月世界への夢
地球へのエネルギー供給も十分可能
月の表面には「ヘリウム3」という名の物質が数百万トンもあると推定されています。ヘリウム3は核融合炉の燃料となる物質で、1万トンあれば全人類の1年分のエネルギーがまかなうことができるといわれています。ですから、このヘリウム3や太陽光から発電した電力をレーザーなどに変換して地球へ送電する技術が確立されれば、安全で大量のエネルギーを得ることができると期待されています。アルミ、チタン、鉄などの採掘と精製、ガラス、シリコン、セラミックなどの素材や月の環境を利用した純粋材料の製造なども可能でしょう。また、地球の6分の1の重力を利用した植物は、地上の6倍の大きさに育つ可能性があります。月で生産されたお化け野菜が八百屋の店頭にならぶことも夢でなくなるかもしれません。
スペースプレーンの月旅行も夢物語ではない
青く輝く私たちの住む地球をはじめとする、宇宙に広がる雄大な景観や、1/6の重力、そして月にいたる重力脱出の旅などが楽しめる、魅力的な月面観光も将来は現実のものとなるでしょう。研究施設の保守・運営とさらなる拡張・開発のためのビジネスとして、月訪問の需要が生じるはずです。1度に多くの人々を宇宙へ運び上げるには、垂直離陸式の現行スペースシャトルに代わって、水平離陸式の「スペースプレーン」が考えられています。地球の自転速度を最大限利用できる場所である、赤道近くから離陸したスペースプレーンに乗って宇宙空間へ到達。軌道上につくられた宇宙ステーションで月シャトルへ乗り換え、月周回軌道を回る月ステーションに着くと、最後に月着陸船に乗り、月面へのランディング。このような月面への旅も、未来のできごとではありますが、すでに夢物語ではなくなりつつあります。
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