喫茶店「森の時計」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 00:05 UTC 版)
お客自身の要望でミルを渡してコーヒー豆を曳かせるという独特の経営形態から地元の人々に愛される喫茶店。観光客も多く訪れる。二階は勇吉の自宅。 湧井 勇吉〈59→60〉 演 - 寺尾聰 本作の主人公。エリート商社マンだったが、妻の死を機に会社を退職した。めぐみとの約束で富良野に移住し喫茶店「森の時計」を開く。 元は仕事人間で家庭を顧みようとはせず、めぐみと拓郎が抱えていた問題について知らない。現在は気さくで温厚な人柄を誰からも慕われるが自分については滅多に語らない。他人にも自分にも厳しいところがあり、それが人を傷つけてしまうことに悩む。 めぐみを深く愛していたこと、拓郎への衝撃と恐怖が根深い確執の原因となる。仕事を終えて一人になると亡くなっためぐみと語らう日常。本当は拓郎のことが心配でたまらないが、手ひどく拒絶してしまうのではないかと恐れている。また、こと拓郎に関しては悪い想像ばかりしてしまう。葬儀で再会した拓郎が髪を染め、腕に入れ墨をしていたことがショックで厳しく突き放してしまった。 梓が「自分が交際している大事な人」を誰より先に紹介したいとクリスマスの晩に「皆空窯」へ案内。そこで梓が走り去る青年に「たくちゃん」と呼びかけたのを聞いて半信半疑ながら拓郎が富良野から1時間ほどの距離に暮らしていると知り、朋子から拓郎本人だと教えられる。その後、こっそり様子を見に行き、お守りを置いて立ち去った。めぐみ、朋子と語らううちに拓郎と向き合おうとしてこなかった自分に気づかされてしまう。 朋子から還暦祝いに贈られた手作りのコーヒーカップを拓郎からのプレゼントだとは知らずに大切にする。後に拓郎が贈ったものだと知ってより一層大切にする。 最終回で陶芸展に出品する作品を手に店を訪れた拓郎がヤケド痕を見せ「許してください」と頭を下げたのに対して「謝らなければならないのは私の方だ」と言って和解した。 皆川 梓〈19〉 演 - 長澤まさみ 本作のヒロイン。「森の時計」の従業員で通称はアズ。精神的に不安定でやや幼いところがある。ふとしたことで食器を壊してしまう。 百円ショップで商品を壊してしまった際に片付けを手伝おうとした拓郎と知り合い、窯焼きで生じる出来損ないをわけてやると約束され連絡先を交換し合う。拓郎の優しさに惹かれ、「皆空窯」を訪ねるようになる。 幼くして父親を失い、母親が蒸発。その後姉と暮らす。高校時代に松田と初恋をしたがそのことが発覚して校内でいじめに遭い、松田は彼女の前から姿を消した。以来、不登校に陥り中退。リストカットを繰り返すようになってしまい姉を心配させていたが、「森の時計」で働くようになり落ち着いていた。 拓郎から事情を打ち明けられた後に朋子に相談。クリスマスを契機に拓郎と勇吉を和解させようとして、勇吉を「皆空窯」に案内するが拓郎に拒否される。その後、拓郎から一方的に音信を打ち切られて再び不安定になる。吹雪の晩、自宅には戻らず車中でリストカットして凍死しかけたところを警察に発見される。幸い命に別状はなく、入院中に美可子からシルバーアクセサリの作り方を教わる約束をして退院後は夢中になる。朋子から事情を聞いた拓郎が会い来て誤解を解き、拓郎を陶芸展に集中させるため待つことを選び、拓郎のことを理々にも打ち明けた。最終回で「森の時計」を訪れていた拓郎を勇吉から息子として紹介される。 内村 理々 演 - 森上千絵 梓の姉。「森の時計」の従業員で通称はリリ。夫は出て行き、3年以上音信不通だが、籍は抜いていない。夫が札幌で女を作りヤクザがその行方を追っており「森の時計」に来店して脅されるがその場に居合わせた風間が間に入って事なきを得た。 耳田 笑子 演 - 高橋史子 「森の時計」の従業員で通称はミミ。バツイチ。他人の不幸が大好物。
※この「喫茶店「森の時計」」の解説は、「優しい時間」の解説の一部です。
「喫茶店「森の時計」」を含む「優しい時間」の記事については、「優しい時間」の概要を参照ください。
- 喫茶店「森の時計」のページへのリンク