ステージガン
ステージガン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 06:24 UTC 版)
ステージガン(劇中に登場する小道具銃)は、番組放映期間が長かった為、様々なバージョンのものが存在した。放映期間中の1977年に銃刀法が改正されたため、モデルガンのみならずステージガンも法改正の影響を受けている。 ごく初期のステージガンは電着銃を主に使用。リボルバー型、オート型、ライフル型を使用している。 放送初期には、所持許可が必要な鋲打ち銃や実銃のライフルを小道具として使用し、スタッフが警察より厳重注意を受けたことがある。該当話は全て再放送自粛の措置がとられ、DVD-BOXからも除外され欠番となっている。 マカロニの後期にMGCハイウエイパトロールマン(通称ハイパト)が刑事ドラマ全般で使われ始めた。ボスは戸井田工業の電着式ルガーP08を使用していた時期もある。 マカロニ後期からジーパン初期までMGCハイパト一辺倒だったが一部スチールなどでは国際産業製の旧ハイウェイパトロールマン3.5inや黒色金属製旧チーフススペシャル2inなども使用されている。 ジーパン後期よりハイパトをもとに各刑事専用に改造したステージガンが登場。柴田用の「ミリタリーポリス22」の他、SWマスターピース2インチ風の「テキサスカスタム」や「ゴリカスタム」、SWコンバットマグナム2.5インチ風の「殿下カスタム」や制服警官用のSW M1917も作られた。製作は東京メイクガン (TMG) とMGC。 女優がステージガンを使用する際は女性の握力を考慮して引き金が軽い電着銃を用いる傾向にあり、伸子はそのセオリーどおり電着オートを使用していた。令子は例外的に男性と同様のモデルガンベースのリボルバーを使用していた。令子役の長谷直美は別番組の大追跡でもMGCローマンを使用している。 滝の登場から銃身の短いMGC ローマンが刑事ドラマ全般の主流となる(ただし滝自身はその後銃身の長い拳銃を使用するように変わっていっており、MGC トルーパー6インチの使用を経て、最終的にはS&W M29モデルのMGC 44マグナム8・3/8インチに落ち着いている)。 岩城登場の頃から銃器類協力としてMGCボンドショップがクレジットされ、MGC ローマン、MGC トルーパーや同社製ホルスターを中心に使用していた。同時期(1978年)の作品である『大追跡』についても同様である。 岩城は登場時、MGC ローマン4インチを使用していたが、ハイパトを改造したミリタリーポリス5インチタイプも一時期使用。後期はMGC トルーパー6インチを使用し、殉職話のカナダロケでも使用されていた。 西條登場の頃から銃器テクニカルアドバイザーとしてトビー門口が参加。ドックのMGC M59(後述参照)や、スコッチのMGC 44マグナム8・3/8インチ(パックマイヤー製ラバーグリップ付き)が登場した。 西條は演じる神田正輝本人の強い希望でMGC M59を準備して使用。登場初期はセンターファイア、ライブエキストラクター、チョーク式ブローバック金属バレル、フロントサイトにクリアピンクインサート装着。トビー門口から小道具係が変更となった1984年10月以降からはフロントサイトやエキストラクター、バレルなどの細部が変更されモデルガンそのままの外観と作動方式(ダブルキャップCPブローバック)に変更。撮影時に非常に作動が悪く支障をきたしはじめた為、電気発火式モデルも併用された(詳細は「MGC M59」参照)。 西條が使用するバック・サイド・ホルスターはトビー門口のスタッフが考案、後に劇中仕様と全く同じものが一般市販された。この後、2タイプのホルスターは様々なガンショップで複製され発売されたこともあった。初期版はJAC製、以降はテキサス製。パドル、ループ、スナップなどに違いが見られる。 石塚が後期に使用していたMGC トルーパー4インチはシリンダー後面を実銃同様に全面カウンターボア加工がされている。このステージガンは石塚殉職によって降板した竜雷太本人にスタッフからの記念品として贈呈された。このステージガンの詳細はDVD-BOX特典ディスクに収録されている。 竹本登場時はMGC ローマンベースのニューナンブM60風カスタムを使用していた。3インチ程度に整形された銃身に実銃同様のフロントサイトとダミーながらロッキングボルトの付いた鉄バレルを装着しているのが特徴。この頃、電着銃のニューナンブも使用している。後にMGC パイソン4インチ、MGC M5864インチ(電気発火タイプも併用)と変更していく。 澤村はMGC 44マグナムを使用。登場話は純正の6.5インチ銃身(シリンダーのみ複製の41マグナムタイプ)を使用。以降はMGCカスタムガンワークス製のPPCカスタム・ラウンドバレル6.5インチを使用。後期は6.5インチ用マグナ・グリップとグリップアダプターを装着したMGC純正の8・3/8インチを使用。 原は登場時のオープニングで殿下カスタムを使用。作中初期はMGC ローマン、以降はMGC パイソン2.5インチに変更。MGC パイソン2.5inは後に島津、喜多らも使用したが原が使用したステージガンとは別の物である。 各ステージガンは国際放映と東宝の小道具(番組後期まで)のため、他番組でも流用されていた(銃器登場が頻繁だった『大追跡』と放映が重なっていた時期は『太陽にほえろ!』での発砲シーンが少なかった)。また、一部役者が所蔵物を持ち込む場合もあった。 中期の小道具担当は春木弘(中途降板)で製作はMGC、グッドビレッジやTMG(東京メイクガン)、戸井田工業。 トビー門口が他の映画作品用に製作していたステージガン(ニューナンブ型電気発火式拳銃など)が西條登場前にも登場することがあった。 マミー刑事登場の頃、コクサイ製のメタルフィニッシュ(ガンブルー調のメッキ仕上げ)SWミリタリーポリスが登場した。令子が2インチ、ボギーが3インチを使用。 後期はウェスタンアームズのセキュリティシックス、スピードシックス、ポリスサービスシックスなどのスタームルガーDAリボルバーが登場した。水木や令子が使用。 狙撃等の長距離射撃の主な担当は初期は石塚、後期は井川が担っており、狙撃用ライフルとして戸井田工業製のホーワM300カービンタイプ電着銃、MGC製のM1カービン、MGC製のM16A1(CP)などが使用された。藤堂がオープニングやスチールでボルトアクションライフルのCMC製モーゼルスポーターを持っているが、作中で使用する場面はほとんどない。他に犯人等のゲスト使用の長物銃としてAR7タイプ電着銃、ウィンチェスターカービン、垂直二連や水平二連散弾銃の電着銃などが登場した。
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