貧福論とは? わかりやすく解説

貧福論

作者峰原うらら

収載図書世にも妖しく恐ろしい雨月物語
出版社青春出版社
刊行年月2000.7


貧福論

作者中村晃

収載図書怪奇幻想 雨月物語
出版社勉誠出版
刊行年月2005.11


貧福論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 10:23 UTC 版)

雨月物語」の記事における「貧福論」の解説

「貧福論」は、いわゆる銭神問答のひとつである。主人公岡左内岡定俊岡野左内ともいい、蒲生氏郷つかえた。氏郷の死後浪人し、上杉家仕官一万石)した。岡左内当時金銭まつわる逸話伝えられ人物で、色々な書物にその名が見える。 左内の有名なところといえば富貴願って倹約尊び、暇なときには部屋金貨敷き詰め楽しんだ。しかし吝嗇ということではなく、ある下男小判一枚蓄えていることを知ると金大事さ説き、これをとりたて十両の金をやった。というわけで庶民にも人気のある奇人だった。 その左内がある夜寝ていると、枕元小さな翁が現れた。正体聞くと、黄金精霊名乗った日頃憂さ晴らしに、色々なことを語りたいがためにやって来たという。そして、世間金銭卑しいものとする風潮嘆いた。「千金の子は市にも死せず」「富貴の人は王者のたのしみを同じうす」とことわざを唱え清貧生き方をする賢人は賢いけれど、金の徳を重んじない点で賢明な行為ではない、と断じた。 これに、左内は興に乗って、なぜ富めるものの八割が貪酷で残忍なのか、そして、真にすばらし働き者の人がなぜ貧しいままなのか、これは、仏教にいう前業のせいなのか、儒教のいう天命のせいなのか、と質問をした。翁は、その仏教教えいい加減なのである批判し自分の考え述べた。つまり、金とは非情のものであり、「天の随(まにまに)なる計策たばかり)」、自然の道理によって動くもので、善悪論理介在しないこと、金銭尊重する人のところにまるもの金銭貯めることは技術なのだ、だから、前業天命関係ない、と。 左内はこれを聞いて日頃疑問解決したことを喜びもう一つこれから世の勢力動きについて翁に尋ねた。翁はこれに、「富貴」を観点として武将論じた。そして、上杉謙信武田信玄織田信長のあと、豊臣秀吉天下取ったが、これも長くないだろう、と予言した。そして、八字の句を詠った。「堯蓂日杲 百姓帰家」。夜明け近くなり、翁はあいさつをして姿が見えなくなった。左内は与えられ詩について考えその意味思い至ると、これを深く信じようになった。そして、世の中は、その通り動いていった。

※この「貧福論」の解説は、「雨月物語」の解説の一部です。
「貧福論」を含む「雨月物語」の記事については、「雨月物語」の概要を参照ください。

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