乾漆力士形立像とは? わかりやすく解説

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乾漆力士形立像 (奈良県)


乾漆力士形立像

主名称: 乾漆力士形立像
指定番号 3400
枝番 00
指定年月日 1988.06.06(昭和63.06.06)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 彫刻
ト書
員数 1躯
時代区分 奈良
年代
検索年代
解説文: 近年国有となった、珍しい像容脱活乾漆造忿怒形像である。伝来不詳で、像を納める近代の箱には執金剛神記されるが、両手ともに持物をとった痕がないことや、中国南北朝時代金剛力士像との形の類似からは、金剛力士像として造られ可能性考えられる
 像は、塑土の原型麻布をはりかさねて概型造った後、後頭部背面などを切り開いて土原型をかき出し木屎漆で表面細部塑形肉身を丹地に隈、裳の表を緑青彩とする。両足裏から二本の丸心木を像内の肩部までさしこみ、この木の下端を〓として台座上に立て天衣などには鉄線用いる。このような脱活乾漆技法は、わが国では白鳳奈良時代盛行し、その遺品も多いが、本像では、像内の全面濃茶色の漆を丁寧に塗ること、心木ケヤキとみられること、台座ケヤキ材で底面轆轤挽として、蓮弁木屎漆で塑形する点などに特色がある。
 全体均整のとれた乾漆像特有のやわらかい抑揚富んだ作風には、天平彫刻特色がよく示されるが、強調され筋骨起伏や、動きのある天衣の縁の処理、やや形式化した衣文表現や、細部略した胸飾の形などから、その製作はおよそ天平後期八世紀後半頃と考えられよう。歯をむきだして髭髯をあらわした面貌きわめて特徴的で、わずかに当代伎楽面中、天平勝宝四年(七五二)将成作の銘のある力士面などに類似のもの認められるに過ぎないまた、岩手林野観音堂銅造菩薩立像は、体躯衣文表現、および冠飾、胸飾等の特徴が本像ときわめて近いことが注目される
 なお、この力士形像については、その像容作風異色であるとして中国唐代造像かとする見方提示されている。



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