握および抑止に取り組んでいる。
関連サイト:
微小粒子状物質(PM2.5)について - 環境省
ピーエム‐にてんご【PM2.5】
PM2.5(微小粒子状物質)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 01:05 UTC 版)
「粒子状物質」の記事における「PM2.5(微小粒子状物質)」の解説
大気中に浮遊する微粒子のうち、粒子径が概ね2.5µm以下のもの。粒子径2.5µmで50%の捕集効率をもつ分粒装置を透過する微粒子。日本では訳語として「微小粒子状物質」の語が充てられるが、日本以外では相当する熟語はなく、専らPM2.5と呼ぶ。PM10よりも微細な汚染物質となるので、呼吸器系など健康への悪影響が大きいと考えられている。また、粒子サイズが小さいので、長く大気中を浮遊していられるために、発生源から離れた場所でも汚染の影響を受けるという特徴も有する。 物の燃焼などによって直接排出されるものと、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、揮発性有機化合物(VOC)等のガス状大気汚染物質が、主として環境大気中での化学反応により粒子化したものがある。発生源としては、ボイラー、焼却炉などのばい煙を発生する施設、コークス炉、鉱物の堆積場等の粉じんを発生する施設、自動車、船舶、航空機等、人為起源のもの、さらには、土壌、海洋、火山等の自然起源のものも含まれる。 PM2.5は、非常に粒子が細かいため人体内の肺胞の中に入り込み、炎症反応や血液中に混入するなどの恐れがある。アメリカ合衆国環境保護庁は、大気汚染が人体に及ぼす影響について、各地で行った調査報告を発表している。短期曝露による急性影響、長期曝露による慢性影響が、それぞれ死亡および呼吸器系疾患、循環器系疾患のリスクとどのように関係するか統計を取っている。 PM2.5は、1990年代にアメリカ合衆国で関心が高まり、1997年に初めて環境基準が設定されて以降、1990年代後半から採用され始め、世界の多くの地域でPM10と伴に大気汚染の指標となっている。
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