ブランディングとユーザー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 15:29 UTC 版)
「ブランディング」の記事における「ブランディングとユーザー」の解説
時代の流れやトレンドによる顧客ニーズの変化、また競合品・代替品の出現など、刻々と変わる状況に対応するためブランドも新陳代謝を繰り返す。しかしそのどの場面においても焦点は『顧客の頭の中に形成されるイメージ』に合わせられており、時を経て蓄積されたそれら無形資産が消失・分散されることのないよう、企業によって注意深く計画・管理される。ユーザーはさまざまな機会やメディアなどを通じて商品情報と接触するほか、店頭で目にして手に取り、実際に利用することでその品質を体感する。これら一連の中にユーザーの期待を裏切らない満足(価値)がある時、その商品はユーザーエクスペリエンス(新鮮で快適な良い体験)をもたらす商品として記憶され、さらなる注意が向けられるようになり情報収集と利用を繰り返すという循環が生まれる。このように商品とユーザーの間にできた体験を伴う良い関係が、商品に対する共感や信頼を育てユーザーの顧客化が起こり、徐々に顧客の頭の中に『ブランドイメージ』という行動を決定する力を持つ『概念上の価値』が構築されていく。 「ブランディングは精神的な構造を創り出すこと、消費者が意思決定を単純化できるように、製品・サービスについての知識を整理すること」とケビン・レーン・ケラーが言うように、ターゲットの選定やポジショニングなどの重要性と同様、顧客の立場に立った誠実でわかりやすいコミュニケーションがブランドへの共感を育成する上で重要である。 仮に、ロゴマーク、キャラクター(の設定、選定)、オウンド・メディア、戦略PR、パッケージデザイン、店舗デザイン、冠イベント、また販促キャンペーン、プレゼントキャンペーン、クチコミ、などを大くくりに「顧客の立場に立ったブランディングのためのコミュニケーション」であるとすると、日本語本来の広告と限りなく同じである。そのこととは別途、事実関係としてコミュニケーションがブランディングに寄与しない場合の方が、寄与する場合よりもはるかに多い。たとえば、マクドナルドは季節ごとに多種多様な、キャンペーン、新製品追加、をマス広告、新聞チラシ、SNS、アプリの中のクーポンなどとして行うが、各々がブランディングに寄与しているかどうかは分からない。むしろ「いつも賑やかで楽しそう」といった漠としたブランドイメージを維持、強化していると考えられる。
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