憤怒
別表記:忿怒
憤怒(ふんぬ)とは、激しい怒り・憤り(いきどお-り)のこと。怒り・憤りを意味する漢語表現。
仏教では、明王像の恐ろしく険しい形相(ならびに火焔光背や怒髪といった諸々の意匠)を「憤怒の相」という。乳幼児が激しく泣いたあとにひきつけを起こす状態を「憤怒痙攣」と言う。
「怒」の字は普通は「ど」と読む。これは〈漢音〉に基づく読み方である。憤怒の「怒」の字は、一般的には「ぬ」と読まれる。これは〈呉音〉に基づく読み方である。呉音は古くに日本に伝来した語彙で多く用いられており、仏教の用語などに今なお多く見いだされる。
キリスト教における悪徳(「七つの大罪」)のひとつである「怒り(anger)」もまた日本語では「憤怒」と訳されることが多い。
「憤怒」の対義語としては、「他人に憤ることなく穏やかな気持ちで受け入れる」という意味において「寛容」、「怒りでなく悲しみに包まれる」という意味では「悲嘆」などが挙げられ得る。直接的な対義語ではなく、対極に位置する表現としてではあるが。
ふん‐ど【憤怒/×忿怒】
ふん‐ぬ【憤▽怒/×忿▽怒】
怒り
(忿怒 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/04 08:58 UTC 版)
怒り(いかり、英: anger)とは、人間の原初的な感情のひとつで、様々な要因・理由で起きるもの。例えば目的を達成できない時、自分の思い通りにならない時、身体を傷つけられた時、侮辱された時などに起きるものである[1]。憤り(いきどおり)とも言う。特に激しい怒りは憤怒(ふんぬ。忿怒とも)と言われる。用言、動詞的な表現としては「腹を立てる」「立腹」「カッとなる」「頭に来る」とも。また、一部の動物(イヌ、ネコなどの哺乳類、鳥類、その他)も怒りの感情を持つ。
- ^ a b c d e http://www.encyclopedia.com/topic/Anger.aspx
- ^ 『「イラッとくる」の構造』KKベストセラーズ、11月20日 2014、pp.64-69,76-79頁。
- ^ ダニエル・ゴールマン『EQ こころの知能指数』p.98
- ^ 大辞泉【私憤】
- ^ 大辞泉【公憤】
- ^ 『私憤から公憤への軌跡に学ぶ―森永ひ素ミルク中毒事件に見る公衆衛生の原点』1993
- ^ 吉原賢二『私憤から公憤へ: 社会問題としてのワクチン禍』岩波書店、1975
- ^ a b c d e 『EQ 心の知能指数』p.99
- ^ 『EQ 心の知能指数』p.99-101
- ^ “Turn off anger”. Harvard Health Publishing (2015年7月). 2020年2月8日閲覧。
- ^ Publishing, Harvard Health. “Working out while angry? Just don’t do it”. Harvard Health. 2021年1月1日閲覧。
- ^ Neuromodulator and Emotion Biomarker for Stress Induced Mental Disorders (2016)
- ^ Godman, Heidi (2022年1月19日). “Seeing red? 4 steps to try before responding” (英語). Harvard Health. 2022年12月16日閲覧。
- ^ 『EQ 心の知能指数』p.102
- ^ 『EQ 心の知能指数』p.103
- ^ a b c d 『EQ 心の知能指数』p.104
- ^ a b c d 『EQ 心の知能指数』p.106
- ^ a b 『精選版 日本国語大辞典』【腸が煮えくり返る】
忿怒
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