高泌乳牛(スーパーカウ)
人間に、おっぱいがよく出るお母さんと出にくいお母さんがいるように、母牛も乳量はさまざまです。高泌乳牛とは、簡単にいえばお乳のたくさん出る母牛のこと。それは育種改良や飼育技術の向上など、乳量を増やすためにいろいろなことに取り組んだ酪農家たちの努力の結晶なのです。 乳牛も人間と同じように分娩をするとお乳を出します。泌乳とはお乳を出すことですが、1回の分娩で250から360日くらいの泌乳期間があります。そこで305日を1泌乳期として、乳量を測る方法があります。この期間に8,000から9,000kg以上のお乳を出す乳牛を、高泌乳牛の目安としています。驚くことに、1日あたり約30kgのお乳を出し続けるわけです。ちなみに、乳量は分娩後2ヵ月くらいでピークとなり、あとは徐々に減少していく傾向があります。 さて、最近では、日本でも1泌乳期20,000kgという乳量を誇る「スーパーカウ」が注目されはじめました。なんと1日あたり約70kgものお乳を出す、まさにスーパー!です。遺伝的な能力に優れていたり、乳器が十分に発達しているなどの条件が整ってはじめて高泌乳牛となります。しかし、ここで忘れてならないのは、牛乳としての栄養や風味を高めるためエネルギー含量の高い飼料を与えるなど、酪農家たちの毎日の工夫。牛と人間の協力によって、たくさんのお乳が生まれるのですね。 |
日本を大表する「スーパーカウ」の1頭、アイダロッタ マリナー ジェー。1泌乳期306日で、22,317kgもの乳量を記録しています。 |
<ミルククラブ情報誌'95 AUTUMN vol.17より> |
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