代表的な氷河時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 04:36 UTC 版)
「氷河時代の年表」も参照 地球上では、過去に少なくとも5回の大きな氷河時代があった。それらは、ヒューロニアン氷河時代、クライオジェニアン、アンデス-サハラ氷河時代(英語版)、カルー氷河時代、そして第四紀氷河時代(英語版)である。これらの時代のほかは、地球は高緯度地域でさえ氷結していなかったと思われる。 ヒューロニアン氷河時代 ヒューロニアン氷河時代は原生代初期、約22億年前の氷河時代であり、低緯度氷床の存在を示す古地磁気学的証拠が残っている。最初期の確立した氷河時代から存在している岩石群は、ヒューロニアンと呼ばれ、およそ24億年前から21億年前の原生代初期に形成されたと考えられている。数百キロメートルの長さのヒューロニアン超層群(英語版)はヒューロン湖の北岸の北10–100 kmに露出しており、スーセントマリー付近から延びている。ヒューロン湖の北東、マリーからサドバリーにかけては、石化したティル(氷礫土)の巨大な層とともに、ドロップストーン(氷河で運搬され、氷河が解けたときに落下して堆積した大きな石)、ヴァーブ(氷縞粘土)、アウトウォッシュ(融氷流水堆積物)、磨き削られた基盤岩がある。相関関係のあるヒューロニアン堆積物はミシガン州マーケットの近くで発見され、西オーストラリア州から見つかった古原生代の氷成堆積物と相関関係が成立した。 クライオジェニアン これまでに十分裏づけされてきた氷河時代の中で、過去10億年の間でおそらく最も厳しかったものは、8億5000万年前から6億3000万年前(クライオジェニアン)に起きた。このときは氷床が赤道まで達し、スノーボールアース(雪玉地球、全球凍結)を作り出したとされる。スノーボールアースは火山によって作り出された温室効果ガス(二酸化炭素(CO2)など)の蓄積により終焉を迎えたのかもしれない。「大陸氷床と海上の流氷の存在は、ケイ酸塩の風化と光合成の両方を抑制しただろうが、それらは現在CO2の二つの大きな溜まり場である。」この氷河時代の終結は、続いて起きたエディアカランとカンブリア爆発を招いたといわれているが、この説はまだ新しく、現在も論争の的である[要出典]。 アンデス-サハラ氷河時代 アンデス-サハラ氷河時代(英語版)は4億6000万年前から4億2000万年前、オルドビス紀後期とシルル紀に存在した。 カルー氷河時代 カルー氷河時代[要リンク修正]は、デボン紀の始まりに起きた陸上植物の進化により、長い期間にわたって地球上の酸素濃度が増加し、CO2濃度が減少した結果とされる。カルー氷河時代の名は南アフリカのカルー地方で見つかった氷河性漂礫土に因み、同地方でこの氷河時代の存在を示す証拠が初めてはっきりと同定された。石炭紀とペルム紀初期の間の3億6000万年前から2億6000万年前まで、ある程度の間隔を置きつつも極地の氷冠が南アフリカまで広がっていた。相互に関係する堆積物は、アルゼンチンから、また古代の超大陸ゴンドワナ大陸の中心にあったことがわかっている。 第四紀氷河時代 現在の氷河時代である第四紀氷河時代(英語版)は更新世(約258万年前から)に始まり、北半球の氷床が拡大し始めた。それ以来、地球では4万年と10万年の時間スケールで周期的に氷床の発達と後退を繰り返してきており、これらは氷期と間氷期、あるいは氷床拡大期や氷床後退期などと呼ばれる。地球は現在、間氷期にあり、最後の氷期(最終氷期)は約1万年前に終わった。その大陸氷床で現在まで残存しているのは、グリーンランド氷床(英語版)と南極氷床、およびバフィン島にあるような比較的小規模な氷床である。
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