環境と生態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 01:56 UTC 版)
カカポの先祖がニュージーランドに来たのは今から100万年ほど前の第四紀である。そのときには他のオウムと変わらない普通のオウムであったと推測される。時が経つにつれ大きさが次第に増し、体重が増えやがては飛行能力を喪失したのである。しかし興味深いことにニュージーランドには野生の哺乳類が3種のコウモリ以外はいなかったのである。そのため、鳥たちが、他の地域では哺乳類が進出している生態的地位へも進出していった。人類がこの島々へ渡来するまでは、カカポの進化は成功し、ニュージーランドに100万羽生息していたと考えられる。 かつては、ニュージーランドの3つの主な島中に進出したのち、低木地と海岸の地域や、podocarps(rimu、マタイ、kahikatea、totara)、ブナ、タワとラータが主な植生の森林などに生息していた。彼らは、特に森の周辺部と一層、重い果実のなる広い多様性ある森のコンパクトなエリアに生息した。フィヨルドランドの、雪崩の領域の「ファイブフィンガー」「ワインベリー」「ブッシュロイヤー」「チュチュ」「ヘベ」「コプロマス」などの果実がなる地域は、「カカポの庭」として知られていた。 夜行性なので、昼間は木の下の茂みに身を隠して、夜になると餌をもとめてなわばりを歩き回る。飛ぶことはできないが、木に登ることには優れる。どんなに高い木にも登った。カカポが木の高いところから翼を広げて「パラシュート」で降りていくことも知られる。そして、林床に穏やかに着地する。飛ぶ能力を失ってカカポは非常に強い足を発達させた。一夜の給餌の間に、彼らは数キロメートル歩くと考えられ、さらに300mの丘を上へ下へと移動する。かなりの速度で走れるが、長距離を速く移動することはできない。 通常、草食で、自生している多種多様な植物を食べる。果実、種、花粉、樹液さえ食べる。特にリムの木の果実を好み、たくさん実っているときはシーズンをとおして食べ続ける。足で葉をつかんで、それをクチバシではいで繊維質の部分を残し、丸めて捨てて、食べる。それはまるで人間がアーティチョークのやわらかい部分だけを食べる方法と似ている。植物繊維の小さい塊はカカポの存在を示す特徴的な証拠である。時折、昆虫と他の無脊椎動物を食べるのも観察された。 好奇心旺盛で、個体間が離れたところで生息しているので、人間との接触を楽しんでいるようである。保護センターのスタッフとボランティアが接触した時には、それぞれの個体に豊かな個性があることが確認された。 多くのオウムと同様に、広範囲にわたる呼び出しを色々な目的のために使っている。彼らの繁殖期の「唸り声」と「くちばしを鳴らすこと」に加えて、仲間に居場所を知らせる、「skraark」も知られている。 逆に、なかった行動はというと、捕食者あるいは脅威に対する反応である。身の危険を感じた時、森の中でじっとして身を隠そうとした。これは、ニュージーランド在来の捕食者(巨大なワシの仲間ハーストイーグル)から身を守るのには有効な戦略であったのだが、この戦略は優れた嗅覚に頼る新たな捕食者に対しては役に立たないため、絶滅に対する懸念はさらに大きくなっている。
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