真菌用寒天培地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/20 15:16 UTC 版)
素寒天培地 (WA) 全く栄養分を含まない培地。直接接種法のための土台や、分離培地として用いられる。 麦芽エキス寒天培地 (MA) ごく一般的に、さまざまな菌の培養に使われる。菌の保存用としても優れている。麦芽エキスを減らして分離培地として使用することもある。 魚肉寒天培地 バチルス・チューリンゲンシス(昆虫病原菌)の培養に用いられる。 麦芽寒天培地 麦芽汁を使った培地。 ツァペック-ドックス寒天培地 YM寒天培地 斜面培地で多く用いられる。酵母の単離に好んで使われるが、基本的にはどの微生物にも対応できる。 バレイショ-ニンジン寒天培地 (PCA) 同上。栄養分は多くないので分離培地にも使用する バレイショ-ブドウ糖寒天培地 (potato dextrose agar, PDA) ごく一般的な菌の培養や保存に使われる。炭素源(糖分)を豊富に含むので菌糸の生育がよい。ブドウ糖の代わりにショ糖を用いたPSA培地もよく使われる。 サブロー寒天培地 ブドウ糖濃度が高く (4%) 真菌の増殖に適する。サブローは考案者 (Sabouraud) の名前。一般真菌の分離培養用。 コーンミール寒天培地 一般の菌類の培養や保存、あるいは厚膜胞子の形成を促すために使われる。また、カンジダ属の胞子形成に適し、特にカンジダ・アルビカンス(厚膜胞子を作る)の鑑別用。 ツァペック寒天培地 合成培地で、有機物はショ糖のみ、他は無機塩類のみで構成されている。ビタミン要求性のあるものには適さない。菌糸の成長はあまりよくないが、形態観察にはむしろ便利である。 YpSs寒天培地 でんぷんおよび酵母エキスを炭素源・窒素源として含有し、それにリン酸カリウムと硫酸マグネシウムとが添加されている。下等菌類の培養に。また、偽菌類である卵菌(ミズカビ)の培養に用いる。 合成ムコール寒天培地 (SMS) ケカビ類の純粋培養と同定のために考案された人工培地。 MY20寒天培地 グルコースを20%含み、コウジカビ属など糖分の高い環境で生育する好稠性のカビの培養に用いる。 Gorodkowa寒天培地 胞子形成に使う培地 オレンジジュース寒天 柑橘類に発生する真菌類の検査に用いる。 V8ジュース寒天培地 キャンベル・スープ・カンパニー製の野菜ジュース「V8野菜ジュース」を用いた培地。エキビョウキンの培養、特に卵胞子形成に用いる。
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