救済手段
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/08 12:32 UTC 版)
この争点は、最終的に、本件で最も僅差で判断されることになった。代理人の弁論では、裁判所が平等保護条項違反を認定した場合に裁判所がいかなる措置をとるべきかについて、詳しく述べられなかった。しかし、ゴアは、適切な救済手段はすべての数え直しをやめさせることではなく、適正な数え直しを命じることであると手短に主張した。
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救済手段
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連邦最高裁は、5対4の多数で、12月12日の「セーフ・ハーバー条項」による期限までに、憲法に適合した数え直しを行うことは不可能であると判断した。連邦最高裁は、「フロリダ州最高裁の述べるように、州議会は州の選挙人が3 U.S.C. §5で定められているとおり連邦の選挙に完全に参加することを意図していた」と主張した。「フロリダ州議会は3 U.S.C. §5の利益を得ることを意図していた」ことを理由に、裁判所は、選挙を実質的に終わらせた。 4人の裁判官(スティーヴンズ、ギンズバーグ、スーター、ブレイヤー)は、数え直しを中止することに反対した。これらの裁判官は公平の原則を主張した。実際の集計作業は、同じ5人の多数意見裁判官によって12月9日に出された差止命令によって中断されており、これは期限の3日前であった。もっとも、反対意見の4人のうち2人(ブレイヤー、スーター)は、12月9日までの集計は平等保護の要請にかなったものではなかったことを認めた。 反対意見は、多数意見に対する尋常でないほど辛辣な批判が特徴的である。スティーヴンズ裁判官の反対意見(ブレイヤー、ギンズバーグ両裁判官が同調)は、次のように結論付けている。 申立人(ブッシュ)らが、フロリダ州の選挙手続に対し連邦裁判所において行っている攻撃全体の背後にあると思われるのは、明言されていないが、票の集計が進んだ場合に決定的な判断をするであろう州の裁判官の公平さと能力に対する不信である。そうでなければ、申立人らの見解には全く理由がない。当裁判所の多数意見がその見解を是認するということは、全国の裁判官の仕事に対する最も侮蔑的な評価に信憑性を与えることでしかない。法の支配の真のバックボーンとなるのは、司法制度を運営する人々に対する信頼である。今日の判断によって負わされるであろう、この信頼に対する傷は、いつか時間によって癒やされるであろう。しかし、一つ確かなことがある。我々は、今年の大統領選の勝者が誰になるか、確実に分かるわけではないが、誰が敗者かは完全に明らかである。それは、国家の、法の支配の公平な守護者としての裁判官に対する信頼である。 匿名意見は、厳密にいえば、ゴアによる訴訟を却下したわけではなく、この意見に反しないように更に手続を進めるべく、差し戻した。そのため、ゴアの代理人は、戦いを続けることはできると理解し、フロリダ州最高裁に対し、フロリダ州法の下で12月12日が最終期限であるとの考えを退けるよう申立てをすることは可能と考えた。しかし、ゴアは、フロリダの最高裁裁判官らが更なる弁論に対しどのように対応するかについて、悲観的な見方をした。また、いずれにしても、ゴアが望み得るのは、彼の助言者が言ったとおり、せいぜい争われている選挙人の一部であった。そのため、ゴアは事件を取り下げた。別事件で、差戻しを受けたフロリダ州最高裁は、2000年12月22日に判決を言い渡したが、そこでは州法の下で12月12日が数え直しの最終期限か否かについては論じられていなかった。
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