2代橋梁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/09 15:41 UTC 版)
「利根川橋梁 (東北本線)」の記事における「2代橋梁」の解説
利根川橋梁は、日本国内にある主要鉄道橋ではもっとも古いものとなっており、さらにダムの建設に伴う土砂の流下不足、骨材の過剰採取などに伴って河床の低下が進行し、橋脚の洗堀が進んで根入れが不足して、安全度が極端に低下していると診断される状況になっていた。また橋脚の支持力不足により不等沈下をきたしており、軌道保守に困難が生じていた。さらに煉瓦の目地が劣化し、第二次世界大戦後に増設・交換されたスルーガーダー部分以外は桁のフランジの腐食が激しく、桁下の空頭の計画高水位に対する余裕が不足しているといったこともあり、抜本的な改良工事が行われることになった。 河川管理者の建設省との協議が行われ、旧来の橋梁が河川に対して80度で交差していたのに対して、新橋梁は直角で横断することを要求された。この結果、栗橋側(右岸)では既存橋梁の約20メートル上流に架設することになり、古河側(左岸)では約120メートル離れることになった。結果的にアプローチ部分は古河側で大きく変更されることになった。取り付け部分は盛土にすると、経済的にも保守の面でも不利であると試算されたため、約420メートルに渡って高架橋を建設して取り付くことになった。 新橋梁の設計については、建設省から径間を80メートル以上に、また桁下空頭を2メートル以上にすることを要求され、栗橋駅構内のさらなる改良工事を避けるために桁下からレール面までの厚さを最小限にする特殊設計の桁を採用し、径間82.7メートルの鋼製トラス桁9連を架設することになった。1連あたりの重量は375トン、設計活荷重はKS-18で、桁を製作した事業者は川田工業、川崎重工業、駒井鐵工所、桜田、瀧上工業、宮地鐵工所、横河橋梁、宮地建設工業、横河工事の各社である。下部構造は鉄筋コンクリート製ケーソン基礎を採用した。 1973年(昭和48年)1月から1977年(昭和52年)3月までの工期で施工され、総工費29億8000万円は国鉄と建設省が折半した。新橋梁の延長は753メートルで、1980年(昭和55年)9月8日に下り線を使用開始し、1981年(昭和56年)2月23日に上り線を使用開始して、旧橋梁が廃止となった。 JR東日本では輸送障害の発生防止を目的として、強風時の走行安定性を改善することで、強風に伴う速度規制を緩和できる防風柵の設置工事を橋梁に対して進め、利根川橋梁においては2007年(平成19年)3月に北側、6月に南側に設置され、運転中止時間の減少といった効果を得ている。
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