換気設備
換気装置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 15:16 UTC 版)
第二次大戦時までの戦車は単純な換気扇を備え、エンジンや火器から発生する有毒ガスを排出するだけであった。当時日本軍の戦車は独立した換気扇を持たず、ハッチや視察窓を開くか、空冷エンジンの冷却ファンが回ることによる限定的な外気吸い込みで換気を行っていた。T-55では核・生物・化学兵器に対する生残性を向上させるためこれらの有害物質を除去するフィルターを換気装置に装備し、以降戦車に必須の装備となった。
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換気装置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 03:29 UTC 版)
前述の通り、特に道路トンネル内部は排気ガスがこもりやすい構造となりがちであることから、道路トンネルの設計においては換気装置の検討が重要となってくる。 トンネル内の換気方法としては、自動車交通により発生する空気の流れ(交通換気)やトンネルそのものを抜ける風(自然風)を利用して換気を行う「自然換気方式」と、何らかの機械設備を用いて強制的に換気を行う「機械換気方式」の2つに大分される。自然換気方式は特別な装置が不要な一方で、適用可能な長さや交通量に制限が生ずる方式であり、一定以上の規模のトンネルにおいては機械換気方式が採用されることが多い。 機械換気方式には、主に以下のような3種類が挙げられる。 縦流換気方式 トンネル天井にジェットファンと呼ばれる大型の送風機をぶら下げたり、送風機の機能を持つ換気口を設けるなどして縦断方向の空気の流れを強制的に作り、トンネルの坑口または中間部から排気ガスを排出すると同時に、外部から直接トンネル内部に新鮮な空気を送り込む方法。 交通換気力を有効に活用する方法で、換気ダクトが不要なためトンネル断面を小さくできることから機械換気方式の中ではコスト面で最も有利な方式である。ただし、交通量が少なかったり、逆に交通量が増えすぎて旅行速度が低下すると交通換気力が低下して十分な換気が困難になる。また自然風の変動を受けやすい方式でもある。 自動車排出ガス規制の強化に伴い、長大トンネルであっても強力な換気機能を備える必要がなくなりつつあることから、後述の横流換気方式から切り替えられるケースがある。 半横換気方式 トンネルの一部を仕切って「換気ダクト」とし、新鮮な空気をトンネルの坑口などに設けた吸気口から換気ダクトを通じて車道内に一様に供給し、排気ガスを新鮮な空気によって坑口から押し出す方法。 トンネルポータルの上部に天井板を設けて、天井板で区切られたスペースを換気ダクトとすることも多いが、シールドトンネルの場合はデッドスペースとなる道路の下にダクトを通す事が多い。また、鋼製のダクトをトンネル内に配管させるケースもある。 新鮮な空気の供給に関しては交通量や自然風に影響されない換気方式であるが、換気ダクトや換気機を必要とするためコスト面では不利となる。また、換気風は坑口に向かって大きくなるため、適用延長に限界がある。 横流換気方式 半横換気方式と同様にトンネルの一部を仕切って「換気ダクト」のスペースを設け、さらにこれを「排気ダクト」と「送気ダクト」に分割し、新鮮な空気を送気ダクトを通じて車道内に供給すると共に、排気ダクトを通じて排気ガスを強制的に排出する方法。 トンネルポータルの上部に天井板を設けて、天井板の上部に隔壁を設けて排気ダクトと送気ダクトとして確保することも多いが、シールドトンネルの場合はデッドスペースとなる道路の下にダクトを通す事が多い。山手トンネル(首都高速道路)でも横流換気方式を採用しているが、シールド工法区間では道路下にダクトを通しており、天井板はついていない。 送気用の換気機と排気用の換気機がそれぞれ別に必要となることからコスト面では最も不利な方法であるが、トンネル内の縦断方向に換気風を起こす必要がなく、トンネル延長や交通量、自然風に影響されないため、最も安定した換気方式と言える。 かつては長大トンネルに多く採用されていたが、天井板が存在することの圧迫感や、ジェットファンの性能向上等もあって近年では少数派になりつつあった。更に2012年12月に笹子トンネル天井板落下事故が発生、老朽化した天井板の危険性が指摘される様になったことから、全国において天井板撤去、縦流換気方式への転換が進んだ。しかしながら機能的に撤去不能なトンネルや、撤去を見合わせるトンネルも少数ある。 なお、海底トンネルなどではこれらの方式を組み合わせた換気方式も見られる。 鉄道トンネルにおいても、走行時に煤煙の発生する石炭焚きの蒸気機関車が動力車として使用されていた時代には、トンネル内換気や煤煙の誘導が重要な問題となっていた。このため、長大トンネル区間においてはトンネル天井から垂直に地上部まで縦坑を掘って排煙を促進する、トンネル両端の坑口部に強制換気ファンを設置する、列車通過後に遮断幕を下ろして煤煙が後方へ流れにくくする、等様々な対策が講じられた。 もっとも、それでも勾配区間の長大トンネルでは北陸線柳ヶ瀬トンネル窒息事故のように機関車動輪に空転が発生し列車の運行速度が低下あるいは停止した際にまとわりついた煤煙が原因で乗務員や乗客が窒息する事故が少なからず発生した。 これは特に小断面の長大トンネルを含む区間で積極的に電化工事やトンネルの改築工事、あるいは線路付け替えによる改良工事が実施され、またディーゼル機関車の導入が他より優先的に実施される一因となった。なお先に触れた柳ヶ瀬トンネル内での事故により殉職者を出していた敦賀機関区においては、トンネル内における蒸気機関車の排煙の流れを制御し乗務員が窒息する危険性を軽減するための集煙装置と呼ばれる装置が1951年に開発されている。
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