名前と扱い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/18 14:22 UTC 版)
洋ランの名前は、学名と、独特の個々の名前とで呼ばれる。それらは、主に英国王立園芸協会の管理下にあるサンダーズリスト(Sander's List of Orchid)に集約されており、これによって国際的な統一が図られている。人為的な新品種は、それが新しいものであることが認められれば有償で登録される。 原種の場合、基本的には学名のままで呼ばれ、さらに亜種や変種、品種名があればそれを添える。分類学上で扱いが変わった場合、たとえば分類体系の見直しで属名が変わった場合には、それはこの分野にも反映される。ここまでの範囲では、植物の分類学における扱いと同じである。 20世紀末よりの生物分類学における分子系統と分岐分類学による洗い直し、分類体系の見直しはこの分野においても大きな変化を与え、多くの属が組みかえられたり再編されたりしている。これらの変更はこの分野での呼び名にも素早く反映されるようになっており、そのために呼称が変更になる例は非常に多く、その扱いには注意が必要となっている。 種間、あるいは属間の交配で作出されたものについては、両親が同じものは同じ名で呼ぶ。その際の種小名にあたる部分にはそれなりの名が与えられるが、ラテン語化するなどの縛りはなく、また一つの単語でなくてもよい。表記上は頭文字を大文字で書く(学名の種小名は小文字で始まる)。 また、原種であれ交配品であれ、名称は同じであっても、特に鑑賞上優秀な個体、あるいは系統を個別に扱うことがある。これは個体名と呼び、学名のあとにシングルクォーテーションで囲んで示される。これは、一般的な用語における品種名に当たる。 以下のような使い方が慣例的に行われる。 属間雑種では、全く新しい名を与える場合もあるが、両属の学名、あるいはその一部をつなげる形で新たな属名が与えられる。 例:レリア Laelia ×カトレア Cattleya =レリオカトレア ×Laeliocattleya 学名は長くなりがちなので、属名は往々にして略号で表記される。これも上記リストで標準的な略号が決められている。 例:カトレア(C.)・パフィオペディルム(Paph.)・デンドロビウム(Den.)・シンビディウム(Cym.) このような情報は個々の株にとって重要であり、また実物を見るだけでは判断しがたい場合もあるため、それらはラベルも記録し、それを失わずに添付することが重視される。ラベルにはさらにその株の受賞記録なども記入される。
※この「名前と扱い」の解説は、「洋ラン」の解説の一部です。
「名前と扱い」を含む「洋ラン」の記事については、「洋ラン」の概要を参照ください。
- 名前と扱いのページへのリンク