憲法審査会における発言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 20:20 UTC 版)
2016年2月17日、参議院の憲法審査会において、以下の発言を行った。 「アメリカ合衆国51番目の州」も参照 憲法上の問題でもありますけれど、ややユートピア的かもわかりませんけれども、例えば、日本がですよ、アメリカの第51番目の州になるということについてですね、憲法上どのような問題があるのか、ないのか。例えばですね、そうするとですね、集団的自衛権、安保条約はまったく問題になりません。例えば、いまは拉致問題というのがありますけれど、拉致問題すらおそらく起こっていないでしょう。それから、いわゆる国の借金問題についてとかですね、こういう行政監視のきかないような、ずたずたの状態には絶対なっていないと思うんですよ。これはですね、日本がなくなることではなくて、例えば、アメリカの制度になれば、人口比において下院議員の数が決まるんですね。比例して。するとですね、おそらく日本州というのは、最大の下院議員選出数を持つと思う、数でね。上院もですね、州一個とすれば2人ですけれども、日本もいくつかの州に分かれるとすると、かなり十数人の上院議員もできるとなる。これは、世界の中の日本と言うけれども、要するに、日本州の出身が米国の大統領になるって可能性が出てくるようなんですよ。ということは、世界の中心で行動できる日本という、まあ日本とはその時は言わないんですけれども、ありうるということなんですね。バカみたいな話をすると、こう思われるかもしれませんが、例えば、いまアメリカは黒人が大統領になっているんですよ。黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ、はっきり言って。リンカーンが奴隷解放をやったと。でも、公民権もない、何もない。ルーサーキングが出て、公民権運動の中で公民権が与えられた。でもですね、まさかアメリカの建国、あるいは当初の時代にですね、黒人、奴隷がですね、米国の大統領になるなんてことは考えもしない。これだけのですね、ダイナミックな変革をしていく国なんですよね。そういう観点からですね、例えば、日本がですね、そういうことについて憲法上の問題があるのかないのか、どういうことかということについてお聞きしたい。 — 丸山和也 これが暴言だと批判を浴び、丸山は発言を撤回し、参院憲法審委員を辞任した。他方で、「人種差別の意図はまったくない。批判されることは不条理で残念だ」と、また黒人への人種差別を乗り越えて「自己変革を遂げた米国への尊敬の念がほとばしった言葉が、どうして人種差別の言葉になるのか。驚きだ」と弁明した。 他方、アメリカのCNNは、丸山が「黒人奴隷の血統」と発言したとして、「日本のトランプ?」と報じている。 2016年2月18日、郡司彰、小川敏夫、風間直樹、又市征治ら14議員共同提案による「議員丸山和也君の議員辞職勧告に関する決議案」が参議院に提出された。決議案は「丸山和也君は二月十七日の憲法審査会において、米国大統領に対して人種差別を含む誹謗発言をした」「発言は、わが国にとって重要な外交関係である日米間の信頼を大きく損ねるのみならず、人類普遍の原理である基本的人権を蔑ろにするものであり、決して看過できない」との理由で辞職を勧告するものであった。 所属会派の自由民主党は、本人が発言を撤回していることを理由に対案を出すことなく決議案の審議を拒否したが、信濃毎日新聞と福井新聞が社説で発言問題を与党のおごりと評価する など批判は止まらず、5月11日参院憲法審査会は丸山発言のうち「奴隷」など2カ所の計20文字を議事録削除 することで問題を終結させ、決議案の審議は未了となった。 なお、オバマの父であるバラク・オバマ・シニアは黒人だが、ケニアからの外国人留学生であり、米国における奴隷制度とは無関係である。母のアン・ダナムは白人だが、系図会社Ancestry.com(英語版) の2012年の発表によると、先祖のひとりが黒人奴隷である。また、移民の家系がアメリカ大統領になるには、所謂“三代前”からの市民権保持が必要になる(ハワイ州市民はこれにより大統領にはなれない)。
※この「憲法審査会における発言」の解説は、「丸山和也」の解説の一部です。
「憲法審査会における発言」を含む「丸山和也」の記事については、「丸山和也」の概要を参照ください。
- 憲法審査会における発言のページへのリンク