語源意識
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 08:47 UTC 版)
1946年に公布された「現代かなづかい」は「語に随う」面を残したため、語源の認定の仕方によって表記の揺れが起こりうる。当初は表音主義で考え始めたため、基本的に同じ音韻は一通りに書くことを原則としたが、いくつかの例外を設けた。その例外の一つが「じ」「ぢ」「ず」「づ」の使い分けである。 本則は「じ」「ず」を用いるが、「同音の連呼によって生じた」場合と「二語の連合によって生じた」場合には「ぢ」「づ」を用いることとなった。前者は「ちぢむ」「つづく」のようなものである。ただし「いちじく」「いちじるしい」などは本則どおりとされた。後者は「はなぢ(鼻血)」「みかづき(三日月)」などであり、これらは「はな+ち」「みか+つき」と分析できるので、語源となる語を表すこととなった。しかし現代人の意識では2語に分析しにくいものは本則通りとし、例えば「世界中」「稲妻」は「せかいじゅう」「いなずま」とされた。後者の規定は1986年に許容を広げることとなり、「せかいぢゅう」「いなづま」と書くこともできるとされた。このように、「じ」「ぢ」「ず」「づ」の使い分けは、語の意識の有無を判定しなければならない。 同様に語源意識が問題となるものに「は」がある。/wa/と発音されるものは「わ」と書くのが本則であるが、助詞の「は」は慣習を残すこととなった。すると「あるいは」「こんにちは」「すわ一大事」などを「は」「わ」どちらにすべきかが問題となる。
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