TPV
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 02:01 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動- タンペレーン・パロ・ヴェイコト(Tanpereen Pallo-Veikot:TPV) - フィンランドのサッカークラブ。
- 熱光起電力(Thermophotovoltaic:TPV) - 熱光起電力発電(TPV発電)について。
- 動的架橋型熱可塑性エラストマー(Thermoplastic Vulcanizates:TPV) - 熱可塑性エラストマーの一種。
- TPV Technology - 香港に本社を置く多国籍電子機器製造会社。
TPV
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 09:58 UTC 版)
すでに「トラクシオン・アバン」で前輪駆動車の量産化を成功させていたアンドレ・ルフェーブルは、TPVの駆動方式にも前輪駆動方式を採用した。プロペラシャフトを省略でき(軽量化や振動抑制、低重心化の効果がある)、さらに操縦安定性にも優れていたからである。 開発作業はシトロエン社内でも特に機密事項として秘匿され、外部の眼に一切触れることなく進行した。 1939年には、TPVプロジェクトは相当に進行し、試作車も完成しつつあった。それらはアルミニウムを多用して軽量化され、外板には波板を使うことで強度を確保した。簡潔な造形によって、外観は屋根になだらかな曲線を持ったトタンの物置という風体だった。 屋根は幌による巻き取り式のキャンバストップで軽量化と騒音発散を図り、座席には通常の金属スプリングの代わりに、ゴムベルトを用いたハンモック構造を採用して軽量化した。ヘッドライトはコストダウンと軽量化のため、片側1個だった(当時のフランスの法律ではライト1個でも差し支えなかった。後の生産型では2個ライトになった)。パワーユニットは、トラクシオン・アバンの先進的なOHVエンジンを設計したモーリス・サンチュラの手になる、水冷式エンジンを搭載していた。サスペンション・アームは軽量化の為に、マグネシウムを使用していた。サスペンション用のスプリングとしては各輪共トーション・バーを3本、過荷重用に1本、合計4X4=16本使用していた。 このモデルは長い間、試作車のみであり、開発は最終完成には至っていなかったと考えられていたが、実は量産体制に入っていたことが1968年に初めて判明した。パリ西郊130kmのラ・フェルテ-ヴィダム(La Ferté-Vidame)にある同社のテストセンターを工事中に、実車1台と、量産に関する承認書類やナンバープレートなどが発見されたのである。それによると、量産車「2CV A」として正式にホモロゲーションを取得したのは1939年8月23日。認可された生産数は100台であった。しかし、9月3日に第二次世界大戦が勃発すると生産は中止・封印され、生産中のクルマの大半は破壊されたり、壁に埋めて隠されたりした。発見された車体は、完全にレストアされて新車同然の姿でパリの北部オルネーの「シトロエン・コンセルヴァトワール」に展示されている。 その後、1994年にはノルマンディーの農家の屋根裏から、さらに3台が発見された。これにより、「幻の初代2CV A」とも謂えるTPVは、試作車(製作数不詳)と生産予定100台のうち4台の現存が確認された。新たに発見されたこの3台も「シトロエン・コンセルヴァトワール」に収蔵され、修復はせずに展示されている。
※この「TPV」の解説は、「シトロエン・2CV」の解説の一部です。
「TPV」を含む「シトロエン・2CV」の記事については、「シトロエン・2CV」の概要を参照ください。
- TPVのページへのリンク