高付加価値化 - 1970年代後半
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 06:25 UTC 版)
「電卓」の記事における「高付加価値化 - 1970年代後半」の解説
価格下落が一段落してくると、価格競争とは別に使い勝手をよくする高付加価値化の方向でさまざまな試みが行われ、実用化されていった。液晶の採用、超小型化・薄型化(カードサイズ電卓)、太陽電池の採用、高機能化(電子辞書、電子手帳、後には携帯情報端末(PDA)へと発展した)などがある。 1971年 - ビジコンが世界初の液晶表示を採用したLC-120を1月に発表。しかし液晶の安定化に手間取り、製品化されることはなかった。 1972年 - ビジコンがLE-120Gを発売。ハードウェアはLE-120Aと同等仕様だが、筐体に純金メッキを施した装飾品として販売された。このころから装飾としての付加価値をビジコンは模索していたらしく、同年三越デパート向けにLE-120Tという円形の装飾電卓を「はんさむこんぴゅうたぁ」という愛称で発売している。 1973年 - シャープで、鷲塚諫を中心とするグループが、液晶を表示装置に使った本格的な電卓、EL-805「エルシーメイト」を開発、商品化。この頃には、電卓は重量わずか 200g と、初期の20kg-30kg もある電卓や1970年頃の1kgぐらいのポータブル電卓の時代から比べても一段と小型軽量化した。また、低消費電力化が進んだことで電池でも長時間の駆動ができるようになっていった。 1974年 - プログラム可能な電卓 HP-65。 1976年 - 太陽電池を搭載した電卓が現れる。シャープ EL-8026。こちらは、充電式のボタン電池と併用するタイプの電卓。その後、太陽電池だけで駆動可能な電卓も現れた。 1976年 - 米テキサス・インスツルメンツ (TI) TI-30 25$ 世界で最も多く販売された電卓と紹介されている。電圧 9V で駆動する関数電卓。→ TI-30(Wikipedia英語版) 超小型、薄型の電卓の登場。1978年 - カシオ 名刺サイズ電卓「カシオミニカード」(LC-78) 発売。厚さ3.9mm、 1979年 - シャープ EL-8152。36g、厚さ 1.6mm。 1985年には厚さ0.8mm、重さ11gの電卓も出ている。すでに実用上の限界の域に到達した。 1980年 - カシオ MG-880「デジタルインベーダー」で「ゲーム電卓」のジャンルを新たに築く。当時の電子ゲーム流行の波に乗り、大手電卓メーカーから多数のゲーム電卓がリリースされた。 高機能化 1980年代には辞書機能やカロリー計算機能を搭載する電卓も現れた。その後、電話番号と名前が英数カナで登録できるデータバンク機能を搭載するカード型電卓が登場し、それが発展して電子手帳へ、さらにはパソコン用ソフトのアイディアも取り込みながら1990年代には携帯情報端末 (PDA) へと発展した。それとは別に電子辞書が、画面の大型化・収録コンテンツの多様化などで独自の発展を築いていった。
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