ダットサン
このネーミングは、1914(大正3)年に日産自動車の前身である快進社が、自社製2号車に脱兎号(DATCAR)と命名したのがルーツ。DATの3文字は、出資者である田健次郎(D)、青山祿郎(A)、竹内明太郎(T)のイニシャルからとった。グッド・ブランドの新しい小型車をつくるにあたって、モデル名を検討した結果、DATの息子(SON)の意味でDATSONとした。しかしソンは損に通じるとして嫌われ、32年初めにDATSUN(太陽)となった。
ダットサン名の乗用車は戦前にもあった。1947年8月完成、11月に発売したダットサンスタンダードセダンDAというモデル。木骨のボディに軟鋼板を張った戦後初の日産製乗用車で、2ドアタイプだった。エンジンは7型直列4気筒サイドバルブ722cc、最高出力15ps/3600rpm、最大トルク3.8kg-m/2000rpmを発生した。48年3月に、当時流行の寄り目ヘッドランプを導入したDB型に変わり、さらにエンジンを860ccに換装、DB-2型へと発展。このエンジンは7型のボアを60mm広げ、さらに圧縮比を6.5に高め、最高出力21ps/3600rpm、最大トルク4.9kg-m/2400rpmの性能を発揮した。その後、シャシーに手を加え、ホイールベースが2005mmから2100mmとなり、フロントトレッドを10㎜広げて1048mmとしたDB-4型が登場。53年2月に4ドアのDB-5型発売。54年7月に最終モデルのDB-6型をリリースした。最初のモデルは販売価格16万円だった。戦後では55年1月に登場した110型、57年10月に世に出たマイナーチェンジの210型、114型(初代ブルーバード・310型の前身)などがダットサン・セダンというモデル名だった。ちなみに、110型はD10型直列4気筒SV・860cc・25psエンジン搭載。210型は新設計のC型OHV・988cc・34psエンジンを積んでいた。58年9月の豪州一周ラリーでクラス優勝したモデルがこの210である。そして、59年8月発売のダットサン・ブルーバードへと引き継がれた。
その後も、大きいクルマの車名はニッサン、小さいクルマはダットサン、という使い分けを一時的に行っていた。例えば初代ブルーバード、初代サニーはダットサンだった。その後は、小・中型トラックだけにこの名が残っている。
現在のダットサンはピックアップタイプのクルマで、ボディ形状としてはシングルキャブとダブルキャブがある。エンジンはガソリンが2Lと2.4L、ディーゼル3.2Lの3種。ただし、登録上はすべて商用車(1、4ナンバー)扱いとなっている。
Datsun
ダットサン
(Datsun から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/13 01:56 UTC 版)
注釈
- ^ 移行過渡期の輸出向け車には、「DATSUN by NISSAN」のエンブレムが見られる。
- ^ 同車としては720型以降、海外向けも「日産・フロンティア」や「日産・ナバラ」など日産ブランドへ順次変更されている。
- ^ この中でロシアではGOの製造と販売は行われておらず、ルノー・日産連合に属するアフトヴァースのラーダブランドで製造する車種をベース(実質的にはOEM扱い)とする「on-DO」/「mi-DO」の2車種のみが展開されている。
- ^ 東京自動車工業の設立は、商工省の意向による軍用保護自動車および商工省標準車いすゞの生産を主体としたものであり、ダットサンの如く小型車製造はその対象外であった。
出典
- ^ a b c 日産――ダットサンブランドの魂(1934年)
- ^ “日産「ダットサン」復活、新興国向け低価格車で”. 読売新聞 (2012年3月20日). 2012年3月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年3月20日閲覧。
- ^ “日産自が「ダットサン」ブランドを復活、新興国市場に投入へ”. ロイター (2012年3月20日). 2012年3月20日閲覧。
- ^ “Carlos Ghosn Officially Confirms Rebirth of Datsun Brand in 2014, Reveals New Logo”. Carscoops (2012年3月20日). 2012年3月20日閲覧。
- ^ “日産、パキスタンで生産販売再開へ 「ダットサン」20年初め投入”. ロイター通信社 (2018年3月28日). 2018年3月28日閲覧。
- ^ 日産、新興国ブランド「ダットサン」終了 電動化に集中 - 日本経済新聞・2022年4月24日
- ^ “ダットサン 「redi-GOコンセプト」を発表、将来のデザインの方向性を示唆”. 日産自動車ニュースリリース (2014年2月5日). 2014年3月6日閲覧。
- ^ “ダットサン インド初のアーバンクロスである新型「redi-GO」を公開”. 日産自動車ニュースリリース (2016年4月14日). 2016年5月5日閲覧。
- ^ 【なぜ、日本で売らない?】ダットサン日本上陸、絶対ナシとは言い切れないワケ - AUTOCAR JAPAN・2020年5月5日
- ^ 別冊宝島327僕らの「名車」物語70年代でいこう!のインタビューより
- ^ “日産が復活させる「ダットサン」は、どんな車になるのか!?”. autoblog (2012年3月21日). 2013年9月27日閲覧。
- 1 ダットサンとは
- 2 ダットサンの概要
- 3 備考
- 4 脚注
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