関東の「久寿餅」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/31 12:18 UTC 版)
関東では江戸時代後期に入り、小麦粉を発酵させたものから作られた菓子がくずもち(久寿餅)と呼ばれるようになった。現在の東京都区部東部を含む葛飾郡(下総国)の「葛」に由来し、関西の葛餅と区別するため「くず(久寿)」の字を当てたという説がある。 関東の久寿餅は小麦粉から精製したデンプンを乳酸菌で発酵させたものであり、原材料に葛粉は含まれない。見た目は白く、「葛餅」のような透明感はない。食感も「葛餅」と比較して硬く、独特の風味がある。 ただし、食べ方は葛餅同様、きな粉をまぶす他、黒蜜などでも賞味する。粉末状のラムネ・フレーバーをまぶす等、新たな味付けも考案・商品化されている。 久寿餅は、かつて葛飾郡だった東京都江東区の亀戸天神社のほか、池上本門寺(東京都大田区)や川崎大師(神奈川県川崎市)の門前町の名物でもある。本門寺門前ではかつて節分明けから菖蒲の花の頃(2~6月)に扱い、通年で製造・販売するようになったのは太平洋戦争後であるという。 関東風くず餅は「和菓子で唯一の発酵食品」とも言われる。亀戸天神門前に本店がある「船橋屋」は、発酵に代々使ってきた乳酸菌がラクトバチルス属パラカゼイ種であると解析。「くず餅乳酸菌」として関連商品を開発している。
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