手首(wrist)を切る(cut)ことから造られた和製英語で、主に自分の手首などをナイフやかみそりなどを使って傷つける自傷行為の1つです。1960年代にアメリカで大流行し世界中に広がりました。思春期の青少年、特に女性に多く見られます。自殺を望むほどの感情ではなく、また傷自体は深い傷であることは少ないため、その行為自体で死に至ることはほとんどありません。
リストカットに至る理由は、他人の注意を引き無意識に助けを求めている、対人関係のストレス解消、自分の再認識などさまざまです。最近では、インターネットやコミックなどで必要以上の情報を得て、孤独感・疎外感や精神的重圧から逃避するため安易に行う傾向があり、問題となっています。
リストカットに対峙したときには、その内容、手首を切らずにいられない不安感や孤独感を把握し、子どもの側に立って働きかけることが大切となります。ただ、長期にわたる場合や傷がひどくなる場合は死に至ることもあります。境界性人格障害、摂食障害、うつ病、統合失調症、解離性健忘などの精神疾患の場合も考えられますので、精神科の受診も考慮します。
リストカット
別名:手首自傷症候群,リストカットシンドローム,リスカ
リストカット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/18 05:35 UTC 版)
リストカットは、カッターナイフなどの刃物を用いて主に手首を傷つける自傷行為[1]。リスカと略されることもある。腕を傷つけるアームカットという言葉や脚を傷つけるレッグカットという言葉も存在し、これらはそれぞれアムカ、レグカと略されることがある。自傷行為をする理由は様々だが、 一時的に苦痛から逃れるための逃げ道として行っている者が多い
- ^ a b c d e 内田伸子 2006, pp. 202–203.
- ^ 角丸歩「大学生における自傷行為の臨床心理学的考察」『臨床教育心理学研究』第30巻第1号、関西学院大学臨床教育心理学会、2004年、89-105頁、CRID 1571417127112034944、NAID 110002558472。
- ^ 自傷行為治療ガイド. Walsh, Barent W., Matsumoto, Toshihiko, 1967-, Yamaguchi, Akiko., Kobayashi, Oji., 松本, 俊彦, 1967-, 山口, 亜希子. Kongo Shuppan. (2007.3). ISBN 978-4-7724-0956-8. OCLC 676079620
- ^ a b c 松本俊彦「インタビュー リストカットの基本的な知識と学校での対応」『月刊学校教育相談』第24巻第3号、学校教育相談研究所、4-13頁、NAID 40016910945。
- ^ Coid, Jeremy; Allolio, Bruno; Rees, L. H. (1983-09-03). “RAISED PLASMA METENKEPHALIN IN PATIENTS WHO HABITUALLY MUTILATE THEMSELVES” (English). The Lancet 322 (8349): 545–546. doi:10.1016/S0140-6736(83)90572-X. ISSN 0140-6736 .
- ^ 自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント. Matsumoto, Toshihiko, 1967-, 松本, 俊彦, 1967-. Kodansha. (2015.2). ISBN 978-4-06-219316-0. OCLC 905899176
- ^ a b 松本俊彦『自傷行為の理解と援助』日本評論社、2009年、189-194頁。
- 1 リストカットとは
- 2 リストカットの概要
- 3 用語
- 4 出典
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