録音用MD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 13:40 UTC 版)
通常はユーザーが自身で録音を行うためのブランクディスクとして販売されている。シャッターはカートリッジ両面にある。ディスクタイプは当初ステレオモードで60分タイプのみだったが、1993年(平成5年)に74分タイプ、1999年(平成11年)に80分タイプが発売され3種となった。録音用MDの発売当初は高価格(1枚1400円から1700円程度)であったが、ハードウェアが普及するにつれて結果的にコストダウンが進み、低価格化へとつながった。最初期の80分ディスクは、74が80に変更されている以外にも、外観を同種の74分ディスクと変えてあるものも存在した。なおモノラルモードや各種拡張モードを使って録音した場合の分数はこれと一致しない。書き換え回数は雑な扱いをしない限り、1万回を超える書き換えは可能である。 年表 1992年11月1日 - ソニーより60分ディスク『MDW-60』発売。 1993年4月10日 - ソニーより74分ディスク『MDW-74』発売。同年10月には富士フイルム(AXIA)やTDK、日立マクセル(現・マクセルホールディングス)のそれぞれが録音用MDを発売。日本コロムビア(DENONブランド。現・ディーアンドエムホールディングス)も同年に録音用MDを発売。 1997年 - 松下電器産業(現・パナソニック)や花王(KAO DIGITAL SOUNDブランド)がそれぞれ録音用MDを発売。 1999年2月10日 - 長時間録音に対するユーザーの要望を受け、ソニーより80分ディスク『MDW-80H』発売。 記録方式 録音用MDは磁界変調オーバーライト方式により記録される光磁気ディスクである。 UTOC 録音用MDにはUTOC(User's TOC)領域があり、これによってトラックの移動・分割・結合・消去といった編集を行うことができる。最大255トラックまで作成できるが、条件次第ではもっと少ないトラック数しか作れないケースもある。 録音モード ステレオとモノラルの2種類がある。モノラル録音モードではディスク額面表記の2倍の長時間録音ができるため、会議やラジオ番組の録音などに利用される。どちらのモードで録音した場合もATRACで音声の非可逆圧縮が行われる。 なおATRACはスケールファクタ(英語版)が独立しているため、録音後に音量の調整などが可能である。この特徴は一部機器が「S.F.エディット」機能として利用している。 回転速度 74分MDはディスクの回転速度を1.2 m/sにすることで(60分は1.4 m/s)、80分MDはこれに加えてトラックピッチを1.5 μmにすることで(60分MDと74分MDは1.6 μm、規格上は1.5 - 1.7 [μm] )、それぞれ実現している。 ビットレート 通常ステレオ録音時で292 kbps、モノラル録音時で146 kbpsであり、これにより記憶容量がCDと比べて小さいMDで、CDと同等の録音時間を実現している。 最初期のMD機器での録音ではエラー制御に容量を割いていたため、音声記録には現在の半分しか割り当てられていなかった。そのため後継モデルのMDや先述の通りMDとほぼ同期に登場した競合規格のDCCに比較して音質で劣り、特にピュアオーディオファンからはネガティブイメージを持たれていた。
※この「録音用MD」の解説は、「ミニディスク」の解説の一部です。
「録音用MD」を含む「ミニディスク」の記事については、「ミニディスク」の概要を参照ください。
録音用MD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 13:40 UTC 版)
2000年代半ばごろからMD機器の出荷数減少に伴い、ディスクの流通も減少していった。ただし、現在流通している音声記録メディアではCDレコーダーやDATとともに、パソコンを一切使用せずにCDなどからの音源を直接デジタル録音できる数少ないメディアであるため、パソコンやスマホを持たない、あるいは持っていても十分に使用することが困難なユーザーなど、一部では未だに根強い需要がある。そのためミニディスクそのものは、スーパーマーケットなどでも大抵は5巻パックなどが揃っている場合が多く、ビクターアドバンストメディア(Victorブランド)製『MD-80RX5/MD-80RX10』と2001年1月に発売したパナソニックの『AY-MD74D』が、その他の単品ディスクは大創産業やイメーション(TDK Life on Recordブランドのみ。現:グラスブリッジ・エンタープライゼス)からも発売されていたが、それぞれ生産・販売終了となった。2021年現在ではソニー1社が2015年11月に発売した80分ディスクの『MDW80T』を生産・販売しており、オンラインショップなどで1枚から入手可能である。
※この「録音用MD」の解説は、「ミニディスク」の解説の一部です。
「録音用MD」を含む「ミニディスク」の記事については、「ミニディスク」の概要を参照ください。
- 録音用MDのページへのリンク