焚書坑儒とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 焚書坑儒の意味・解説 

ふんしょ‐こうじゅ〔‐カウジユ〕【×焚書坑儒】


ふんしょこうじゅ 【焚書坑儒】


焚書坑儒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/04 03:46 UTC 版)

焚書坑儒
繁体字 焚書坑儒
簡体字 焚书坑儒
発音記号
標準中国語
漢語拼音fénshū kēngrú
ウェード式fen2-shu1 k'eng1-ju2
IPA[fə̌n.ʂú kʰə́ŋ.ʐǔ]
国語ローマ字fernshu kengru
粤語
イェール粤拼fàhn-syū hāang-yùh
粤拼fan4-syu1 haang1-jyu4
閩南語
台湾語ローマ字hûn-tsu khenn-lûㄈㄣˊㄕㄨㄎㄣㄖㄨˊ
上古音
バクスター-
サガール
*[bun s-ta kʰˤreŋ nyu]

焚書坑儒(ふんしょこうじゅ、繁体字中国語: 焚書坑儒簡体字中国語: 焚书坑儒拼音: fénshū kēngrú)とは、古代中国代に発生した思想弾圧事件焚書は「書を燃やす」こと、坑儒とは「儒者を坑(穴)に生き埋めにする」を意味する。

概要

史記』秦始皇本紀によると、始皇34年(紀元前213年)、博士淳于越中国語版郡県制に反対し、いにしえの封建制を主張した。丞相李斯は、儒者たちがいにしえによって体制を批判していると指摘し、この弾圧を建議した。始皇帝はこの建議を容れて、医薬・卜筮・農事以外の書物の所有を禁じた「挟書律」を制定した。

これにより、民間人が所持していた書経詩経諸子百家の書物は、ことごとく郡の郡守・郡尉に提出させ、焼き払うことが命じられた(焚書)。また、李斯は秦の史家によるものを除いたすべての史書も燃やすべきであると主張し、各諸派によって書かれた書物は、地域の官僚に処分をするよう命令が出された。儒教の経典である六経のうちの『楽経』はこの時失われ、漢代に五経として確立された。

紀元前212年、盧生や侯生といった方士儒者が、始皇帝は独裁者で刑罰を濫発していると非難して逃亡したため、咸陽の方士や儒者460人余りを生き埋めにし虐殺した(坑儒)。ただし、その後も秦に仕えた儒者はおり、陳勝・呉広の乱が起きた際に二世皇帝胡亥が儒者の叔孫通に諮問している。

紀元前206年の高祖劉邦が秦を滅ぼしたが、依然として挟書律は現行法であり、その後恵帝4年(紀元前191年)11月になってようやく廃止された[1]。また、『韓非子』和氏篇には商鞅に仮託して、挟書を政策として採用すべきだと議論しており[2]、李斯の独創ではなく、戦国末期には法家によって提案されていた政策だった。

後世に魯迅は「華徳焚書異同論」において、ナチス・ドイツの焚書と比較して焚書坑儒は進歩的な行為だったと主張している[3]。また文化大革命時には、「批林批孔」運動において、毛沢東が焚書・坑儒を正当化する漢詩を詠じたが、後に中国共産党の公式見解の一つとされる席簡・金春明『「文化大革命」簡史』では、毛の漢詩を「表面的には歴史学者の学術書に対して反対意見を述べているようにみえるが、(中略)政治闘争の必要から書かれたものである」と述べている。

書の五厄

牛弘は、隋代までの歴朝の書物の災厄の筆頭に、焚書・坑儒を挙げている(『隋書』「牛弘伝」)。

  1. 始皇帝の焚書
  2. 末の王莽打倒の叛乱による国家蔵書の焼失
  3. 後漢末の三国鼎立に至る動乱による国家蔵書の散逸
  4. 西晋末の永嘉の乱の動乱による国家蔵書の散逸
  5. 末の元帝西魏軍に包囲された江陵城で自らの手で国朝の蔵書に火を放った事による散逸

ただし、政策上の理由から書物が災厄を被ったのは始皇帝の焚書のみであり、残り4つはいずれも王朝末期の混乱によるもの。

関連人物

  • 扶蘇 - 始皇帝の長男。父が行おうとしている焚書坑儒を止めようとして左遷された。
  • 伏勝 - 重要な本を壁に隠したり、二酉(大酉山と小酉山)という二つの山の石窟(二酉蔵書洞)に隠した伝説を持つ。この山には、伝説の黄帝の図書館もあったとされ、焚書で隠され、漢王朝となり書を献上した後も多くの学者や政治家が、ここに通い書を読んだり、この地を神聖視し建物を建てたりした[4]

関連項目

脚注

  1. ^ 『漢書』恵帝紀四年「三月甲子、皇帝冠、赦天下。省法令妨吏民者、除挾書律」
  2. ^ 『韓非子』和氏篇「商君教秦孝公以連什伍、設告坐之過、燔詩書而明法令、塞私門之請而遂公家之労、禁游宦之民而顕耕戦之士」
  3. ^ 『秦の始皇帝 その評価』 東方書店、1975年、245-249頁
  4. ^ 學富五車,書通二酉的二酉山,上古時黃帝藏書的地方 毎日頭條

焚書坑儒(ふんしょこうじゅ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/16 15:14 UTC 版)

嘉神慎之介」の記事における「焚書坑儒(ふんしょこうじゅ)」の解説

一幕(覚醒前)』の潜在奥義ダッシュモーション突進しヒット後火の鳥のようなとなった炎を纏いながら上昇する発生そこそこ早く通常技の強攻撃キャンセルして出せば連続技組み込むことができる。技名由来は、始皇帝の焚書坑儒。

※この「焚書坑儒(ふんしょこうじゅ)」の解説は、「嘉神慎之介」の解説の一部です。
「焚書坑儒(ふんしょこうじゅ)」を含む「嘉神慎之介」の記事については、「嘉神慎之介」の概要を参照ください。


焚書坑儒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 00:22 UTC 版)

儒教」の記事における「焚書坑儒」の解説

秦は商鞅変法によって伝統氏族社会解体し韓非子代表される法家思想によって中華統一基盤整備した始皇帝六国滅ぼし中国統一すると、法家思想尊んでそれ以外自由な思想活動禁止し、焚書坑儒を起こした。ただし、博士官が保存する書物除かれたとあるので、儒家経書が全く滅びたというわけではなく、楚漢戦火を経ながらも、漢に伝えられた。また、焚書坑儒以降にも秦に仕えていた儒者もおり、例え叔孫通最初秦に仕えていたが、後に漢に従ってその礼制を整えている。

※この「焚書坑儒」の解説は、「儒教」の解説の一部です。
「焚書坑儒」を含む「儒教」の記事については、「儒教」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「焚書坑儒」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「焚書坑儒」の関連用語

焚書坑儒のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



焚書坑儒のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
中経出版中経出版
Copyright (C) 2024 Chukei Publishing Company. All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの焚書坑儒 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの嘉神慎之介 (改訂履歴)、儒教 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS