分岐分類学とは? わかりやすく解説

分岐学

(分岐分類学 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/31 14:02 UTC 版)

分岐学(ぶんきがく、英語: cladistics)とは、系統学の手法のひとつ。分岐論、あるいは分類学のひとつの方法あるいは立場として分岐分類学ともいう。


  1. ^ 馬渡峻輔 1994, p. 142.
  2. ^ 松井正文 2006, p. 174.
  3. ^ 松井正文 2006, p. 12.
  4. ^ 馬渡峻輔 1994, p. 107.



分岐分類学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 05:34 UTC 版)

分岐学」の記事における「分岐分類学」の解説

伝統的な分類学(また古い系統学)では、ある目立つ形質だけを取り上げて進化判断基準とする傾向がある。 例えば、鳥類は翼があることをもって進化段階進んだものと考え、古い段階と考えられる爬虫類分けている。しかし、鳥類爬虫類の中の1つ系統系統樹)であることが明らかである。 ヘニッヒは、このように一部形質変化だけを恣意的取り上げ、「進化段階進んだかのように考えるのは科学的でないとした。それに代わる方法として、できるだけ多数形質重み付けをせずに比較して進化における分岐パターン明らかにする方法考案しギリシャ語の「」という単語からCladistics命名した分類学における分類群タクソン)には、単一系統からなる単系統群」(例え鳥類)と、大きな単系統群から一部単系統群除いてまとめた「側系統群」(鳥類除いた爬虫類など)があるが、分岐学立場では側系統群分類群として認めるべきではなく単系統群分岐学ではクレードClade)という)のみを認めるべきだということになる(進化分類学呼ばれる考え方では側系統群認める)。 分岐学では、生物の種その他の群が分化する際には二叉分岐するということ基本仮定としている。これに基づいて、AとBからなるクレード次の3種類のいずれかにより定義される(図も参照)。 ノード分岐点)による(node-based)クレード: AとBの最新共通祖先と、その子孫すべてからなるステム(幹:ノード根元にあるエッジ)による(stem-based / branch-based)クレード:AとBの最古共通祖先の子孫すべてからなる。つまりZとの分岐点以降すべてからなり、Zのみの祖先含まない派生形質による(apomorphy-based)クレード:AとBの共通祖先のうち、ある派生形質を持つ最新のものと、その子孫すべてからなる。 ただし。比較対象3つ以上(A、B、C、…)ある場合、必ずしも二叉分岐したとは限らないし、現実分岐パターン明らかにできない(あるノードから放射状広がったとしか言えない)ことも多い。この場合には、ノードからクラウン形に広がったものという意味で、クラウングループcrown group)という。 ステムによるクレードから、その一部であるクラウングループ除いた群を、ステムグループstem group)という。この用語は便宜的に使われるが、側系統群相当しクレードではない。 さらに分岐分類学の考え方では、従来用いられてきた、属・科・目といった分類階層客観的ではないとして代わりに分岐段階基づいて系統特定する方法用いている。学名代わり分岐学的な考え生物種同定命名する方法としてPhyloCodeファイロコード)が提案されている。

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