移民と人種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 02:20 UTC 版)
「タッカー・カールソン」の記事における「移民と人種」の解説
カールソンは移民に関して常に批判的である。カールソンは『ワシントン・ポスト』紙のエリック・ウェンプルや『Vox』のライターに、合法移民および不法移民を悪者扱いしていることで非難された。カールソンは、ヒスパニックが15年間で小さなマイノリティからマジョリティへと変化したペンシルベニア州ヘイズルトンに見られる人口構造変化は「人間が耐え得る変化の度合いを超えている」と書き、アメリカの人口構造の変化に反対した。2018年、カールソンは、大量移民はアメリカを「汚し」「貧しくし」「より分断させる」と発言した。またこれに対する批判に応えて、「怯えていない」としながら、「我々は最後の日まで真実を発信し続けるつもりだ。そして無秩序な大量移民がこの国の自然な姿をひどく傷つけた、それが真実だ」と述べた。不法移民について2019年5月にカールソンは、「アメリカへ殺到した不法労働者は、我々の地域社会を破壊し、学校を破壊し、医療制度に負担をかけ、国民の団結を挫いた」と述べた。 南部貧困法律センターのハイディ・バイリックは、「カールソンは(アメリカにおいて)白人国家主義の基本理念を主流化しているコメンテーターの、恐らく筆頭である」と述べ、白人がマイノリティや移民から攻撃を受けているとする「白人大虐殺陰謀説」を拡散しているとしてカールソンを非難した。名誉毀損防止同盟のジェシカ・リーブスは、カールソンが展開する核家族保護の主張を白人至上主義者が反移民を主張する際に使うレトリックになぞらえた。 CNN、『ビジネスインサイダー』、『Vox』および『GQ』誌によると、カールソンの番組は白人至上主義者の言説を助長、反復している。ネオコン知識人であるウィリアム・クリストルは、カールソンが番組で述べた見解を「ある種のエスノナショナリズム」と表現した。カールソンは、「何年も前にクリストルは自らの信用に傷をつけた」とこれに反応した。カールソンは自身が人種差別主義者であることを否定し、人種差別を嫌悪していると述べた。 カールソンはババ・ザ・ラブ・スポンジのラジオ番組が2006年から2008年まで行なっていた電話出演コーナーに出演し、イラクは「トイレットペーパーもフォークも使わない」「半識字の原始的な猿」で構成された国であり侵略するに足らない国だったと述べた。また、「動物のように振る舞う狂人のイスラム教徒」と批判し、「彼らをできるだけ多く殺す」ことを誓った大統領候補が「選ばれし王」になるだろうと述べた。これら録音は、進歩的非営利メディアであるメディア・マターズ・フォー・アメリカによって2019年3月にオンライン上に公開された。『ワシントン・ポスト』紙は当該発言について人種差別的と評した。また、カールソンは女性の品位を傷つける発言、強姦の軽視発言、ウォレン・ジェフズ容疑者(当時)の擁護および同性愛者に対する嫌悪発言をこれまでにしている。カールソンは自身の発言について謝罪することを拒んだ。 デービッド・デュークの支援についての質問を避けたドナルド・トランプ候補(当時)についてミット・ロムニーが「質問の権利を剥奪し、実に嫌な反応をした。(略)忌まわしい頑固者を甘やかすトランプの態度はアメリカ精神に反する」と非難した際、カールソンは「オバマがそう書くこともできた」と述べ、ロムニーを批判した。 カールソンは2019年7月9日の『タッカー・カールソン・トゥナイト』の放送を、イルハン・オマル下院議員を論評する3分間のモノローグで締めくくった。カールソンは亡命を認めたアメリカに対してオマルが感謝していないとして批判し、「我々の移民の受け入れ方がこの国にとって危険になったことを意味する、その生きた証拠」と彼女を呼んだ。このモノローグは『ガーディアン』紙によって、「冷酷な」「人種的偏見に基づいた」「反移民レトリックに満ちた」と言い表された。オマル下院議員は、「広告主はこの種の危険で憎むべき発言に出稿すべきでない」とすぐさまTwitterで反応した。この出来事について『デイリー・ビースト』は、「議会と大統領によって右翼の攻撃が増幅された」ことを主な要因として、議員に選出されて以降オマルは殺害予告を受けていると7月10日の記事で触れている。同記事によると、カールソンは番組で彼女を批判するのに「多く時間を割いてきた」が、今回は「反オマルの立場をより一層強めた」。 「ヒスパニックによる侵略」を主張する反移民声明を出した男性が実行犯だった2019年のエルパソ銃乱射事件の発生数日後、カールソンは白人優位性主義を、「デマ」「国家を分断し、権力を保持するために使われる陰謀説」と説いた。また、「アメリカにおける全ての白人至上主義団体構成員の合計人数は、果たして大学のフットボール用スタジアムに収まりきるだろうか」と反語で質した。『ワシントン・ポスト』紙によると、「カールソンの主張は多くの専門家によって否定されており、そういった見解に動機付けられた男性らによる殺戮行為の急増と矛盾しているように見える」。
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