TPVとは? わかりやすく解説

TPV

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 02:01 UTC 版)

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TPV

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シトロエン・2CV」の記事における「TPV」の解説

すでに「トラクシオン・アバン」で前輪駆動車量産化成功させていたアンドレ・ルフェーブルは、TPVの駆動方式にも前輪駆動方式採用したプロペラシャフト省略でき(軽量化振動抑制、低重心化の効果がある)、さらに操縦安定性にも優れていたからである。 開発作業シトロエン社内でも特に機密事項として秘匿され、外部の眼に一切触れことなく進行した1939年には、TPVプロジェクトは相当に進行し試作車完成しつつあった。それらはアルミニウム多用して軽量化され、外板には波板を使うことで強度確保した簡潔な造形によって、外観屋根なだらかな曲線持ったトタン物置という風体だった。 屋根は幌による巻き取り式のキャンバストップ軽量化騒音発散図り座席には通常の金属スプリング代わりにゴムベルト用いたハンモック構造採用して軽量化した。ヘッドライトコストダウン軽量化のため、片側1個だった(当時フランスの法律ではライト1個でも差し支えなかった。後の生産型では2個ライトになった)。パワーユニットは、トラクシオン・アバン先進的なOHVエンジン設計したモーリス・サンチュラの手になる、水冷式エンジン搭載していた。サスペンション・アーム軽量化為にマグネシウム使用していた。サスペンション用のスプリングとしては各輪共トーション・バー3本、過荷重用に1本、合計4X4=16使用していた。 このモデル長い間試作車のみであり、開発最終完成には至っていなかったと考えられていたが、実は量産体制入っていたことが1968年初め判明したパリ西郊130kmのラ・フェルテ-ヴィダム(La Ferté-Vidame)にある同社テストセンター工事中に、実車1台と、量産に関する承認書類ナンバープレートなどが発見されのである。それによると、量産車2CV A」として正式にホモロゲーション取得したのは1939年8月23日認可され生産数100であった。しかし、9月3日第二次世界大戦勃発する生産中止封印され生産中のクルマ大半破壊されたり、壁に埋めて隠されたりした。発見され車体は、完全にレストアされて新車同然の姿でパリ北部オルネーの「シトロエン・コンセルヴァトワール」に展示されている。 その後1994年にはノルマンディー農家屋根裏から、さらに3台が発見された。これにより、「幻の初代2CV A」とも謂えるTPVは、試作車(製作数不詳)と生産予定100台のうち4台の現存確認された。新たに発見されたこの3台も「シトロエン・コンセルヴァトワール」に収蔵され修復はせずに展示されている。

※この「TPV」の解説は、「シトロエン・2CV」の解説の一部です。
「TPV」を含む「シトロエン・2CV」の記事については、「シトロエン・2CV」の概要を参照ください。

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