木製レールの導入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 08:45 UTC 版)
1515年、マッテウス・ランク枢機卿がオーストリアのホーエンザルツブルク城にある鋼索鉄道ライスツークの説明を書いた。路線はもともと木製のレールと麻の運搬用ロープを使っており、踏み車を通して人間か動物の力で動かされた。路線はまだ存在していて運用されており、木製レールから鋼鉄製レールへの置き換えなどの更新がなされているがおそらく世界で最も古い営業鉄道である。 木製レールを使用した馬車によるワゴンウェイ(またはトラムウェイ)は鉱山への鉱石入れの輸送を容易にするために1550年代に登場し、すぐにヨーロッパ中で普及した。そのような路線はドイツにおいてゲオルク・アグリコラが1556年に著した『デ・レ・メタリカ』の中で説明されている。この路線は木製の板の上を走っているフランジのない車輪と板の間の隙間にぴったり合う垂直のピンが付いた"フント" (Hund) カートを使用して運行されていた。鉱山労働者はフントカートが走行時に発生する騒音から、貨車をフンデ(Hunde、ドイツ語で"犬"の意)と呼んだ。 16世紀の中央ヨーロッパでのそれらの使用については多くの言及がある。そのような輸送システムは、おそらく1560年代からイギリスのカンブリア州カルドベックの鉱山においてドイツ人の鉱夫によって使用されていた。ワゴンウェイはリヴァプール近郊のプレスコットで1600年頃に、おそらく1594年には早くも建設されていた。フィリップ・レイトンが所有していたこの路線はプレスコット・ホール付近のピットから約800メートル離れた終点まで石炭を輸送していた。1604年以前にシュロップシャー州のブロズリーで鋼索鉄道が建設された。これにより、炭鉱からセヴァーン川までジェームズ・クリフォードのための石炭が運搬され、川辺の町に運ばれた。1604年にハンティンドン・ボーモントによって建設されたウラトン・ワゴンウェイは、時には最古のイギリスの鉄道として誤って引用されてきた。トラムウェイはノッティンガム付近のウラトンとストレリーの間を結んでいた。 1758年に建設されたリーズのミドルトン鉄道は、後に改良が行われているが鋼索鉄道を除いて世界で最も古い営業鉄道となった。1764年、アメリカ合衆国で最初の鉄道がニューヨーク州ルイストンに建設された。
※この「木製レールの導入」の解説は、「鉄道輸送」の解説の一部です。
「木製レールの導入」を含む「鉄道輸送」の記事については、「鉄道輸送」の概要を参照ください。
- 木製レールの導入のページへのリンク